善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

#絵画

小春日和の「横尾忠則 寒山百得」展

東京・上野の東京国立博物館で3日まで開催の「横尾忠則 寒山百得(100 Takes on Hanshan and Shide)」展を観る。(Hanshan は寒山、Shideは拾得の意味) 本展は現代美術家の横尾忠則が寒山拾得を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの新作102点を一…

念願叶い葛飾応為「吉原格子先之図」

東京・表参道の太田記念美術館で「葛飾応為『吉原格子先之図』-肉筆画の魅力」展が11月1日から26日まで開かれていて、最終日に駆けつけた。 日本画の中で、生きているうちに何としても見ておきたい作品、というのがいくつかあって、ひとつは菱田春草の「落…

“爆発アーティスト” 蔡國強は如何にして生まれたのか

東京・六本木の国立新美術館で、火薬を爆発させて描く絵画やプロジェクトで世界的に知られる現代美術家・蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい・こっきょう)の大規模な個展「蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」を観る(21日まで)。 国立新美術館の柱も…

86歳にして進化する画家・ホックニー

東京・江東区の木場公園内にある東京都現代美術館で、現代を代表する画家の1人、デイヴィッド・ホックニー(1937〜)の日本における27年ぶりとなる大規模な個展「デイヴィッド・ホックニー展」を観る(7月15日開幕で11月5日まで)。 ホックニーはイングラン…

反戦の作品だった?菱田春草「寡婦と孤児」

東京・上野の東京芸術大学美術館で開催中の「『買上展』芸大コレクション展2023」を観に上野へ。 JR上野駅を降りると、ちょうど連休真っ最中とあって人でいっぱい。上野動物園があるからか、目立つのは若い子連れの家族。 スタバの店にも長蛇の列ができてい…

新たな視覚表現で「生」を描く 「諏訪敦『眼窩裏の火事』」

JR中央線・武蔵小金井駅からバスで10ほど揺られたところにある府中市美術館で開催中の「諏訪敦『眼窩裏の火事』」を観る(会期は2022年12月17日~2月26日まで)。 諏訪敦は精緻な描写力を使って、一見すると写真?いや写真よりリアル?と思うような独自の写…

「平治物語絵巻 六波羅行幸巻」@国宝・東京国立博物館のすべて

東京・上野の東京国立博物館(東博)で開催中の東博創立150年記念の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」を観に行く。 会期は12月11日までで、期間中に展示替えしながら東博が所蔵する89件の国宝のすべてが展示される。 絵画、書跡、工芸、考古そして刀剣…

清貧にして豊かな人生 映画「モリのいる場所」

東京・銀座の「銀座メゾンエルメス」10階にあるミニシアター「ル・ステュディオ」で映画「モリのいる場所」を観る。 2018年の作品。 監督・脚本・沖田修一、出演・山﨑努、樹木希林、加瀬亮、吉村界人、光石研、青木崇高、吹越満、池谷のぶえ、きたろう、林…

大阪・中之島美術館モディリアーニ展+魚はん・山下食堂

仕事で大阪へ。ついでに1泊して、今年2月にオープンしたばかりの中之島美術館で開館記念特別展「モディリアーニ‐愛と創作に捧げた35年‐」(4・9~7・18まで)を観る。 まずは前日、泊まった心斎橋の宿近くにある「魚はん」でイッパイ。 生ビールのあとは日本…

戦争の加害責任を問う 香月泰男展

東京・練馬区立美術館で開催中の「香月泰男展」を観る(3月27日まで)。 香月泰男(1911~1974)は厳しい抑留経験を描いた「シベリア・シリーズ」で知られる画家。シベリアの体験がなかったとしても昭和を代表する洋画家として名を残した人だろうが、死と隣…

仙台 魯迅と美術とおいしいもの

日帰りの仕事で仙台へ。ついでに美術館、夜は和食の店でイッパイ。 午前中に秋田行きの「こまち」と連結した新青森行き「はやぶさ」で仙台へ。 駅構内にある「牛タン通り・すし通り」で鮨のランチ。 コロナ禍で、牛タン屋はそこそこ客が入っていたが、鮨屋は…

ユージーン・スタジオ 新しい海&MOTコレクション展

東京・清澄白河の東京都現代美術館(MOT)で開催中の「ユージーン・スタジオ 新しい海 After the rainbow」をみる。「美しさ」とかいうより、見る人に作品の「意味」を問いかけてくるような現代アート展だった。 ユージーン・スタジオは寒川裕人(かんがわ・…

川端龍子の記念館&龍子公園

東京・大田区にある日本画家・川端龍子(りゅうし)の作品を所蔵・展示している「大田区立龍子記念館」で開催中のコラボレーション企画展「川端龍子VS高橋龍太郎コレクション-会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃-」に行く。 入館料は大人500円、小人250円…

「悲しむ老人」とゴッホとヘレーネ

上野の東京都美術館で開催中の「ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとトフィンセント」に行く。 題名のフィンセントとはもちろんフィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)のこと。ヘレーネとは、ゴッホの死後、いち早く彼の作品に魅了され、世界最大の個人収…

渡辺省亭は若冲を超えたか?

