善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ジョウビタキがお出迎え

木曜日朝の善福寺公園は曇り。きのうと同じような寒さ。

 

けさもいつものところでオスのジョウビタキがお出迎え。f:id:macchi105:20201203091403j:plain

オスは頭が銀白色、顔は黒色で、おなかは赤茶色をしているのが特徴。名前のジョウは「尉」で能の翁(おきな)を意味し、銀白色の頭を銀髪に見立てた。ヒタキは「火焚」で、火打石をたたく音に似た音を出すことからジョウビタキ

翼にある白い斑点が着物の紋に似ているというので、「紋付き鳥」の異称もある。

 

去年もここでよく見たが、同じオスのジョウビタキで、お気に入りの場所なのかもしれない。

 それにしても丸々としていて、いつも思うがまるでテニスボールみたい。

 

カワセミが葉っぱの陰でお休み中。f:id:macchi105:20201203091439j:plain

こちらもドテッと座り込み状態だ。

 

ツグミは相変わらず高いところにいる。f:id:macchi105:20201203091500j:plain

もう葉っぱもだいぶなくなってしまったスイレン池をオオバンがスイスイ。f:id:macchi105:20201203091523j:plain

池を1周して元のところに戻ったら、ジョウビタキが待っていてくれた?f:id:macchi105:20201203091547j:plain

 

いつもは池の真ん中当たりで固まっているキンクロハジロが池の畔近くにいた。

シベリアあたりからやってきて、だいぶ日本の環境に慣れてきたのかな?f:id:macchi105:20201203091616j:plain

その名の通り目が金色に輝いている。

体はまるで浮き袋。コッチをにらんでる。f:id:macchi105:20201203091644j:plain

 

柳美里「JR上野駅公園口」意外なテーマ

柳美里「JR上野駅公園口」(河出書房新社)。

2014年に出版された小説だが、今年11月、米国で最も権威のある文学賞の1つとされる全米図書賞翻訳文学部門に選ばれたというので読む。

読んでみたらこの本は意外なことに、天皇制と私たちについて考える本でもあった。

 

主人公の72歳になる男は、JR上野駅公園口前の上野公園あたりで寝泊まりするホームレスだが、天皇家とゆかりのある“自分史”を持つ。

ゆかりというと大仰だが、今上天皇(現在は上皇)と同じ昭和8年の生まれで、妻の名前は昭和天皇の母、貞明皇后の名前と同じ漢字の節子。息子の誕生日は皇太子(現在の天皇)と同じ昭和35年2月23日であり、息子につけた名前も浩宮徳仁親王から一字をもらって浩一だった。

東京オリンピックの前年、出稼ぎのため上野駅に降り立った男は、やがて息子をなくし、妻も亡くし、居場所を失って上野公園に住むようになる。上野公園は正しくは上野恩賜公園といって、天皇から下賜された公園だった。

しかし、ここは男にとって必ずしも心休まる場所ではなかった。

付近には博物館や美術館などがあってしばしば天皇・皇后の行幸啓がある。天皇、皇后が一緒に外出することを行幸啓といい、天皇単独の場合は行幸。「天子がお出ましになると、そこの人々は食べものを賜ったり税を免ぜられるなど僥倖を得るから」という意味でこう呼ばれるが、戦前の天皇制の産物でありながら、今も生きている言葉だ。

ところが、行幸啓のたびに、その直前になってホームレスが住む「コヤ」は「特別清掃」という名の元に立ち退きを迫られる。ホームレスたちは「特別清掃」を「山狩り」と呼んでいたが、行政や警察は「天皇皇后両陛下に薄汚れたホームレスの姿など見せてはいけない」と彼らを追い立てるのだろう。その中には天皇に親しみを抱いていた男も含まれていた。

天皇を敬愛する自分と、排除される側の自分。その狭間でさまざまな思いがめぐる中、東日本大震災で故郷は津波にのまれ、男は・・・。

 

この小説を読み終わって、50年以上も前の映画「拝啓天皇陛下様」を思い出してしまった。

渥美清主演で監督は野村芳太郎

無学で貧しいゆえに実社会では辛酸をなめてきたが、軍隊に入るとそこは「みんな天皇陛下の赤子で平等。娑婆と比べれば天国じゃないか」と当時の軍隊を統帥していた天皇を愛し、戦後も苦労を重ねながらも純朴に生きた男の物語。

最後は、酔っぱらって帰る途中に交通事故で即死。「拝啓天皇陛下様、あなたの最後のひとりの赤子がこの夜戦死をいたしました」とスーパーインポーズが入って、エンドとなる。

