チリの赤ワイン「アイランド・イースター・カベルネ・ソーヴィニヨン(SLAND EASTER CABERNET SAUVIGNON)2021」
(写真はこのあと牛ステーキ)
チリを代表するワイナリー、コンチャ・イ・トロ傘下のワイナリーであるクイマイのワイン。
コンチャ・イ・トロは、ボルドーからブドウの苗をチリへ持ち込み、ブドウ栽培に最適な気候を持つマイポ・ヴァレーにブドウ畑を開拓した歴史を持つという。
チリの歴史と雄大な自然を象徴するイースター島のモアイ像に敬意を表し、ラベルにもモアイ像が描かれている。
ワインのあと観たのは、民放のBSで放送していた日本映画「長いお別れ」。
2019年の作品。
監督・脚本・中野量太、出演・蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山崎努ほか。
認知症になった父親とその家族の姿を描いた中島京子の小説「長いお別れ」を映画化。
元教師で厳格な父・昇平(山崎努)の70歳の誕生日で久しぶりに集まった娘2人、姉(竹内結子)と妹(蒼井優)は、母(松原智恵子)から父が認知症になったと告げられる。
それから7年の歳月が流れ、日に日に記憶を失い、父でも夫でもなくなっていく昇平の様子に戸惑いながらも、そんな昇平と向き合うことで、おのおのが自分自身を見つめなおしていく・・・。
原作は、著者の中島京子自身が、アルツハイマー型の認知症と診断されて10年後に亡くなった父・中島昭和(フランス文学者で中央大学名誉教授)を見送った経験がもとになっている。
映画でも出てくるが、英語では認知症のことを「Long Goodbye」、つまり「長いお別れ」とも呼んでいるそうだ。
認知症はいまだ決定的な治療法のない病気で、発症すれば一時的に進行がとまることはあっても、元に戻ることはほとんどないといわれている。
しかし、その症状は、多くの場合ゆっくりと進み、少しずつ記憶をなくしていって、現実から遠ざかっていく。
つまり、別れのための長い時間があり、その中で、患者の変化を日常生活の中で家族がゆっくりと見守り、家族の絆を確かめ合うことは大いに可能なのだという。
映画も、そんな内容の心安らぐものだった。
ついでにその前に観た映画。
NHKBSで放送していたアメリカ映画「草原の野獣」。
1958年の作品。
原題「GUNMAN'S WALK」
監督フィル・カールソン、出演ヴァン・ヘフリン、タブ・ハンター、ジェームズ・ダーレン、キャスリン・グラントほか。
ワイオミング平原の大牧場主リー・ハケット(ヴァン・ヘフリン)は、町を築いたのは自分だと自負し、息子2人を自分が理想とする勇敢な男に育てたいと願っていた。
兄のエド(タブ・ハンター)は銃が得意だが粗野で、弟のデイビー(ジェームズ・ダーレン)は心優しく内気だった。
ある日、エドは馬を移動させる途中、野生の馬を追って、先住民の血をひく雇い人の青年と競争し、崖下に転落死させてしまう。殺人罪で裁判にかけられるが、父親の存在のおかげで無罪放免となる。そしてついには、丸腰の保安官補にまでも・・・。
映画で野獣とは、粗野で乱暴な兄を指しているらしいが、観た感想としては、そんな息子を育てた父親のほうが野獣で、息子は野獣に育てられた暴れ犬という気がした。
原題は「ガンマンの歩き方」とか「生き方」といった意味だろうか。
父親はとんでもない歩き方を教えたものだ。