善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

#その他舞台、演劇

女優・寺島しのぶ出演の「文七元結物語」

東京・東銀座の歌舞伎座で「錦秋十月大歌舞伎」昼の部の「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」「文七元結物語(ぶんしちもっといものがたり)」を観る。 「天竺徳兵衛韓噺」は妖術使いの徳兵衛が活躍する鶴屋南北作の奇想天外の物語。 ガマの…

「家」より「夫婦愛」 心中宵庚申

半蔵門の国立劇場小劇場で5月文楽公演第1部の「心中宵庚申」。 本来なら9月4日が初日だったが、緊急事態宣言により公演が中止となり、12日が初日だった。 久々の文楽。幕が開くなり生の舞台の醍醐味がジワジワーッと伝わってきて、明日への活力をもらった感…

仁左衛門・玉三郎の「桜姫東文章」

歌舞伎座「四月大歌舞伎」第3部を観る。 午後6時開演というので、その前に銀座の「泰明庵」で白魚天盛りそば。 今月の歌舞伎座もコロナ対策のため、幕間ありの三部制、客席数50%を維持しての上演。第3部は鶴屋南北作「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょ…

仁左衛門の「熊谷陣屋」 菊五郎の「直侍」

歌舞伎座の三月大歌舞伎、第2部は時代ものと世話もの豪華2本立て。 1本目は「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき) 熊谷陣屋」。 熊谷直実(くまがい・なおざね)に仁左衛門、源義経に錦之助、直実の妻、相模は仁左衛門の息子の孝太郎ほか。 続いて「雪暮夜入…

冥途の飛脚 勘十郎・忠兵衛、勘彌・梅川にホロリ

国立劇場小劇場での2月文楽公演は、勘十郎見たさに第3部の「冥途の飛脚」へ。 前回行ったとき、客席は歌舞伎座と同じに席を前後左右に空けて市松模様みたいにしてコロナ対策を行っていたが、きのうは1列に2つ席を続けて1つ席を空けてというふうに変わってい…

仁左×玉コンビの「於染久松色読販」

歌舞伎座「二月大歌舞伎」第2部を観る。 演目は四世鶴屋南北作「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)土手のお六 鬼門の喜兵衛」と、舞踊と清元の「神田祭」。 「於染久松色読販」では土手のお六を坂東玉三郎、鬼門の喜兵衛を片岡仁左衛門、ほ…

狂言「餅酒」「泣尼」「牛盗人」の含蓄

千駄ヶ谷の国立能楽堂で開催された「1月狂言の会」に行く。 演目と主な出演者は、「餅酒(もちさけ)」松田髙義(和泉流)、「泣尼(なきあま)」茂山七五三(大蔵流)、「牛盗人(うしぬすびと)」野村万作(和泉流)。 狂言なんて何十年ぶりのこと。能・狂…

「シラノ・ド・ベルジュラック」にみる異化効果

池袋駅の駅ビル・ルミネ8階にある映画館「シネ・リーブル池袋」で、ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)として製作された「シラノ・ド・ベルジュラック」を観る。 ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)とは、イギリスの国立劇場であるナショナル・シ…

歌舞伎座「日本振袖始」+銀座「和もと」

歌舞伎座十二月大歌舞伎、第四部の「日本振袖始(にほんふりそではじめ)大蛇退治」を観る。 地下鉄を降りて歌舞伎座の地下から1階を結ぶエスカレーターに乗っていたら、「農口尚彦研究所」の広告がズラリと並んでいた。 農口さんといえば「酒づくりの神様」…

十月大歌舞伎 梶原平三誉石切

歌舞伎座十月大歌舞伎第3部の「梶原平三誉石切 鶴ヶ岡八幡社頭の場」を観る。 相変わらずコロナ予防のため入場時は手指の消毒、検温。席の前後左右は空席。前から3列目だったので、1例目は無人で2列目の前も誰も座ってないから3列目でも最前列と同じ。全体が…

半年ぶりの歌舞伎座 棒しばり

3月から休場していた歌舞伎座が8月1日、ようやく再開した。 再開前に観たのは2月の十三代目片岡仁左衛門二十七回忌追善狂言で、当代の仁左衛門が菅丞相を演じる「菅原伝授手習鑑」から「加茂堤」「筆法伝授」「道明寺」だった。 それから半年ぶりの歌舞伎座…

きのうのワイン+NHKEテレ「勧進帳」

チリの赤ワイン「アイランド・イースター・カベルネ・ソーヴィニヨン(ISLAND EASTER CABERNET SAUVIGNON)2019」 いかにも、というネーミングだが、太平洋上に位置するチリ領の火山島、イースター島のモアイ像がラベルにデザインされている。 ワイナリーの…

仁左衛門の近況

新型コロナウィルスの影響で歌舞伎公演はすべて中止となっているが、公演再開に向けて役者たちは日々鍛練してますよというのを伝える目的なのか、日本俳優協会と伝統歌舞伎保存会がYouTubeチャンネル「歌舞伎ましょう」を開設し、役者たちの近況を動画で伝え…

きのうのワイン+SPAC「アンティゴネ」上演映像

イタリア・トスカーナの赤ワイン「ジンガリ(ZINGARI)2015」 ワイナリーのペトラは、トスカーナ地方マレンマ地区の丘陵地帯に300haにもおよぶ広大な土地を所有。そのうちの100haの畑でブドウを栽培し、畑は鉄分を多く含んだ粘土質と砂質の土壌で、ティレニ…

二月大歌舞伎 仁左衛門の菅丞相

歌舞伎座二月大歌舞伎昼の部を観る。 十三世片岡仁左衛門二十七回忌追善狂言で、昼の部では平安時代に大宰府流罪となった菅丞相の悲劇を描いた「菅原伝授手習鑑」から「加茂堤」「筆法伝授」「道明寺」。 菅丞相は当代の仁左衛門。1995年に初役で演じて以来…

