善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

美術

映画「セラヴィ!」+アート展「つかの間の漂泊者」

東京・銀座のミニシネマ「ル・ステュディオ」(銀座メゾンエルメス10階)でフランス映画「セラヴィ!」を観る。 2017年の作品。 原題「LE SENS DE LA FÊTE」 監督・脚本エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ、出演ジャン=ピエール・バクリ、ジャン=ポ…

小春日和の「横尾忠則 寒山百得」展

東京・上野の東京国立博物館で3日まで開催の「横尾忠則 寒山百得(100 Takes on Hanshan and Shide)」展を観る。(Hanshan は寒山、Shideは拾得の意味) 本展は現代美術家の横尾忠則が寒山拾得を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの新作102点を一…

念願叶い葛飾応為「吉原格子先之図」

東京・表参道の太田記念美術館で「葛飾応為『吉原格子先之図』-肉筆画の魅力」展が11月1日から26日まで開かれていて、最終日に駆けつけた。 日本画の中で、生きているうちに何としても見ておきたい作品、というのがいくつかあって、ひとつは菱田春草の「落…

中之条ビエンナーレ 楽しい発見 その2

群馬県中之条町で開催中の国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ」(町と実行委員会などが主催、10月9日まで)の続き。 中之条町で見つけた生きもの。 ヒョウモンチョウとエナガ。 「伊参エリア」にある「やませ」は、江戸時代末期の約170年前に建てられた県内…

中之条ビエンナーレ 楽しい発見 その1

群馬県中之条町を舞台に2年に1度開催される国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ」(町と実行委員会などが主催)(10月9日まで)に1泊2日で行ってきた。 アートっていいなーと思った楽しい発見の2日間だった。 9回目を迎える今回のテーマは「コスモグラフィア…

“爆発アーティスト” 蔡國強は如何にして生まれたのか

東京・六本木の国立新美術館で、火薬を爆発させて描く絵画やプロジェクトで世界的に知られる現代美術家・蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい・こっきょう)の大規模な個展「蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」を観る(21日まで)。 国立新美術館の柱も…

86歳にして進化する画家・ホックニー

東京・江東区の木場公園内にある東京都現代美術館で、現代を代表する画家の1人、デイヴィッド・ホックニー(1937〜)の日本における27年ぶりとなる大規模な個展「デイヴィッド・ホックニー展」を観る(7月15日開幕で11月5日まで)。 ホックニーはイングラン…

反戦の作品だった?菱田春草「寡婦と孤児」

東京・上野の東京芸術大学美術館で開催中の「『買上展』芸大コレクション展2023」を観に上野へ。 JR上野駅を降りると、ちょうど連休真っ最中とあって人でいっぱい。上野動物園があるからか、目立つのは若い子連れの家族。 スタバの店にも長蛇の列ができてい…

大阪 ジャコメッティと長居植物園

仕事で大阪へ。せっかくだからと1泊する。 仕事のあと、夕食のため予約した心斎橋にある季節料理の店「ままごとや」へ向かう途中、心斎橋筋にあるルイ・ヴィトンのビル5階「エスパス ルイ・ヴィトン大阪」で開催中のアルベルト・ジャコメッティ展を観る。 ジ…

新たな視覚表現で「生」を描く 「諏訪敦『眼窩裏の火事』」

JR中央線・武蔵小金井駅からバスで10ほど揺られたところにある府中市美術館で開催中の「諏訪敦『眼窩裏の火事』」を観る(会期は2022年12月17日~2月26日まで)。 諏訪敦は精緻な描写力を使って、一見すると写真?いや写真よりリアル?と思うような独自の写…

東京都写真美術館の正月

東京・恵比寿にある東京都写真美術館へ。 毎年、正月2日、3日は2階と3階展示室の展覧会が入場無料なので出かけていくのが恒例となっている。 3階展示室で開催中の展覧会は「プリピクテジャパンアワード」。 プリピクテとは、スイス・ジュネーブに本社がある…

公園の紅葉進む

金曜日朝の善福寺公園は晴れ。少し遅くスタートしたのでほどよい気温。 上池ではカワセミが朝から追っかけっこ。 縄張り争いはまだまだ終わってないようだ。 下池ではけさは3羽のカワセミが飛んでるらしいが、そのうちの1羽。 メスのサクラのようだ。 何思…

野外アート展「トロールの森2022」始まる

3日木曜日、文化の日の朝の善福寺公園は快晴。けさも穏やか。 上池にはカワセミの姿はなし。 どこかに隠れているのかな? 対して下池のカワセミはにぎやか。 まずはオスのカワセミ。 小四郎か六兵衛か。 公園の端の橋の下にはサクラらしいメスのカワセミ。 …

無言館・藤森建築群・諏訪大社を巡る旅

秋晴れの1日、信州へドライブ。 むろん運転は上手な人に任せて、後部座席でのほほんとしてただけ。 本日は、前々からぜひとも行きたいと思っていた長野県上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」を訪ね、紅葉がはじまった茅野市の御射鹿池(みしゃかいけ…

「平治物語絵巻 六波羅行幸巻」@国宝・東京国立博物館のすべて

東京・上野の東京国立博物館(東博)で開催中の東博創立150年記念の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」を観に行く。 会期は12月11日までで、期間中に展示替えしながら東博が所蔵する89件の国宝のすべてが展示される。 絵画、書跡、工芸、考古そして刀剣…

