善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

#伝統芸能

四月大歌舞伎 「於染久松色読販」と「嫁菜売り」

東京・銀座の歌舞伎座「四月大歌舞伎」夜の部を観る。 平日午後、というか午後3半ごろの銀座。道行く人は外国人ばっかり。歩いている人の半分以上は外国人という感じで、一瞬、ここはどこの国? この日は午前中、台風のような風雨の強い時間帯があり、それで…

十二月大歌舞伎 天守物語

歌舞伎座「十二月大歌舞伎」の第3部を観る。 第1部で歌舞伎役者とバーチャル・シンガーの初音ミクが共演する超歌舞伎「今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」が話題だが、やはり今月の見どころは「天守物語(てんしゅものがたり)」の夜の舞台。 獅…

秋の夜空を彩る土浦花火大会

3連休中日の4日(土)は茨城県土浦市の桜川畔で開かれた「第92回土浦全国花火競技大会」へ。 ものすごい人の波。 同花火大会は新潟の長岡、秋田の大曲と並ぶ日本三大花火大会の1つ。 一番歴史があるのが新潟県長岡市の信濃川河川敷で行われる長岡まつり大花…

女優・寺島しのぶ出演の「文七元結物語」

東京・東銀座の歌舞伎座で「錦秋十月大歌舞伎」昼の部の「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」「文七元結物語(ぶんしちもっといものがたり)」を観る。 「天竺徳兵衛韓噺」は妖術使いの徳兵衛が活躍する鶴屋南北作の奇想天外の物語。 ガマの…

「妹背山婦女庭訓」に見る「苧環」の意味

10月末にいったん閉場する国立劇場の建て替え前の最後の歌舞伎公演は、9、10月の「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」の通し上演。 ロビーにあるぼんぼりに似せたという照明も見納め。 ときは飛鳥時代。藤原鎌足らが蘇我入鹿を倒した「大化の改新…

国立能楽堂 狂言の会 つづき

国立能楽堂開場40周年記念の狂言の会のつづき。 最後は大蔵流「獅子聟(ししむこ)」。 シテ(舅)山本東次郎、アド(婿)山本凛太郎、アド(太郎冠者)若松隆、アド(又六)山本則秀ほか。 結婚後初めて聟が妻の実家へ挨拶にくる「聟入」の日。舅は、きょう…

国立能楽堂 狂言の会

東京・千駄ケ谷の国立能楽堂で国立能楽堂開場40周年記念の狂言の会(9月22日)。 前々から山本東次郎を観たくて機会を待っていたが、ようやく実現。一番前の席のかぶりつきで堪能できた。 演目は、大蔵流「末広かり(すえひろがり)」、和泉流「鬮罪人(くじ…

シーボルトも魅せられた「妹背山婦女庭訓」

10月末に閉場する国立劇場の建て替え前の最後の歌舞伎公演は、9、10月の「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」の通し上演。 9月は前半で、ときは飛鳥時代。大和朝廷の権力者である蘇我入鹿に苦しめられる大判事と太宰少弐(だざいのしょうに)両家…

国立劇場さよなら文楽公演 菅原伝授手習鑑

今の国立劇場は老朽化による立て替えのため10月末に閉場するが、閉場前の最後となる「8・9月文楽公演」の第1部を観る。 第1部は「通し狂言 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」のうち、三段目(車曳の段、茶筅酒の段、喧嘩の段、訴訟の段、…

蝋燭の灯りによる狂言・落語・講談 国立能楽堂

東京・千駄ケ谷にある国立能楽堂で、夏スペシャル「蝋燭の灯りによる 特集・魂魄のゆくえ 狂言と落語・講談」の企画公演。 講談は神田松鯉(しょうり)「番町皿屋敷」、落語は柳家さん喬「野ざらし」、狂言は大蔵流・大藏彌太郎、山本泰太郎、茂山千五郎「武…