 

喜劇映画だったが、最後は悲しい終わり方だった。

けさのキセキ

水曜日朝の善福寺公園は曇り。風が冷たい。

 

今シーズン初のキセキ。

キセキといっても奇跡じゃない。

胸から尻尾にかけてが鮮やかな黄色のセキレイキセキレイ(黄鶺鴒)。f:id:macchi105:20201202093113j:plain

エサをゲットしたのか口を開けている。f:id:macchi105:20201202093135j:plain

おや?尾っぽがザンバラだ。f:id:macchi105:20201202093153j:plain

けさのカワセミは上池と下池に1羽ずつ。どちらもメスのようだ。

上池のカワセミf:id:macchi105:20201202093221j:plain

下池のカワセミf:id:macchi105:20201202093241j:plain

オオバンが2羽で泳いでいる。

左側は成鳥だが、右側は幼い感じ。f:id:macchi105:20201202093321j:plain

オオバンは年に2、3回繁殖するというから、夏の遅くに生まれたのがようやく多少大きくなったのだろうか。

 

近くにはカイツブリf:id:macchi105:20201202093341j:plain

潜水が得意なカイツブリの羽は撥水度が高いから、水をはじいているのがよくわかる。

 

高い場所ではアオゲラが木の幹をのぼっていた。f:id:macchi105:20201202093407j:plain

歩いていてコーンコーンと音がするときはアオゲラの食事中のサインだ。

 

けさもあちこちでウグイスが鳴いている。

チャッチャッという地鳴きの声。

目を凝らすと、ヨシの中から顔を出してくれた。f:id:macchi105:20201202093433j:plain

と、足元の繁みからチッチッチッというアオジの声。

こちらは一瞬姿を見せたがすぐに遠くへ飛んで行った。

 

すると今度はエナガが群れて飛んできた。

10羽ぐらいいるだろうか

あっち行ったりこっち来たりしてエサを漁っている。f:id:macchi105:20201202093459j:plain

f:id:macchi105:20201202093519j:plain

いつ見てもかわいいエナガちゃん。f:id:macchi105:20201202093535j:plain

綿を丸めたような小さい体に長い尾羽がついてるのでエナガ

寒い時期だからよけいにまん丸に見える。

 

きのうと同じようなところにジョウビタキのオス。f:id:macchi105:20201202093839j:plain

一瞬飛んで行ってまた戻ってきたが、口の中に木の実があってそれを食べていた。f:id:macchi105:20201202093858j:plain

 

冬鳥のシーズン到来と、冬で葉っぱが落ちたおかげで、それまで葉っぱに隠れていた鳥も含めたくさんの鳥たちとけさも出会えた。

 

帰り道、お寺のサクラの木にシメが止まっていた。f:id:macchi105:20201202093951j:plain

シメも今年初見参。

やはり北の国で繁殖し、冬になるとやってくる冬鳥。

なぜシメというかというと、「シー」と鳴く声と、鳥を意味する接尾語である「メ」が合わさってシメとなったとか。

師走初日のジョウビタキ・オス

火曜日朝の善福寺公園は快晴。きのうと同じような寒さだが、きのうほどは体にこたえない。心構えができたからか。きょうから師走。

 

今シーズン初のジョウビタキのオス。f:id:macchi105:20201201091515j:plain

しばらくジッとしていてくれた。f:id:macchi105:20201201091534j:plain

こいつぁ師走初日から縁起がいいわい。

 

さらに近くでチャッチャッというウグイスの地鳴き。

藪の中を移動しているところを“瞬撮”。f:id:macchi105:20201201091600j:plain

これも今シーズン初のウグイス。

鳴き声は何度も聞こえていたのだが、ようやく姿を見せてくれた。

2羽ほどいるみたいで、盛んに鳴きながら移動していた。f:id:macchi105:20201201091631j:plain

f:id:macchi105:20201201091649j:plain

そばにシジュウカラも。f:id:macchi105:20201201091715j:plain

カワセミもいましたよ。

上池のメスのカワセミf:id:macchi105:20201201091738j:plain

下池では、止まっているところを撮ろうとしてシャッターを押すと同時に飛び立つ。f:id:macchi105:20201201091804j:plain

飛び立つときはこんなに羽をいっぱいに広げているんだね。

止まったところでジッと動かなくなった。f:id:macchi105:20201201091839j:plain

こちらもメスで、エサをねらっているようだった。

 

オナガの群れが木の実をついばんでいた。f:id:macchi105:20201201091931j:plain

f:id:macchi105:20201201091954j:plain

ボート乗り場にハクセキレイf:id:macchi105:20201201092017j:plain

上空に気になるものを見つけたのか?

