善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

伊藤悠貴のチェロコンサート

善福寺公園ではいよいよ11月3日の文化の日から野外アート展「トロールの森2016」が始まる。
野外パフォーマンスが行われる舞台の上で、小さなカメムシが仰向けにひっくりかえって脚をバタバタさせていた。
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やがて自力で立ち上がろうとして・・・。
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元に戻りました。
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チャバネアオカメムシ
体は全身黄緑色で、翅の部分だけ茶色い色をしている。

きのうは夕方。銀座へ。
シャネル・ネクサスホールで開催された若手チェリスト伊藤悠貴のチェロコンサート。
伊藤は若手演奏家に演奏の機会を提供し支援する「CHANEL Pygmalion Days」の2014年の参加アーティストで、彼のチェロを聴くのはそのとき以来だ。

曲目はブリテンの「チェロ・ソナタ ハ長調 作品65」とラフマニノフの「チェロ・ソナタ ト短調 作品19」。
ピアノはイギリスからやってきたダニエル・キング=スミス。

ローウィンにちなんだのか、ダニエル・キング=スミスは真っ白のスーツで靴も白。伊藤は黒いスーツで白と黒の対比。

ブリテンの曲は最初、現代音楽っぽく難解だったが、終始チェロとピアノが対話するような展開。
最終章の第5楽章の最後の方では戦慄が走るような緊迫した雰囲気。チェロとピアノがつぶやきあうような、ときに叫びあうような不思議な気分にさせられた。

すばらしかったのがラフマニノフのチェロ・ソナタ
第2楽章では聴いているほうも声に出して歌いたくなるような美しい旋律にうっとり。
名曲、そして名演奏だった。

アンコールで弾いたのはラフマニノフの「夜のしじま」という曲だそうで、秋の夜らしくしっとりと聴かせた。

伊藤は1989年東京生まれで今年27歳。
15歳からロンドン在住。21歳のときブラームス国際コンクール、イギリスの最高峰ウィンザー祝祭国際弦楽コンクールで日本人初優勝。2011年、22歳でイギリスの名門オーケストラ、フィルハーモニア管弦楽団の定期公演でメジャーデビューした。昨年の2015年、王立音楽大学を全課程首席卒業、とものすごい経歴。
現在、もっとも注目されている若手チェリストの一人であり、これからますます大きく羽ばたいていくに違いない。