チリの赤ワイン「アイランド・イースター・カベルネ・ソーヴィニヨン(ISLAND EASTER CABERNET SAUVIGNON)2021」
(写真はこのあと牛のサーロインステーキ)
生産者はチリ最大のワイナリーグループ、クイマイ。
ボルドーからブドウの苗をチリへ持ち込み、ブドウ畑を開拓したのが始まりという。
チリの歴史と雄大な自然を象徴するイースター島のモアイ像に敬意を表したワイン。
もっと渋みがきついかと思って飲ったら、意外と軽め。
カベルネ・ソーヴィニヨン100%じゃなくて、メルロが15%加わっているからか幾分マイルドな仕上り。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたイタリア・日本合作の映画「ラストコンサート」。
1976年の作品。
原題「DEDICATO A UNA STELLA」
イタリア語で、「ステラに捧げる」という意味だそうだ。
監督ルイジ・コッツィ、出演リチャード・ジョンソン、パメラ・ヴィロレージほか。
当時の映画配給会社だった日本ヘラルドが出資していて、社長の古川勝美氏が製作者として名前を連ねている。
親子ほどの年の差がある男女が愛し合う純愛物語。あり得なくはないだろうが、やっぱり違和感を抱いてしまうが、それを感じさせないプロットの立て方が巧みで、素直に2人を応援したくなっちゃう。
フランス北西部のモン・サンミッシェルの病院。診察の順番を待つ中年の男の前に、診察室から出てきた娘があらわれて無邪気に話しかけて去っていく。娘の次に男が診察室に入ると、医師は「白血病で、余命はあと2、3カ月」と告げる。何のことかときょとんとする男に医師は「今、出ていった娘から、あとから診察室に入るのが父親だから診断結果を伝えて、といわれた」という。男は、娘が勝手に自分を父親にしてしまったと知り、驚く。
男は帰り道のバス停で再び娘に出会う。娘の名はステラ(パメラ・ヴィロレージ)。幼ないときに母と死別し、愛人とともに出奔した父を探しているのだという。ステラは楽しげに人懐っこく話しかけてくるが、男は迷惑そうな表情ながらも無下に突き放すことができない。彼女は自分の余命がわずかだということを知らないし、それを知っているのは自分だけだからだ。
イギリス人のリチャードと名乗るその男(リチャード・ジョンソン)は、ピアニストで作曲家でもあったが、今は場末のクラブのピアノ弾きがやっとという悲惨な生活を送っていた。病に侵されながらも前向きに、奔放に生きるステラと付き合ううち、人生に挫折し落ちぶれていた男の心に、人を愛する気持ちと再起をめざす希望の火が灯る・・・。
イタリア映画だが、撮影はモン・サンミッシェルやパリなどフランスで行われ、セリフは英語が中心。
1970年代らしいまったりとした展開で、主役はむしろ美しい映像と美しい音楽といえるかもしれない。ステルヴィオ・チプリアーニの音楽が、どことなく寂しくも甘くてロマンチックだった。特に最後の男が作曲した「ステラに捧げるコンチェルト」を聴いてると、クラシックの曲に似たような旋律があったような気もしたので調べたら、どうやらラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の一部をうまくアレンジしてはめ込んだ“キメラ音楽”だったらしい。
古い例だが1945年の映画「逢い引き」でもラフマニノフのこの曲が流れていたから、映画音楽を担当する作曲家がついつい使いたくなる曲なのかもしれない。
もっとも「逢い引き」は、夫と子どものいる平凡な主婦と、同じく妻子ある医者が駅で偶然に出会って恋に落ちる、中年の男女の切ない不倫の恋を描いたものだったが・・・。