ハクセキレイ歩く冬景色

月曜日朝の善福寺公園は快晴。今シーズン一番の寒さ。初めて手袋で出発。

 

池にモヤか霧が立ち込めている。f:id:macchi105:20201130093108j:plain

思わず口をついた歌。

 

さ霧消ゆる湊江の
舟に白し 朝の霜

 

「冬景色」の歌い出しだった。

 

ハクセキレイが地面をツツツツッと歩いていた。f:id:macchi105:20201130093134j:plain

これも今の時期によく見る“冬景色”のひとつ。

 

コサギがジッとエサをねらっている。f:id:macchi105:20201130093153j:plain

葉っぱが繁っているときには気づかなかったが、目線のすぐ先鳥の巣のあと。f:id:macchi105:20201130093215j:plain

なかなか立派にできていた。

 

梢を鳥の集団が移動中。

シジュウカラエナガコゲラなど、小さな鳥たちはいつも一緒だ。

そのうちのコゲラf:id:macchi105:20201130093315j:plain

f:id:macchi105:20201130093334j:plain

シジュウカラf:id:macchi105:20201130093356j:plain

池の上にはカワセミのメス。f:id:macchi105:20201130093419j:plain

離れたところにオスもいた。f:id:macchi105:20201130093439j:plain

カイツブリが3羽で仲よくしていた。f:id:macchi105:20201130093502j:plain

しかし、1羽が近づいていくと「来るなよ!」と怒ってたから、実はあんまり仲よくないかも。

 

上空をJALの飛行機が西に向かって通過中。音も聞こえず、ほとんど止まっているように見えたから、相当高空を飛んでいるのだろう。f:id:macchi105:20201130093524j:plain

どこへ行く飛行機だろうか?

このへんから西の東西南北かなり広大な空域は、「横田空域」といって在日米軍が管理する空域になっている。日本の飛行機がここを通過するには米軍の許可を得なければいけないし、管制も米軍が行っている。

在日米軍横田基地や神奈川県の米海軍厚木基地に離着陸する米軍機が優先されるから、日本の飛行機は勝手に飛ぶことができない。

日米安保条約により、日本の空なのに日本の空ではない現実がある。

ビワの花咲く

日曜日朝の善福寺公園は曇り。けっこう寒い。きのうに比べて風はないが。

 

けさのカワセミは上池のボート乗り場付近に1羽。f:id:macchi105:20201129091003j:plain

f:id:macchi105:20201129091024j:plain

遠くの高い木のテッペンに止まっているのは・・・?

頭が赤いからアオゲラのようだった。f:id:macchi105:20201129091040j:plain

エナガの群れが梢をめぐっていた。f:id:macchi105:20201129091058j:plain

f:id:macchi105:20201129091119j:plain

帰り道の区立公園でビワの花がひっそりと咲いていた。f:id:macchi105:20201129091135j:plain

冬に咲く花は少ない。ということは競争相手が少ないというわけで、花粉を媒介してくれる虫たちを独占できる利点があるのだろう。

冬に花を咲かせ、初夏のころに実がなるが、ビワは自家受粉するので1本だけでも実がなる。さすがにこの季節になると花粉媒介に訪れてくれる虫や鳥は少ない。それでも精一杯咲いている。

 

枇杷の花鳥もすさめず日くれたり 蕪村

 

ビワの花が精一杯咲いている。それなのに、地味な花ゆえか、訪れる鳥は少ないまま、日が暮れていく、といった意味か。

 

ついでにきのう、半蔵門国立劇場小ホールで長唄東音会(東京芸術大学卒業生による長唄の演奏団体)の初代会長である山田抄太郎50回忌追善演奏会があり聞きにいったが、開場前にベンチに座っていたら、スズメが集まってきた。f:id:macchi105:20201129091214j:plain

f:id:macchi105:20201129091239j:plain

きっとここに座ってお弁当なんかを広げる人が多く、それでおねだりにきたのだろう。

人馴れしているようで、足元のすぐ近くまで寄ってくる。f:id:macchi105:20201129091254j:plain

こうしてみるとスズメって意外と目つきが鋭い。

きのうのワイン+映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ」「ダブル・ジョパディー」

イタリア・トスカーナの赤ワイン「ヴィラ・アンティノリ・ロッソ(VILLA ANTINORI ROSSO)2017」f:id:macchi105:20201128164643j:plain

