善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

2013-01-01から1年間の記事一覧

刑事マルティン・ベック 笑う警官

今年の読み納めは北欧ミステリーの『刑事マルティン・ベック 笑う警官』(マイ・シューヴァルとペール・ヴァ―ルーの共著、柳沢由実子訳、角川文庫)。 もともとはスウェーデンで1968年に刊行され、英訳版が1971年にアメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞を受賞…

大つごもりにロウバイ咲く

大晦日の朝の善福寺公園は快晴。風はないが、空気は冷たい。 上池でロウバイの花咲く。 公園にロウバイの木は何本かあるが、この季節、一番早く日の光を浴びるこの木が花を咲かせるのも早い。 太陽とともにある生き物の暮らし。 下池を歩いていると、高い木…

胸を張るツグミ

29日(日)朝の善福寺公園は快晴。寒い。 寒いはずだ。池の半分ほどが凍っていた。 ただし、小石を投げるとチャポンと音がしたから、まだシャーベット状態で凍りきってはいない。 凛とした姿でジッとしている鳥がいた。 ツグミのようだ。遠くを見つめ、なに…

モズが枯れ木で

今年は正月が来るのが1日早い感じ。 みなさん忙しいのか、28日土曜日朝の公園は人があまりいない。 冬の花、ロウバイはまだかなーと見ると、もうすぐ咲き出しそうなのも。 朝日に照らされながら、2羽のバンが寄ってくる。 まだ子どもなのだろう、警戒心はま…

池上永一 黙示録

池上永一『黙示録』(角川書店)を読む。 『テンペスト』以来の池上永一の久々の長編。何しろ上下2段組で630ページ余もある。 『テンペスト』同様、いやそれ以上にハチャメチャで、メチャクチャで、よくいえば波瀾万丈の物語。ときどき「そんなばかな!」と…

師走のカワセミ

3連休最終日の朝。善福寺公園は曇り。ときどき日がさすと温もる感じ。 ボート乗り場付近に、きのうは子どものゴイサギがいたのに、きょうは大人のほう。 キリッとした横顔。白い飾り羽が凛々しい。 すぐ近くのコブシの木のあたりまでくると、至近距離にカワ…

冬の空蝉(うつせみ)

日曜日朝の善福寺公園は雲1つない快晴。ただし時折冷たい風。 きょうは冬至。夜は柚子風呂が楽しみ。 落葉樹の葉はあらかた落ちている。 ボート乗り場のすぐ目の前に、体を縮めるゴイサギ。まだ若いホシゴイだ。 「一瞬、目が合った」と一緒に歩くツレアイ。…

謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?

栗田昌裕『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』(PHP研究所)を読む。 著者はお医者さんで、速読の達人でもあり、「指回し体操」の考案者としても知られる人。その人がチョウの研究家とは知らなかった。 アサギマダラはタテハチョウ科のチョウで、大き…

ミステリーの醍醐味 三秒間の死角

アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『三秒間の死角』(訳ヘレンハルメ美穂、角川文庫、上下巻)を読む。 私が「このミステリーはすごい!」の選者だったら、迷うことなくベストテンの上位に1票を投じた。そんな作品だった。 舞台はスウェーデン…

森山大道のモノクローム

日曜日は武蔵野市立吉祥寺美術館で開催中の森山大道の写真展を観に行く。 何しろ入場料が100円(小学生以下と65歳以上はタダ)。 森山大道は日本を代表する写真家の1人。 モノクロームの写真が約60点。 新宿とか池袋の街角で撮った写真だが、どれも強い人間…

走り出す冬

土曜日朝の善福寺公園は、さむっ。 上池の広場は一面、霜が降りていた。 早くもスイセンが咲き出す。 ロウバイの花芽も見えてきた。 冬は駆け足。

オオタカとカワセミ

冬になるとオオタカがやってくるというので、公園に行くと上ばかり見ている。 タカは木の上の方から獲物を狙っているに違いないからだ。 オオタカはカワセミも狙うが、下池のヨシのあたりにカワセミが1羽。体を丸めて止まっていた。 エサを探しているんでは…

蝶が羽を広げるとき

このところ、風が吹かない日の善福寺公園は小春日和ですごしやすい。もちろん日中の話。 イチョウの葉もだいぶ散って、黄色い絨毯になっていた。 まだ染まっている途中なのか、紅葉のグラデーション。 秋になると葉っぱが赤くなるのは、赤い色素であるアント…

ミツバチの糞と特定秘密法

先日読んだトーマス・シーリー著の『ミツバチの会議』に興味深い記述があった。 カンボジア、ラオスで戦火が続いていた1981年、レーガン政権のヘイグ国務長官は同地域に“黄色い雨”が降り注ぎ、それは当時のソ連とその同盟軍による化学兵器の使用によるものだ…

モローとルオー展

きのうはパナソニック汐留ミュージアムで「モローとルオー 聖なるものの継承と変容」展を観る。 フランス象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モロー(1826-1898)と、彼の愛弟子でのちに20世紀最大の宗教画家と呼ばれるようになるジョルジュ・ルオー(1871-1958)…