清貧にして豊かな人生 映画「モリのいる場所」

東京・銀座の「銀座メゾンエルメス」10階にあるミニシアター「ル・ステュディオ」で映画「モリのいる場所」を観る。 2018年の作品。 監督・脚本・沖田修一、出演・山﨑努、樹木希林、加瀬亮、吉村界人、光石研、青木崇高、吹越満、池谷のぶえ、きたろう、林…

大阪・中之島美術館モディリアーニ展+魚はん・山下食堂

仕事で大阪へ。ついでに1泊して、今年2月にオープンしたばかりの中之島美術館で開館記念特別展「モディリアーニ‐愛と創作に捧げた35年‐」(4・9~7・18まで)を観る。 まずは前日、泊まった心斎橋の宿近くにある「魚はん」でイッパイ。 生ビールのあとは日本…

ダミアン・ハーストが描く「桜」

東京・六本木の国立新美術館でダミアン・ハースト展を観る(3月2日~5月23日まで)。 ダミアン・ハーストは1965年生まれというから今年57歳。イギリスの現代美術家で、サメや牛、ヒツジなど死んだ動物を丸ごとホルマリン漬けにしたシリーズなどが有名。 5年…

今だからこそ 香月泰男と立花隆

先日、東京・練馬区立美術館で、抑留体験を描いた「シベリア・シリーズ」で知られる画家・香月泰男(1911~1974年)の大規模回顧展である「香月泰男展」を観て衝撃を受け、香月泰男とはどんな人かますます興味を抱いたところ、昨年4月に亡くなったジャーナリ…

東博 空也上人と六波羅蜜寺展

ポカポカ陽気の3日の午前中。東京・上野の東京国立博物館(東博)へ。 今年(2022年)トーハクは創立150年を迎える。10月にはメモリアルイヤーを記念した事業の1つとして「所蔵する国宝を全部見せます展」を開催するらしい(ただし、どうせ前期・後期に分け…

戦争の加害責任を問う 香月泰男展

東京・練馬区立美術館で開催中の「香月泰男展」を観る(3月27日まで)。 香月泰男(1911~1974)は厳しい抑留経験を描いた「シベリア・シリーズ」で知られる画家。シベリアの体験がなかったとしても昭和を代表する洋画家として名を残した人だろうが、死と隣…

仙台 魯迅と美術とおいしいもの

日帰りの仕事で仙台へ。ついでに美術館、夜は和食の店でイッパイ。 午前中に秋田行きの「こまち」と連結した新青森行き「はやぶさ」で仙台へ。 駅構内にある「牛タン通り・すし通り」で鮨のランチ。 コロナ禍で、牛タン屋はそこそこ客が入っていたが、鮨屋は…

ボイス+パレルモとインドの布とグルメin大阪

仕事で大阪へ。せっかくだからと1泊して2日目は美術館と博物館めぐり。 1日目の夜は、何度か行ってる道頓堀の近く島之内の「一陽」で食事とお酒。 予約が取りにくいといわれる人気の店だが、運よくカウンターに座れた。 生ビールのあとは日本酒を何本か。 酒…

「悲しむ老人」とゴッホとヘレーネ

上野の東京都美術館で開催中の「ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとトフィンセント」に行く。 題名のフィンセントとはもちろんフィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)のこと。ヘレーネとは、ゴッホの死後、いち早く彼の作品に魅了され、世界最大の個人収…

有馬温泉 横尾忠則 あやしい絵

仕事で神戸に行ったついでに有馬温泉で1泊して帰る。 有馬温泉は4年前の秋以来で、泊まったのは「小都里(ことり)」という全8室の宿。 2014年オープンというから割と新しく、部屋は広々していて窓からの眺めもいい。 部屋数が少ないからか、とても静かで、…

武蔵美美術館の3つの展覧会

東京・小平市にある武蔵野美術大学美術館で開催中の3つの美術展、入場無料で、かかるのは交通費だけ、というので観に行く。 ひとつは「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」。 「オムニスカルプチャー」とは何ぞや。 「スカルプチャー」は彫刻の意味だ…

マーク・マンダース マーク・マンダースの不在

6月1日から緊急事態宣言が延長され、一部自粛措置が緩和されて美術館がオープンしたので、その初日に東京・江東区にある東京都現代美術館に行く。 開かれていたのはオランダ出身のマーク・マンダースの個展「マーク・マンダース マーク・マンダースの不在」…

ミネアポリス美術館展で日本絵画を再発見!

六本木のサントリー美術館で14日から始まった「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」展 (6月27日まで)を観る。 世界各地の約9万点を超える美術作品を収蔵しているミネアポリス美術館(Mia)。 1883年、アメリカ中西部ミネソタ州最大の都市ミネアポリスに市…

「岩佐又兵衛 三大絵巻」展

谷津矢車著の「絵ことば又兵衛」を読んで江戸時代前期の絵師、岩佐又兵衛に興味を持った。ちょうど今月12日から熱海のMOA美術館で「伝説の絵師 岩佐又兵衛 三大絵巻」展が開催されるというので、16日に見に行った。 MOA美術館は世界救世教の教祖・岡田茂吉が…

田中一村展 アダンの海辺

千葉市美術館で5日から始まった「田中一村展‐千葉市美術館収蔵全作品」を観る(2月28日まで)。 待ちきれなくて初日に行く。 去年の10月、宮島達男の個展を観に同美術館を訪れたとき、田中一村展を1月に開催すると知り、これはぜひとも行かねば、と待ってい…