三島市の佐野美術館で開催中の「渡辺省亭(せいてい)-欧米を魅了した花鳥画」展を観る。仕事で三島に行ったついでに行くことができた。 今年4月に開催の「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」展で観た渡辺省亭の作品(「紫式部図」)がとても印象に残り、…

ミネアポリス美術館展で日本絵画を再発見!

六本木のサントリー美術館で14日から始まった「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」展 (6月27日まで)を観る。 世界各地の約9万点を超える美術作品を収蔵しているミネアポリス美術館(Mia)。 1883年、アメリカ中西部ミネソタ州最大の都市ミネアポリスに市…

「岩佐又兵衛 三大絵巻」展

谷津矢車著の「絵ことば又兵衛」を読んで江戸時代前期の絵師、岩佐又兵衛に興味を持った。ちょうど今月12日から熱海のMOA美術館で「伝説の絵師 岩佐又兵衛 三大絵巻」展が開催されるというので、16日に見に行った。 MOA美術館は世界救世教の教祖・岡田茂吉が…

“奇想の絵師”描いた「絵ことば又兵衛」

谷津矢車「絵ことば又兵衛」(文藝春秋)を読む。 「浮世絵の祖」とか「奇想の絵師」とも呼ばれる江戸時代初期の絵師、岩佐又兵衛の幼少期から成熟期に至る姿を描いた長編小説。 岩佐又兵衛は実在の人物で、1578年(天正6年)の生まれ、1650年(慶安3年)没…

田中一村展 アダンの海辺

千葉市美術館で5日から始まった「田中一村展‐千葉市美術館収蔵全作品」を観る(2月28日まで)。 待ちきれなくて初日に行く。 去年の10月、宮島達男の個展を観に同美術館を訪れたとき、田中一村展を1月に開催すると知り、これはぜひとも行かねば、と待ってい…

すべて初来日!ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

東京・上野の国立西洋美術館で開催中の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に行く。 上野駅の公園口が新しくなって、駅前は広場になり、信号もなくなった。 本展は当初3月から開催予定だったが、延期されてようやく開幕。 イギリスが誇る世界屈指の美の…

国立新美術館 古典×現代2020―時空を超える日本のアート

24日から六本木の国立新美術館で始まった「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」展の初日を見に行く。 当初は3月11日からの開催が予定されていたが、新型コロナの影響で3カ月遅れの開催となったという。 その初日、予約制というので事前に予約して出か…

久々の美術は東京都現代美術館

コロナ禍で外出自粛が続いていたが、緊急事態宣言の解除で臨時休館していた美術館などもようやく再開。まずはそれほど混んでないところへと出かけて行ったのが、東京・江東区にある東京都現代美術館。 入館時には体温チェックがあり、手指を消毒して館内に入…

ハプスブルク展の女性たち

上野の国立西洋美術館で「日本・オーストリア友好150周年記念」と銘打った「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」を観る。(会期は来年の1月26日まで) 本展のテーマは副題の通り「歴史」。ハプスブルク家の歴史とそのコレクション蒐集の歴史…

ちひろ美術館&ショーン・タンの世界展

初めて「ちひろ美術館」に行く。 画家で絵本作家のいわさきちひろ。ずっと前からファンで、ちひろ美術館は憧れの場所だったが、行くのは初めて。 西武新宿線上井草駅から徒歩7分ほどのところにある。駅から美術館まで、けっこうクネクネ曲がっていくが、案内…

山口晃 親鸞全挿画集

「親鸞全挿画集」(山口晃)青幻舎刊 今、注目の画家、山口晃の画集というので手にとる。 695ページにも及ぶ大型本。片手で持っているとつらいほどの重さ。しかし、ページを開き出すと止まらずに一気読み。いや挿画だから一気見というべきか。 「親鸞」は200…

再発見! 横山崋山

仕事で仙台へ行った。 せっかく仙台まで行くのだからついでに何か見るべきものはないか、と探して行ったのが宮城県美術館で開催中の「横山崋山」展。 これがすばらしかった。 最初、崋山と聞いて渡辺崋山かと思ったら違う。横山というから横山大観の弟子かな…

「へそまがりの日本美術」のち「五島うどん」

府中市の都立府中の森公園内にある府中市美術館で開催中の「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」展に行く。 完璧ではない、不恰好なものや不完全なものに心惹かれる「へそまがりな感性」に注目し、もうひとつの日本美術史を俯瞰しようという展覧会。 …

没後50年 藤田嗣治展

東京都美術館で開催中の「没後50年 藤田嗣治展」に行く。 平日だったこともあってか、それほどは混んでなかった。 没後50年ということで内外の美術館が所蔵する約120点を集めた大回顧展。 これだけのたくさんの藤田作品を見たのは初めてだ。 乳白色の下地に…

プーシキン美術館展

上野の東京都美術館で開催中の「プーシキン美術館展-旅するフランス風景画」をみる。 モスクワのプーシキン美術館はフランス絵画のコレクションで知られているという。 その中から、17世紀から20世紀の風景画65点が来日、公開されている。 プーシキンといえ…

色あせない風景 滝平二郎の世界展

三鷹の三鷹市美術ギャラリーで開催中の「色あせない風景 滝平二郎の世界展」を見に行く。 その前に、夏至も近いのでハンゲショウ(半夏生)が咲いてないかと近所のお寺に寄る。 たしかに咲いていたが、去年はもっとたくさん咲いていたはずだが、今年は数が少…