善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」他

南アフリカの赤ワイン「ピノタージュ・シラーズ(PINOTAGE SHIRAZ)2018」

(本日のパンは東京女子大近くタグチベーカリーのパン)f:id:macchi105:20210528164113j:plain

南アフリカのワイナリー、レオパーズ・リープの赤ワイン。

ラベルに描かれてあるのはケープ山脈に生息する3頭のヤマヒョウ。

野生のヤマヒョウ「ケープマウンテンレオパード」の保護活動を応援しているのだとか。

ピノタージュとシラーズをブレンド

とても飲みやすいワイン。

 

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたフランス・チェコ・イギリス合作の映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」。

2007年の作品。

原題「LA MOME」

 

愛の讃歌」「ばら色の人生」など数々の名曲を残したフランスの国民的シャンソン歌手、エディット・ピアフの波乱に満ちた生涯を描いた作品。

原題の「LA MOME」はフランス語で、直訳すれば「子ども」とか「若い娘」を意味するらしいが、映画の中では「小さいスズメ」の意味で使われていて、体が小さかったピアフのニックネームでもあった。ピアフという名前自体が別名で、パリジャンの俗語でスズメを意味しているという。

 

とにかく彼女の人生は壮絶というほかなく、1915年、第1次大戦中の貧しい家庭に生まれ、祖母の娼館に預けられて育ったのち、路上で歌って日銭を稼いでいたところを見出されてデビュー。瞬く間に人気歌手へと成長し、世界的スターにもなっていく(何しろエドサリヴァン・ショーに8回も出演したという)が、1963年、47歳でがんのため亡くなる。

 

こんなエピソードが残っている。

第2次世界大戦中、フランスはドイツ占領下に置かれ、彼女はドイツにあるフランス人捕虜収容所に慰問係としておもむき、捕虜たちの前で歌った。

それは表向きはドイツ軍に協力していると思わせるもので、ショーが終わると捕虜たちと集合写真を撮り、フランスに戻るとその写真を引き延ばして捕虜1人1人のニセの身分証明書をつくり、次回に同じ収容所にいったときにこっそりと渡すようにした。

捕虜たちと示し合わせて脱走に成功すると、あらかじめ決めてあった地点で合流。列車に乗り込み、検問を受けるときには彼らのことを自分の楽団員と説明してまんまと国境を越えたという。

 

ついでにその前に観た映画。

民放のBSで放送していたアメリカ映画「アリータ:バトルエンジェル」。

2019年の作品。

監督ロバート・ロドリゲス、出演クリストフ・ヴァルツジェニファー・コネリーマハーシャラ・アリエド・スクラインほか。

 

原作は日本の木城ゆきと作画のコミック「銃夢(ガンム)」。1990年から95年まで「ビジネスジャンプ」に連載され、93年にアニメ化された。この作品を「ターミネーター」シリーズや「タイタニック」「アバター」のジェームズ・キャメロン監督が見て実写映画化することを熱望し、20年来の計画で実現されたという。脚本陣にはキャメロンも加わっている。

 

時代は約500年後の世界で、主人公は並外れた戦闘能力をもつ女性サイボーグのアリータ。地球上には天空に浮かぶユートピア都市「ザレム」と、そこから排出された廃棄物で埋まる下層の屑鉄の町「アイアンシティ」の2つに分断されていた。

屑鉄の町に住むサイバー医師のイド博士が、ある日、屑鉄の山から少女の頭部だけを見つけ出す。彼女はサイボーグであり、博士によって機械の体を与えられるが、やがて自らが約300年前につくられた「最強兵器」であることを知り、屑鉄の町を支配するユートピア都市に立ち向かうが・・・。

 

CG満載というか、ほとんどCGでつくられたような映画。それが、見ていくと実写と見紛うようになっていくから人間の視覚って不思議、というか、結構いい加減なんだね。

ロード・オブ・ザ・リング」に出てくるゴラムとか、「アバター」の登場人物などにも使われたフェイシャルキャプチャ技術が存分に発揮されていて、主人公のアリータの目の大きいこと。

映画の内容より、その技術に驚くばかり。

 

NHKBSで放送していたアメリカ映画「引き裂かれたカーテン」

1966年の作品。

原題「TORN CURTAIN」

監督アルフレッド・ヒッチコック、出演ポール・ニューマンジュリー・アンドリュースほか。

 

東西冷戦下、核ミサイル“ガンマ5”の設計にかかわる重要な方程式を探りだすため、アメリカの物理学者マイケル(ポール・ニューマン)は亡命を装って東ベルリンに行く。何も知らされていなかった婚約者のサラ(ジュリー・アンドリュース)は、マイケルを追うが・・・。

 

「アリータ:バトルエンジェル」の見どころが派手なバトルならば、こちらの見どころは東ドイツアメリカの物理学者による黒板にチョークで書く方程式合戦。

テーマは核ミサイルの情報をいかにして獲得するかという物騒な話だが、互いに方程式を書き合うという“平和的”やり方で、東ドイツの学者の頭の中にある軍事機密を盗み出そうというのだから、ヒッチコックもなかなか考えた。