シルクロードの古代都市

加藤九祚『シルクロードの古代都市──アムダリヤ遺跡の旅』(岩波新書) 中央アジア最大の川がアムダリヤ川。アフガニスタン領ヒンドゥクシュ山脈に源を発し、西の方に大きく蛇行しながら流れていって、元々はアラル海に注いでいたが、今は途中までで干上がっ…

トーマス・シーリー ミツバチの会議

トーマス・シーリー『ミツバチの会議』(片岡夏実訳・築地書館)を読む。 原題は『HONEYBEE DEMOCRACY』。 著者は1952年生まれ。ハーバード大学でミツバチの研究により博士号を取得。現在はコーネル大学生物学教授。 ミツバチは春の終わりから夏のはじめにか…

六義園の紅葉

毎年、紅葉を見に行くのが恒例になっているが、このところ11月はけっこう忙しくてなかなか行けない。きのう(12月1日)出かけて行ったのはJR駒込駅近くの「六義園(りくぎえん)」。 都内の庭園はあらかた行ったが、六義園はまだ行ったことがなかった上に、…

マッキー

インド映画『マッキー』を観る。 マッキーとはヒンディー語でハエのことだという。最初、「人間がハエになる話」というので、かつてのアメリカ映画「ザ・フライ」を連想して興味がなかったが、インド映画とわかってガゼン見たくなった。きっと、輪廻転生の話…

晩秋の公園

30日土曜日朝の善福寺公園は晴れ。はじめ雲が多くて日陰は寒い。 11月もきょうで終わり、あすから師走だ。 このところ、1年が駆け足のように感じられる。 公園の紅葉がだいぶ進んでいる。 こちらは下池のトウカエデ。 下池のスイレンの近くでしきりに動いて…

「トロールの森2013」終わる

都立善福寺公園で開かれていた野外アート展「トロールの森2013」。23日の秋分の日が最終日。 今年は毎日曜日好天に恵まれ(10日だけ前半ちょっとあやしかったが)、公園の秋を満喫した。 毎日曜日、朝の8時から夕方5時ごろまで、まる1日公園ですごした。 23…

首里城への道──鎌倉芳太郎と近代沖縄の群像

与那原恵『首里城への道──鎌倉芳太郎と近代沖縄の群像』(筑摩書房)を読む。 太平洋戦争末期の沖縄戦のさなか、沖縄の歴史的文化財は“鉄の暴風”といわれた戦火の果てに、すべてが焼失してしまったという。琉球王朝文化の中心である首里城とその周辺の遺産、…

深まる秋

土曜日午後の善福寺公園はポカポカ陽気。こういう日を小春日和というのだろう。 人出も多く、いつも以上に賑わっている。 岸辺にたたずんでいたシラサギ。 人の声が気に障ったのか、池の真ん中の方に飛んで行った。 秋深まる。

黄金バット80作

地域のミニラジオ放送局「ラジオぱちぱち」で放送しているラジオドラマ「黄金バット」が最新作で80作を数え、全作品のリストをつくってみた。 ラジオぱちぱちについてはコチラを参照 http://members.jcom.home.ne.jp/radio88/ もともとは「黄金バット」の紙…

犬の伊勢参り──人と犬の不思議な関係

仁科邦男『犬の伊勢参り』(平凡社新書) 人と犬の不思議な関係を説き明かす本。 「明和8年(1771)4月、犬が突如、単独で伊勢参りを始めた。以来、約100年にわたって伊勢参りする犬の目撃談が数多く残されている」 と本書の宣伝文句にある。えー?そんなこ…

トロールの森の日曜日

このところ週末が忙しい。 9日土曜日は午前中、ラジオぱちぱちの公開放送。 http://members.jcom.home.ne.jp/radio88/ 夜は反省会と称しての飲み会。 翌10日は3日から開催中の「トロールの森」で善福寺公園内にカフェをオープンするため朝から公園へ。 準備…

子どもの美術 佐藤忠良・安野光雅編

『子どもの美術』佐藤忠良・安野光雅編(現代美術社)を読む、というか開く。 10月の末だったと思うが、朝のNHKニュースで『子どもの美術』が復刊した、と伝えていた。 『子どもの美術』はかつて彫刻家の佐藤忠良さんと画家の安野光雅さんが現場の教師らとと…

上野誠 天平グレート・ジャーニー

上野誠『天平グレート・ジャーニー 遣唐使・平群広成の数奇な冒険』(講談社)を読む。 著者は奈良大学文学部教授で万葉文化の研究家。 小説なのだから空想の世界を描いているのだろうが、学者だけに資料を丹念に読み、それを元に想像力を膨らませているはず…

トロールの森2013 始まる

街の中の公園、都立善福寺公園で3日から野外アート展「トロールの森2013」が始まった。 開幕前日の2日は、のぼりを連ねての西荻窪駅周辺から公園までの「わいわいパレード」。 途中、かっぽれを踊ったり、黄金バットの立ち回りを演じたりして道行く人にアピ…

もしも勘三郎が菊五郎だったら?

中川右介『歌舞伎 家と血と藝』(講談社新書) とにかくスゴイ本だった。 歌舞伎界に役者は多いが、主役を張れるのは限られていて、市川團十郎家(海老蔵)、尾上菊五郎家、中村歌右衛門家(福助、梅玉、坂田藤十郎)、片岡仁左衛門家、松本幸四郎家、中村吉…