善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

#演劇・ミュージカル全般

92歳・岩崎加根子の「慟哭のリア」

東京・六本木の俳優座劇場で劇団俳優座公演№358「慟哭のリア」を観る(6日)。 最近は観劇というと歌舞伎や文楽ばかりで新劇は久しく観ていないが、今年は新劇100年(新劇初の劇団・築地小劇場が誕生してから100年)の節目であり、これまで新劇を牽引してき…

原作にはなかった「婦系図」の「湯島境内」

銀座・歌舞伎座の「錦秋十月大歌舞伎」。夜の部「婦系図(おんなけいず) 本郷薬師縁日・柳橋柏家・湯島境内」「源氏物語 六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の巻」を観る。 出演は「婦系図」の早瀬主税(ちから)・仁左衛門、お蔦(つた)・玉三郎、柏…

ジーンときた六代目時蔵襲名口上

東京・銀座の歌舞伎座「六月大歌舞伎」は「初代中村萬壽と六代目中村時蔵襲名披露、五代目中村梅枝初舞台」で、昼の部の六代目中村時蔵襲名披露狂言「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)三笠山御殿」ほかを観る。 まずは川村花菱作の「上州土産百両…

五月文楽 11代目豊竹若太夫襲名披露公演

五月文楽公演は、国立劇場が建て替え中のため(といったって工事はいまだ始まってない)、初めて東京・北千住の「シアター1010」で開催。 北千住駅に直結しているので駅からは便利。「1010」は「センジュ」と読むらしい。 午前11時開演のAプロは豊竹呂太夫改…

四月大歌舞伎 「於染久松色読販」と「嫁菜売り」

東京・銀座の歌舞伎座「四月大歌舞伎」夜の部を観る。 平日午後、というか午後3半ごろの銀座。道行く人は外国人ばっかり。歩いている人の半分以上は外国人という感じで、一瞬、ここはどこの国? この日は午前中、台風のような風雨の強い時間帯があり、それで…

裁き、裁かれるべきものは? 井上ひさし「夢の泪」

東京・新宿の紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで、こまつ座第149回公演による井上ひさし作「夢の泪(なみだ)」を観る。 今年は井上ひさし生誕90年、亡くなってから14年がたち、この4月9日は彼が亡くなった命日だ。 演出・栗山民也、出演・ラサール石井、…

十二月大歌舞伎 天守物語

歌舞伎座「十二月大歌舞伎」の第3部を観る。 第1部で歌舞伎役者とバーチャル・シンガーの初音ミクが共演する超歌舞伎「今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」が話題だが、やはり今月の見どころは「天守物語(てんしゅものがたり)」の夜の舞台。 獅…

シーボルトも魅せられた「妹背山婦女庭訓」

10月末に閉場する国立劇場の建て替え前の最後の歌舞伎公演は、9、10月の「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」の通し上演。 9月は前半で、ときは飛鳥時代。大和朝廷の権力者である蘇我入鹿に苦しめられる大判事と太宰少弐(だざいのしょうに)両家…

国立劇場さよなら文楽公演 菅原伝授手習鑑

今の国立劇場は老朽化による立て替えのため10月末に閉場するが、閉場前の最後となる「8・9月文楽公演」の第1部を観る。 第1部は「通し狂言 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」のうち、三段目(車曳の段、茶筅酒の段、喧嘩の段、訴訟の段、…

きのうのワイン+映画「パリのアメリカ人」「栄光のランナー/1936ベルリン」ほか

チリの赤ワイン「サンタ・ディグナ・カルメネール・グラン・レゼルヴァ(SANTA DIGNA CARMENERE GRAN RESERVA)2021」 (写真はこのあと牛のサーロインステーキ) スペインのトーレスがヨーロッパの伝統と技術を用いてチリで手がけるワイン。 チリの代表品種…