14世紀から続く歴史を持つイタリアの名門、アンティノリの赤ワイン。

トスカーナの畑から厳選したサンジョヴェーゼとカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティ・ヴェルドをブレンド

香りよく、酸味もほどよく、風味豊かな余韻。

 

ワインの友で観たのとその前に観た映画を2本ご紹介。

まずは民放のBSで放送していたアメリカ映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ

1994年の作品。

監督オリバー・ストーン、原案クエンティン・タランティーノ、出演ウディ・ハレルソンジュリエット・ルイストム・サイズモアロバート・ダウニー・Jr.、トミー・リー・ジョーンズほか。

 

行く先々で殺人を繰り返すカップルの逃避行を描いたバイオレンス映画。

欧米各国で年齢制限公開や上映禁止となり、話題を呼んだ。フィルム、VTR、アニメ合成などが目まぐるしく移り変わる映像が特徴。

 

幼少時から父親に性的虐待を受けてきたマロリー(ジュリエット・ルイス)は、肉屋の配達人ミッキー(ウディ・ハレルソン)と出会い恋に落ちる。ミッキーはマロリーの両親を殺害し、2 人は車でルート 666 を旅しながら無差別殺人を繰り返していく。52 人もの命を奪った彼らはマスコミの報道合戦によって全米の注目を集め、若者たちのヒーローとして崇められるように。そんな 2 人を、名声を欲する暴力刑事スキャグネッティ(トム・サイズモア)と視聴率アップを狙うテレビキャスターのゲール(ロバート・ダウニー・Jr.)、さらには2人が収監された刑務所の所長マクラスキー(トミー・リー・ジョーンズ)が追う。

 

ハチャメチャな展開・映像づくりだが、なぜかさほど醜悪な感じはせず、よくできた映画だった。オリバー・ストーンのつくり方がよかったのか。やっぱり映画は監督次第。

 

もう1本も民放で放送していたアメリカ映画「ダブル・ジョパディー」。

1999年の作品。

監督ブルース・ベレスフォード、出演アシュレイ・ジャッドトミー・リー・ジョーンズブルース・グリーンウッド、アナベス・ギッシュほか。

タイトルの「ダブル・ジョパディー」とは「二重の危険」という意味で、アメリカ合衆国憲法修正第5条に定められた「すでに処罰された同一の犯罪について再度刑事責任を問うこと(二重の危険、つまり二重処罰)の禁止」の条項のこと。

 

夫ニック(ブルース・グリーンウッド)と幼い息子マティとの3人で幸せに暮らしていたかに見えたリビー(アシュレイ・ジャッド)。ところがある日突然、ニックが海に落ちて行方不明となり、リビーは夫殺しという身に覚えのない罪で逮捕され、有罪となる。

服役中のリビーは、実はニックが名前を変えて生きていて、自分の「死」で息子が得た莫大な保険金でのうのうと暮していることを知る。ニックはリビーを罠にはめたうえで、不倫相手と第2の人生を楽しんでいるのだった。

リビーは刑務所仲間から憲法の「ダブル・ジョパディー」条項のことを聞き、ニックへの復讐を決意する。

6年後、仮出所したリビーは保護観察官レーマントミー・リー・ジョーンズ)の監視下に置かれながらも復讐を決行しようとするが・・・。

 

何と「ナチュラル・ボーン・キラーズ」にトミー・リー・ジョーンズが出ていて、「ダブル・ジョパディー」にもトミー・リー・ジョーンズが出ていた。

前者では軽薄で狂気じみた刑務所長役だったが、後者は情があって頼れる保護観察官

役者は何でもできなくちゃいけないんだね。

 

ちなみに日本国憲法の第39条にも「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない」と定められていて、英文では「nor shall he be placed in double jeopardy」となっている。

しかし、日本国憲法の「ダブル・ジョパディー(二重の危険)」禁止の条項制定には紆余曲折があったようで、戦後、日本国憲法をつくる際、GHQ草案では「ダブル・ジョパディー」の条項があったが、当時、GHQとの折衝を担当した内閣法制局の入江俊郎(のちの最高裁判事)や佐藤達夫(のちの法制局長官)らは「ダブル・ジョパディー」の意味を知らず、日本語の草案ではいったん削られてしまったという。

のちにGHQが「ダブル・ジョパディー」禁止条項の削除に同意していないことがわかり、39条の末尾にこの項目が付け加えられたという。

旧体制の生き残りの官僚まかせにしていたら、危ないところだったんだ。