善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

#伝統芸能

秀山祭九月大歌舞伎 「筆法伝授」「道明寺」

日曜日は「秀山祭九月大歌舞伎」の昼の部を観ようと歌舞伎座へ。 演目は、歌舞伎の三大義太夫狂言のひとつ「菅原伝授手習鑑」(すがわらでんじゅてならいかがみ)。 太宰府へ流された菅原道真、歌舞伎では菅丞相(かんしょうじょう)と、それを取り巻く人々…

ナマが一番「立川流落語会」

国立演芸場の5月特別企画公演「立川流落語会」の2日目を聴く。 ただし国立演芸場は国立劇場本館とともに建て替え中(といってもまだ工事のメドすら立ってない)のため会場をあちこち転々としていて、今回はJR渋谷駅近くの渋谷区文化総合センター大和田6階伝…

料亭三長で花街のお座敷芸能を楽しむ

きのうの14日夜は「円山芸者・現役最高齢小糸姐さん(96歳)と料亭三長で花街文化を体験する会」。 会場はかつて花街として栄えた東京・渋谷の円山町に唯一残る料亭三長。 円山芸者も現在は3人しかいなくて、最高齢の小糸姐さんの唄と三味線、やはり今はベテ…

八代目菊五郎、六代目菊之助襲名披露「團菊祭五月大歌舞伎」

東京・東銀座の歌舞伎座で、尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎、尾上丑之助改め六代目尾上菊之助の襲名披露興行「團菊祭五月大歌舞伎」の夜の部を観る。 菊五郎といえば團十郎と並ぶ歌舞伎の大名跡。初代の團十郎が誕生したのは今から350年前の延宝3年(1675年…

通し狂言・仮名手本忠臣蔵 夜の部(Bプロ)

歌舞伎座「三月大歌舞伎」は、松竹創業130年と銘打って「通し狂言・仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」 3月の「忠臣蔵」に続いて9月には「通し狂言・菅原伝授手習鑑』、10月には「通し狂言・義経千本桜」が予定されている。5月、6月は八代目尾上…

三位一体の極致 2月文楽「金殿の段」

国立劇場の2月文楽公演は、国立劇場が閉場してしまったため東京・文京区の文京シビックホール大ホール。 今月は「通し狂言・妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」を上演中(26日まで)で、午後6時からの第3部「杉酒屋の段」「道行恋苧環(みちゆき…

初芝居は国立劇場「通し狂言 彦山権現誓助剣」

今年の初芝居は、国立劇場の初春歌舞伎「通し狂言 彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)」。 出演は尾上菊五郎、尾上菊之助、坂東彦三郎、中村時蔵、中村又五郎、坂東楽善、河原崎権十郎、上村吉弥、片岡亀蔵、市川萬次郎ほか。 「国立劇場の…

12月文楽 「熊谷陣屋」と「阿古屋」

12月文楽公演の第二部観劇のため東京・江東区東陽町にある江東区文化センターホールへ。 平日の昼間だったが511席のホールは満席だった。 いつもなら半蔵門にある国立劇場小劇場での公演なのだが、同劇場は老朽化による建て替えのため2023年10月に閉場。しか…

原作にはなかった「婦系図」の「湯島境内」

銀座・歌舞伎座の「錦秋十月大歌舞伎」。夜の部「婦系図(おんなけいず) 本郷薬師縁日・柳橋柏家・湯島境内」「源氏物語 六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の巻」を観る。 出演は「婦系図」の早瀬主税(ちから)・仁左衛門、お蔦(つた)・玉三郎、柏…

ジーンときた六代目時蔵襲名口上

東京・銀座の歌舞伎座「六月大歌舞伎」は「初代中村萬壽と六代目中村時蔵襲名披露、五代目中村梅枝初舞台」で、昼の部の六代目中村時蔵襲名披露狂言「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)三笠山御殿」ほかを観る。 まずは川村花菱作の「上州土産百両…

五月文楽 11代目豊竹若太夫襲名披露公演

五月文楽公演は、国立劇場が建て替え中のため(といったって工事はいまだ始まってない)、初めて東京・北千住の「シアター1010」で開催。 北千住駅に直結しているので駅からは便利。「1010」は「センジュ」と読むらしい。 午前11時開演のAプロは豊竹呂太夫改…

四月大歌舞伎 「於染久松色読販」と「嫁菜売り」

東京・銀座の歌舞伎座「四月大歌舞伎」夜の部を観る。 平日午後、というか午後3半ごろの銀座。道行く人は外国人ばっかり。歩いている人の半分以上は外国人という感じで、一瞬、ここはどこの国? この日は午前中、台風のような風雨の強い時間帯があり、それで…

十二月大歌舞伎 天守物語

歌舞伎座「十二月大歌舞伎」の第3部を観る。 第1部で歌舞伎役者とバーチャル・シンガーの初音ミクが共演する超歌舞伎「今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」が話題だが、やはり今月の見どころは「天守物語(てんしゅものがたり)」の夜の舞台。 獅…

秋の夜空を彩る土浦花火大会

3連休中日の4日(土)は茨城県土浦市の桜川畔で開かれた「第92回土浦全国花火競技大会」へ。 ものすごい人の波。 同花火大会は新潟の長岡、秋田の大曲と並ぶ日本三大花火大会の1つ。 一番歴史があるのが新潟県長岡市の信濃川河川敷で行われる長岡まつり大花…

女優・寺島しのぶ出演の「文七元結物語」

東京・東銀座の歌舞伎座で「錦秋十月大歌舞伎」昼の部の「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」「文七元結物語(ぶんしちもっといものがたり)」を観る。 「天竺徳兵衛韓噺」は妖術使いの徳兵衛が活躍する鶴屋南北作の奇想天外の物語。 ガマの…