NTL「ハムレット」そしてオフィーリア

3連休最終日の夕方、池袋駅西口のルミネ池袋8Fにあるシネ・リーブル池袋で、2015年に上演され話題を呼んだベネディクト・カンバーバッチ主演のシェイクスピア作「ハムレット」の舞台映像作品を観る。 満席で、しかもほとんどが若い女性。 3連休ということも…

ノンストップパフォーマンス ぜんぷくトリヲ

土曜日の午後、JR西荻窪駅南口から歩いて5分ほどのところにある「ことビル」2階の西荻シネマ準備室で、パントマイムの2人組「ぜんぷくトリヲ」の劇「いのちのオンパレード・大酒飲み」を観る。 ことビルの「こと」とは「琴」ではなく「事」。道路拡幅や再開…

「ライフ・オブ・パイ」オリヴィエ賞に輝く舞台を映像化

地下鉄・三越前のTOHOシネマズ日本橋で、ナショナル・シアター・ライブ「ライフ・オブ・パイ」の先行上映を観る。 5月26日からの公開を前にしたトークイベント付きの先行上映会。 (写真は休憩中のスクリーン。あと9分21秒で第2幕が始まります) まず舞台美…

文楽「夏祭浪花鑑」 団七の見得

国立劇場5月文楽公演・第3部「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」を観る。 国立劇場の建て替えのため閉館前の「さよなら公演」の1つで、次回の8月31日からの文楽公演が57年にわたる現在の国立劇場での最終公演になるという。 「夏祭浪花鑑」は、暑い夏…

スクリーンで観るナショナル・シアター「るつぼ」

ルミネ池袋8階にある映画館シネ・リーブル池袋で上映中の、イギリスの国立劇場ロイヤル・ナショナル・シアター(RNT)で上演されたアーサー・ミラー作「るつぼ」を映像で観る。 演出リンゼイ・ターナー、出演エリン・ドハティ、ブレンダン・カウエルほか。 R…

きのうのワイン+「つばくろは帰る」

イタリア・トスカーナの赤ワイン「サンタ・クリスティーナ・ロッソ(SANTA CRISTINA ROSSO)2020」 (写真はこのあと肉料理。左下は3月3日のひなまつりにちなんでハマグリの桜蒸し) アンティノリが手がけるワイン。 フィレンツェを州都に持つトスカーナは、…

「アプロプリエイト-ラファイエット家の父の残像-」

地下鉄赤坂見附駅から歩いて数分のところにある「赤坂RED/THEATER」で、劇団ワンツーワークスの「アプロプリエイト-ラファイエット家の父の残像-」を観る。 同劇団は劇作家・演出家の古城十忍(こじょう・としのぶ)氏が主宰する2009年設立の演劇集団。 脚…

滑りのたうつ勘十郎の「女殺油地獄」+おでん割烹「稲垣」

国立劇場小劇場の「2月文楽公演」第三部「女殺油地獄」を観る。 東京は朝から大雪の日だったが、客席は埋まっていて、しかも女性が多い。文楽とか浄瑠璃というと“男の世界”かと思っていたが、女性が文楽の魅力を知るようになって今はむしろ逆転しているのか…

“悪の美”演じ納め 仁左衛門の「霊験亀山鉾」

東京・東銀座の歌舞伎座「二月大歌舞伎」第三部「通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)」を観る。 「亀山の仇討ち」として世に知られる実際にあった事件を四世鶴屋南北が劇化したもの。 ただし、仇討ちより陰惨な返り討ちがメインという異色の芝居で…

1985年初演の「ジャガーの眼」舞台映像

1985年に初演されたときの唐十郎率いる状況劇場による「ジャガーの眼」の舞台映像を、東京・品川区の天王洲アイルで観る。 りんかい線天王洲アイル駅から5分ほどのところにある寺田倉庫E HALLで開催された「天王洲電市」での上映会。コロナ禍で舞台芸術業界…