芸の探求者 仁左衛門のいがみの権太

歌舞伎座新開場十周年と銘打った「六月大歌舞伎」夜の部は「義経千本桜」のうち「木の実」「小金吾討死」「すし屋」「川連法眼館」。 出演は、いがみの権太に仁左衛門、ほかに中村歌六、中村時蔵、坂東彌十郎、中村錦之助、片岡孝太郎、尾上松緑など。 「義…

文楽「夏祭浪花鑑」 団七の見得

国立劇場5月文楽公演・第3部「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」を観る。 国立劇場の建て替えのため閉館前の「さよなら公演」の1つで、次回の8月31日からの文楽公演が57年にわたる現在の国立劇場での最終公演になるという。 「夏祭浪花鑑」は、暑い夏…

きのうのワイン+「つばくろは帰る」

イタリア・トスカーナの赤ワイン「サンタ・クリスティーナ・ロッソ(SANTA CRISTINA ROSSO)2020」 (写真はこのあと肉料理。左下は3月3日のひなまつりにちなんでハマグリの桜蒸し) アンティノリが手がけるワイン。 フィレンツェを州都に持つトスカーナは、…

滑りのたうつ勘十郎の「女殺油地獄」+おでん割烹「稲垣」

国立劇場小劇場の「2月文楽公演」第三部「女殺油地獄」を観る。 東京は朝から大雪の日だったが、客席は埋まっていて、しかも女性が多い。文楽とか浄瑠璃というと“男の世界”かと思っていたが、女性が文楽の魅力を知るようになって今はむしろ逆転しているのか…

“悪の美”演じ納め 仁左衛門の「霊験亀山鉾」

東京・東銀座の歌舞伎座「二月大歌舞伎」第三部「通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)」を観る。 「亀山の仇討ち」として世に知られる実際にあった事件を四世鶴屋南北が劇化したもの。 ただし、仇討ちより陰惨な返り討ちがメインという異色の芝居で…

初笑いは志の輔らくご

初笑いは、渋谷PARCO8階のPARCO劇場で正月恒例「志の輔らくご」。 立川志の輔の独演会。 例年なら初笑いは国立演芸場・新春国立名人会の小三治と決まっていたが、小三治が亡くなって以来さみしい正月をすごしていた。 運よく最前列中央寄りに座れたので、は…

初芝居に思う「十六夜清心」と「切られ与三」

初芝居は4日の歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」。 やっぱり初芝居は正月気分が抜けないうちに観ようと、松の内に行く。 客席には和服姿の女性もチラホラ。 観たのは第3部の通し狂言「十六夜清心(いざよいせいしん)」。 清心を幸四郎、十六夜を七之助、白蓮を梅…

團十郎襲名披露 十一月吉例顔見世大歌舞伎

東京・東銀座の歌舞伎座で、十三代目市川團十郎白猿襲名披露の「十一月吉例顔見世大歌舞伎」の夜の部。八代目市川新之助の初舞台でもある。 10月31日、11月1日の特別公演に続き、いよいよ團十郎の本格的なお披露目公演がスタートした。地方巡業を含めれば襲…

「神歌」に祝福され團十郎襲名特別公演

東京・東銀座の歌舞伎座で「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念・歌舞伎座特別公演」。 7日から始まる「市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露・十一月吉例顔見世大歌舞伎(八代目市川新之助初舞台)」に先立ち、31日と1日の2日間だけの特別公演。…

菊之助の「三役完演」を“完観” 義経千本桜

東京・半蔵門にある劇場の建て替えを前に、歌舞伎「義経千本桜」を3プログラムに分けて通し上演している10月の「初代国立劇場さよなら公演」。3日のBプロ、10日のAプロに続き、16日は四段目にあたるCプロの「道行初音旅」「河連法眼(かわつらほうげん)館の…