「妹背山婦女庭訓」に見る「苧環」の意味

10月末にいったん閉場する国立劇場の建て替え前の最後の歌舞伎公演は、9、10月の「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」の通し上演。 ロビーにあるぼんぼりに似せたという照明も見納め。 ときは飛鳥時代。藤原鎌足らが蘇我入鹿を倒した「大化の改新…

国立能楽堂 狂言の会 つづき

国立能楽堂開場40周年記念の狂言の会のつづき。 最後は大蔵流「獅子聟(ししむこ)」。 シテ(舅)山本東次郎、アド(婿)山本凛太郎、アド(太郎冠者)若松隆、アド(又六)山本則秀ほか。 結婚後初めて聟が妻の実家へ挨拶にくる「聟入」の日。舅は、きょう…

国立能楽堂 狂言の会

東京・千駄ケ谷の国立能楽堂で国立能楽堂開場40周年記念の狂言の会(9月22日)。 前々から山本東次郎を観たくて機会を待っていたが、ようやく実現。一番前の席のかぶりつきで堪能できた。 演目は、大蔵流「末広かり(すえひろがり)」、和泉流「鬮罪人(くじ…

シーボルトも魅せられた「妹背山婦女庭訓」

10月末に閉場する国立劇場の建て替え前の最後の歌舞伎公演は、9、10月の「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」の通し上演。 9月は前半で、ときは飛鳥時代。大和朝廷の権力者である蘇我入鹿に苦しめられる大判事と太宰少弐(だざいのしょうに)両家…

国立劇場さよなら文楽公演 菅原伝授手習鑑

今の国立劇場は老朽化による立て替えのため10月末に閉場するが、閉場前の最後となる「8・9月文楽公演」の第1部を観る。 第1部は「通し狂言 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」のうち、三段目(車曳の段、茶筅酒の段、喧嘩の段、訴訟の段、…

蝋燭の灯りによる狂言・落語・講談 国立能楽堂

東京・千駄ケ谷にある国立能楽堂で、夏スペシャル「蝋燭の灯りによる 特集・魂魄のゆくえ 狂言と落語・講談」の企画公演。 講談は神田松鯉(しょうり)「番町皿屋敷」、落語は柳家さん喬「野ざらし」、狂言は大蔵流・大藏彌太郎、山本泰太郎、茂山千五郎「武…

芸の探求者 仁左衛門のいがみの権太

歌舞伎座新開場十周年と銘打った「六月大歌舞伎」夜の部は「義経千本桜」のうち「木の実」「小金吾討死」「すし屋」「川連法眼館」。 出演は、いがみの権太に仁左衛門、ほかに中村歌六、中村時蔵、坂東彌十郎、中村錦之助、片岡孝太郎、尾上松緑など。 「義…

文楽「夏祭浪花鑑」 団七の見得

国立劇場5月文楽公演・第3部「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」を観る。 国立劇場の建て替えのため閉館前の「さよなら公演」の1つで、次回の8月31日からの文楽公演が57年にわたる現在の国立劇場での最終公演になるという。 「夏祭浪花鑑」は、暑い夏…

きのうのワイン+「つばくろは帰る」

イタリア・トスカーナの赤ワイン「サンタ・クリスティーナ・ロッソ(SANTA CRISTINA ROSSO)2020」 (写真はこのあと肉料理。左下は3月3日のひなまつりにちなんでハマグリの桜蒸し) アンティノリが手がけるワイン。 フィレンツェを州都に持つトスカーナは、…

滑りのたうつ勘十郎の「女殺油地獄」+おでん割烹「稲垣」

国立劇場小劇場の「2月文楽公演」第三部「女殺油地獄」を観る。 東京は朝から大雪の日だったが、客席は埋まっていて、しかも女性が多い。文楽とか浄瑠璃というと“男の世界”かと思っていたが、女性が文楽の魅力を知るようになって今はむしろ逆転しているのか…

“悪の美”演じ納め 仁左衛門の「霊験亀山鉾」

東京・東銀座の歌舞伎座「二月大歌舞伎」第三部「通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)」を観る。 「亀山の仇討ち」として世に知られる実際にあった事件を四世鶴屋南北が劇化したもの。 ただし、仇討ちより陰惨な返り討ちがメインという異色の芝居で…

初笑いは志の輔らくご

初笑いは、渋谷PARCO8階のPARCO劇場で正月恒例「志の輔らくご」。 立川志の輔の独演会。 例年なら初笑いは国立演芸場・新春国立名人会の小三治と決まっていたが、小三治が亡くなって以来さみしい正月をすごしていた。 運よく最前列中央寄りに座れたので、は…

初芝居に思う「十六夜清心」と「切られ与三」

初芝居は4日の歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」。 やっぱり初芝居は正月気分が抜けないうちに観ようと、松の内に行く。 客席には和服姿の女性もチラホラ。 観たのは第3部の通し狂言「十六夜清心(いざよいせいしん)」。 清心を幸四郎、十六夜を七之助、白蓮を梅…

團十郎襲名披露 十一月吉例顔見世大歌舞伎

東京・東銀座の歌舞伎座で、十三代目市川團十郎白猿襲名披露の「十一月吉例顔見世大歌舞伎」の夜の部。八代目市川新之助の初舞台でもある。 10月31日、11月1日の特別公演に続き、いよいよ團十郎の本格的なお披露目公演がスタートした。地方巡業を含めれば襲…

「神歌」に祝福され團十郎襲名特別公演

東京・東銀座の歌舞伎座で「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念・歌舞伎座特別公演」。 7日から始まる「市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露・十一月吉例顔見世大歌舞伎(八代目市川新之助初舞台)」に先立ち、31日と1日の2日間だけの特別公演。…