團十郎襲名披露 十一月吉例顔見世大歌舞伎

東京・東銀座の歌舞伎座で、十三代目市川團十郎白猿襲名披露の「十一月吉例顔見世大歌舞伎」の夜の部。八代目市川新之助の初舞台でもある。 10月31日、11月1日の特別公演に続き、いよいよ團十郎の本格的なお披露目公演がスタートした。地方巡業を含めれば襲…

菊之助の「三役完演」を“完観” 義経千本桜

東京・半蔵門にある劇場の建て替えを前に、歌舞伎「義経千本桜」を3プログラムに分けて通し上演している10月の「初代国立劇場さよなら公演」。3日のBプロ、10日のAプロに続き、16日は四段目にあたるCプロの「道行初音旅」「河連法眼(かわつらほうげん)館の…

菊之助の挑戦に拍手 「義経千本桜」Aプロ

東京・半蔵門にある劇場の建て替えを前にした10月の「初代国立劇場さよなら公演」は、歌舞伎「義経千本桜」を3プログラムに分けて通し上演しているが、3日にBプロを観たのに続いて、一週間おいてきのう(10日)はAプロの伏見稲荷鳥居前の場、渡海屋の場、大…

芝居見て泣ける非日常がうれしい 国立劇場「義経千本桜」Bプロ

建て替え工事を前にした「初代国立劇場さよなら公演」の歌舞伎公演の幕開けは、義太夫狂言の三大名作のひとつ「義経千本桜」を3プログラムに分けた通し上演。 「義経千本桜」はもともと人形浄瑠璃作品であり、延享4年(1747年)11月、大坂竹本座にて初演。二代…

9月文楽公演 奥州安達原

きのうの土曜日は東京・半蔵門の国立劇場小劇場で「9月文楽公演」。 1966年開場の同劇場は来年10月に閉場し、建て替えられることになっている。そのため14カ月に及ぶ「初代国立劇場さよなら公演」が始まり、その幕開けとなるのが本公演。 出かけていったのは…

歌舞伎座 秀山祭九月大歌舞伎の「藤戸」

歌舞伎座で、中村吉右衛門の一周忌追善「秀山祭九月大歌舞伎」第3部を観る。 菊五郎は別格として歌舞伎の二枚看板にして名優同士だった吉右衛門と仁左衛門。その吉右衛門が亡くなって1年。寂しさはいまだ続いている。 今月の大歌舞伎は、いずれも吉右衛門ゆ…

きのうのワイン+ブロードウェイ版「ロメオとジュリエット」ほか

チリの赤ワイン「エミスフェリオ・カベルネ・ソーヴィニヨン・レゼルヴァ(HEMISFERIO CABERNET SAUVIGNON)2019」 スペインのトーレスがチリで手がけるワイン。 チリの銘醸地セントラル・ヴァレーで採れるカベルネ・ソーヴィニヨン100%。 「エミスフェリオ…

役者と映像が融け合い臨場感「ブック・オブ・ダスト 美しき野生」

先日、テレビで録画しておいたのを観た「ライラの冒険 黄金の羅針盤」(2007年の映画)の12年前を描いた芝居の映像版が公開されるというので観に行く。 ルミネ池袋8階にあるシネ・リーブル池袋で公開中のナショナル・シアター・ライブ(NTLive)「ブック・オ…

5月文楽公演 超絶!源九郎狐

半蔵門の国立劇場小劇場で「5月文楽公演」の第一部を観る。 大河ドラマともいうべき「義経千本桜」のうち、源義経の家臣で、義経の愛妾(太夫は「思いもの」と呼んでいた)静御前の守護を命じられた佐藤忠信、実は源九郎狐を中心とした部分を抜き出した「伏…

きのうの日本酒+「佐倉義民伝」

山形・酒田の酒「上喜元 純米吟醸 蔵の華」無ろ過、生原酒。 「蔵の華」は「美山錦」の後継の酒造好適米で、60%にまで精米し、熊本県酒造研究所の酵母で仕込み、醸した純米吟醸生原酒。まだ発酵してるのだろう、瓶のフタをとるとポンと音がした。 おととし…