菊之助の挑戦に拍手 「義経千本桜」Aプロ

東京・半蔵門にある劇場の建て替えを前にした10月の「初代国立劇場さよなら公演」は、歌舞伎「義経千本桜」を3プログラムに分けて通し上演しているが、3日にBプロを観たのに続いて、一週間おいてきのう(10日)はAプロの伏見稲荷鳥居前の場、渡海屋の場、大…

芝居見て泣ける非日常がうれしい 国立劇場「義経千本桜」Bプロ

建て替え工事を前にした「初代国立劇場さよなら公演」の歌舞伎公演の幕開けは、義太夫狂言の三大名作のひとつ「義経千本桜」を3プログラムに分けた通し上演。 「義経千本桜」はもともと人形浄瑠璃作品であり、延享4年(1747年)11月、大坂竹本座にて初演。二代…

9月文楽公演 奥州安達原

きのうの土曜日は東京・半蔵門の国立劇場小劇場で「9月文楽公演」。 1966年開場の同劇場は来年10月に閉場し、建て替えられることになっている。そのため14カ月に及ぶ「初代国立劇場さよなら公演」が始まり、その幕開けとなるのが本公演。 出かけていったのは…

歌舞伎座 秀山祭九月大歌舞伎の「藤戸」

歌舞伎座で、中村吉右衛門の一周忌追善「秀山祭九月大歌舞伎」第3部を観る。 菊五郎は別格として歌舞伎の二枚看板にして名優同士だった吉右衛門と仁左衛門。その吉右衛門が亡くなって1年。寂しさはいまだ続いている。 今月の大歌舞伎は、いずれも吉右衛門ゆ…

柳家三三の独演会

東京・霞が関のイイノホールで柳家三三(さんざ)の落語を聴く。 小三治なきなあと、若手で一番期待している落語家。 といっても今年47歳。昨年10月に亡くなった小三治に入門してから29年。年数ではほかの世界では中堅、ベテランの部類かもしれないが、落語…

5月文楽公演 超絶!源九郎狐

半蔵門の国立劇場小劇場で「5月文楽公演」の第一部を観る。 大河ドラマともいうべき「義経千本桜」のうち、源義経の家臣で、義経の愛妾(太夫は「思いもの」と呼んでいた)静御前の守護を命じられた佐藤忠信、実は源九郎狐を中心とした部分を抜き出した「伏…

きのうの日本酒+「佐倉義民伝」

山形・酒田の酒「上喜元 純米吟醸 蔵の華」無ろ過、生原酒。 「蔵の華」は「美山錦」の後継の酒造好適米で、60%にまで精米し、熊本県酒造研究所の酵母で仕込み、醸した純米吟醸生原酒。まだ発酵してるのだろう、瓶のフタをとるとポンと音がした。 おととし…

仁左衛門・玉三郎の「ぢいさんばあさん」

歌舞伎座「四月大歌舞伎」第3部「ぢいさんばあさん」「お祭り」を観る。 「ぢいさんばあさん」は1915年に発表された森鴎外の短編を原作とした新歌舞伎の名作のひとつ。宇野信夫作・演出で1951年に初演。 ぢいさんは仁左衛門、ばあさんは玉三郎の息の合った“…

岳父の得意役に菊之助が挑む「盛綱陣屋」

半蔵門の国立劇場で「近江源氏先陣館-盛綱陣屋-」を観る。 「歌舞伎名作入門」と銘打って分かりやすい解説付き。 夜の部に行ったら、あらすじや人物相関図を載せたリーフレットをもらえたのでよりわかりやすかったし、抽選で当たる菊之助のサイン入りブロ…

三月大歌舞伎&四谷・嘉賓

きのうは三月大歌舞伎・第2部の「天衣紛上野初花(くもにまごううえののはつはな)河内山」と「芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)」を観るため歌舞伎座へ。 「河内山」は仁左衛門、「芝浜革財布」は菊五郎と、歌舞伎の大二枚看板の出演。 先月の二月大歌舞…