新生PARCO劇場の「志の輔らくご」

東京・渋谷のPARCO劇場が新生オープンし、幕開けの"こけら落とし"公演となった「志の輔らくご」を聴きに行く。 ロビーには祝いの酒樽と胡蝶蘭がところ狭しと並んでいた。 演目は、「こけら落としの一席」として「ぞろぞろ」、新作落語の「メルシーひな祭り」…

初春大歌舞伎&新春国立名人会

初芝居、初笑いはやっぱり松の内にと、6日は歌舞伎座・初春大歌舞伎の夜の部、7日は国立演芸場の新春国立名人会へ。 まずは歌舞伎座。 ロビーには正月飾りや鏡餅が飾られ、着物姿の女性も目立つ。 演目は、白鸚、歌六らによる「義経腰越状 五斗三番叟」、猿…

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」夜の部

宮崎駿原作の新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」夜の部を観る。 出演はナウシカ尾上菊之助、クシャナ中村七之助、ユパ尾上松也そのほか。 会場に入って真っ先に目につくのが幕。 タペストリーみたいになっていて本物の織物のタペストリー?と思ったら風に揺れて…

国立劇場「日向嶋」の吉右衛門と葵太夫

国立劇場11月歌舞伎公演「通し狂言 孤高勇士嬢景清(ここうのゆうしむすめかげきよ)-日向嶋- 四幕五場」を観る。 悪七兵衛景清に中村吉右衛門、ほかの出演。 何といっても4幕目の「日向嶋浜辺の場」が圧巻の舞台。 平家の武将景清が源氏への復讐心を捨て去…

井上ひさし「組曲虐殺」再々演

来年2020年は劇作家・井上ひさしの没後10年。 「井上ひさしメモリアル10」としてこのところ井上作品の上演が多いが、そのひとつ、天王洲・銀河劇場で上演中の「組曲虐殺」を観る。 プロレタリア作家で非合法下の日本共産党員だった小林多喜二とその周囲の人…

手話による「三人姉妹」

池袋の東京芸術劇場でロシア・ノヴォシビルスクのレッドトーチ・シアターによるチェーホフ作「三人姉妹」を観る。 声に出して語られるセリフはなく、全編が手話(ロシア手話)で演じられるという実験的な舞台だった。 パンフレットより。 とても感動的で、最…

トロールの森の黄金バット

11月3日から23日まで、今年も善福寺公園の上池を主会場に野外アート展「トロールの森2016」が開催された。 私が所属する地域のミニラジオ局「ラジオぱちぱち」は、毎日曜日の公園内でオープンカフェを開くとともに、パフォーマンス部門で活劇「黄金バット第9…

ダンス集団「初期型」

3日からはじまった野外アート展「トロールの森」(23日まで)に参加している肉体派?ダンスカンパニー「初期型」のパフォーマンス公演、題して「HAVE(ハヴ)」を日曜日の夜に観た。 会場はJR西荻窪駅前のビリヤード山崎2階。 出演は構成・演出のカワムラア…

伊藤悠貴のチェロコンサート

善福寺公園ではいよいよ11月3日の文化の日から野外アート展「トロールの森2016」が始まる。 野外パフォーマンスが行われる舞台の上で、小さなカメムシが仰向けにひっくりかえって脚をバタバタさせていた。 やがて自力で立ち上がろうとして・・・。 元に戻り…

トロールの森2015

今年も11月3日(文化の日)から23日(勤労感謝の日)まで、東京・杉並区の善福寺公園の上池をメーン会場に「トロールの森2015」が開催される。 公園での野外アート展、パフォーマンスのほか、JR西荻窪駅周辺の“まちなか”でもパフォーマンスや展示などが行わ…

ブレヒト『アンティゴネ』と現代日本の悲劇

ブレヒト作『アンティゴネ』の新訳が出たというので読む。光文社古典新訳文庫版で谷川道子(東京外大名誉教授)訳。 ブレヒトの訳者としては岩淵達治が有名だが、それと比べてどうかわったかは、岩淵訳も含めて旧訳をまるで読んでないので不明。 ともかく読…

武井よしみちの足踏みパフォーマンス

善福寺公園を主会場にした「トロールの森2014」も開幕から1週間がすぎた。 きのうは夜7時からJR西荻窪駅近くの「ビリヤード山崎」の2階で「武井よしみち+ブルーボウルカンパニー'96」のパフォーマンスライブを観に行く。 ちなみにこのライブは、トロールの…

「トロールの森2013」近づく

11月3日(日)から23日(土・祝)まで、都立善福寺公園で野外アート展「トロールの森2013 まちと森をつなぐかたち」が開催される。 野外展示の作品だけでなく、芝居やダンス、遊吟詩人の歌なんかもあり、主に同公園の上池周辺が中心だが、近くの杉並区立桃井…

渡辺保・高泉淳子 昭和演劇大全集

渡辺保・高泉淳子『昭和演劇大全集』(平凡社)を読む。 渡辺保の『明治演劇史』を読んでいたら『昭和演劇史』も書いていると知り、手に取った次第。こちらは高泉淳子との対談集なので読みやすかった。 本書は、2007年3月から09年3月まで、NHKBSで放送した新…

渡辺保 明治演劇史

渡辺保『明治演劇史』(講談社)を読む。 今、日本の歌舞伎批評界でもっともマトを射た、ときに辛辣な批評をしている渡辺氏の著というので手に取る。ちなみに氏のウェブサイトに毎月掲載される歌舞伎劇評はときどき読んでいる。 500ページ近い大著で、重くて…