善福寺公園めぐり

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秋の夜空を彩る土浦花火大会

3連休中日の4日(土)は茨城県土浦市の桜川畔で開かれた「第92回土浦全国花火競技大会」へ。

ものすごい人の波。

同花火大会は新潟の長岡、秋田の大曲と並ぶ日本三大花火大会の1つ。

一番歴史があるのが新潟県長岡市信濃川河川敷で行われる長岡まつり大花火大会。1879年(明治12年)から開催されている。次いで1910年(明治43年)から始まった秋田県大仙市の雄物川河川敷で行われる「全国花火競技大会(大曲の花火)」、そして1925年(大正14年)からの茨城県土浦市霞ヶ浦につながる桜川河川敷で打ち上げる「土浦全国花火競技大会」。

大曲と土浦は決められたルールにもとづいて打ち上げる尺玉(10号玉)、スターマイン、創造花火の出来ばえを競い合い、各部門の優勝者の中から最高賞の内閣総理大臣賞が選ばれる。

一方、長岡の花火は、ほかの新潟県で開催される花火大会と花火の巨大化を競い合っていて、現在、日本一、どころか世界一の花火は新潟県の「片貝まつり」の4尺玉(40号玉、直径120㎝で重さ400㎏、ドーンと打ち上げてパッと開くと中心の高さが東京スカイツリーの高さの約600m、花火の大きさが700mにもなるのだとか)。

 

きのう行った土浦の花火大会は午後5時半からのスタートで、来場者は主催者発表で約60万人。約2万発の花火が打ち上げられた。

きのうは日中気温が高く、夜になっても寒さはなし、まるで夏の花火を楽しむ気分で、ビール片手に、さわやかな風に吹かれながら色とりどりの光の競演を楽しんだ。

午後5時半から始まって8時までの約2時間半、競技大会で打ち上げられた花火は合計93発。このうち「10号玉の部」では、直径30㎝の花火玉を上空330mまで打ち上げ、直径300mの大輪を咲かせ、その完成度を競う。

「スターマインの部」のスターマインとは花火の名前ではなく、仕掛け花火のように数100発もの花火を速射連発してその出来ばえを競う。

また、「創造花火の部」では、文字やキャラクター、ハートや笑顔など、今までの花火にない創造性や独創性を競うもの。

今回見ていて、10号玉の出来ばえは採点の基準がよくわからなくてどれが優秀かの判断はつかなかったが、スターマインは群馬県の菊屋小幡花火店の「風神雷神」が一番と思った。迫力、スピード感ともに見事だった。

創造花火の部では、宮城県の芳賀火工の「軌跡を見せます!!~トライ&ゴール~」が一番おもしろかった。ちょうどラグビーワールドカップの時期に合わせて、選手が蹴ったボールがゴールポストを越えていく様子をリアルに表現していた。

もう一つ、会場を大いに沸かせたのが秋田県北日本花火興業の「夜空にしんちゃん!オラは人気者」。漫画の「クレヨンしんちゃん」の主人公、野原しんのすけにそっくりの花火で、おもしろさはこれが一番だった。

 

翌日、審査の結果が発表されて、最高賞である内閣総理大臣賞に選ばれたのが菊屋小幡花火店。スターマインの部の優勝も、素人目の予想どおり「風神雷神」の菊屋小幡花火店だった。

創造花火の部での優勝は「クレヨンしんちゃん」の北日本花火興業。「推し」の「トライ&ゴール」は準優勝だった。

やっぱり、みんなが見て楽しめる花火こそが優れているのだろう。

そして、10号玉の部の優勝は茨城県の山崎煙火製造所。

自分で採点しながら見る花火も楽しいものだった。

 

30年ほど前になるが、長岡の花火大会で初めて見た3尺玉の花火に度肝を抜かれ、3年前には大曲の花火大会で秋田県民の花火愛にもらい泣きし、きのうは土浦の花火大会。これで日本三大花火を制覇したぞ!

以下、きのうの花火の記憶を写真で。

花火を見ていると、ぐっと胸に迫るものを感じるのはなぜだろう?