南アフリカの赤ワイン「ピノタージュ・シラーズ(PINOTAGE SHIRAZ)2019」
ワイナリーはレオパーズ・リープで、ピノタージュとシラーズをブレンド。
南アフリカでシラーズとピノタージュの栽培に最も適したスワートランド地区とウェリントン地区の畑から厳選したブドウを使用しているという。
いずれも西ケープ州の海に近い、喜望峰からすぐの場所だ。
どんなところだろうと想像しながら味わう。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたイタリア・フランス合作の映画「フェリーニのアマルコルド」。
1974年の作品。
監督フェデリコ・フェリーニ、音楽ニーノ・ロータ、出演ブルーノ・ザニン、マガリ・ノエル、プペラ・マッジオ、アルマンド・ブランチャほか。
「道」や「甘い生活」のフェデリコ・フェリーニが故郷であるイタリア北部の港町リミニを舞台につくった半自伝的作品。自身の幼少期のエピソードを盛り込みつつ、ある少年が家族や個性的な人々と触れ合いながら大人の世界をのぞき込む姿を、季節の移ろいとともに温かいまなざしで描く。
ファシズム政権下の1930年代のイタリア北部の小さな港町では、春の訪れを告げる綿毛が舞っていた。綿毛が舞うと人々は春を感じ、心が湧き立つのだった。
15歳の少年チッタは、学校の友人たちとイタズラに明け暮れる毎日。年上の女性グラディスカに憧れるチッタだったが、子ども扱いされ全く相手にされない。町にファシズムの足音が忍び寄る中、チッタの周囲ではさまざまな来事が起こり、その年は彼にとって生涯忘れられない1年となる・・・。
「アマルコルド(A m’arcord)」とは、フェリーニの生まれ故郷リミニの方言で「私は覚えている」という意味という。
4Kデジタルリマスターの修復版で放送され、美しい映像。
リミニは北イタリアのアドリア海に面したエミリア=ロマーニャ州の港町。州都ボローニャから東南東約100㎞。1930年代のリミニの春夏秋冬を描いた映像の歳時記だ。
ニーノ・ロータ作曲の主題曲がどこか「スケーターズワルツ」に似た軽やかな曲で、映画を見終わったあとも口ずさむ。
ほかにもハチャトリアンの「剣の舞」、なぜかメキシコ民謡の「ラ・クカラチャ」も流れていた。
ついでにその前に観た映画。
民放のBSで放送していたフランス・ジョージア合作の映画「あの日の声を探して」。
2014年の作品。
原題「THE SEARCH」
監督ミシェル・アザナビシウス、出演ベレニス・ベジョ、アブドゥル・カリム・ママツイエフ、アネット・ベニングほか。
戦争で両親と声を失った少年が難民キャンプで懸命に生きる姿を描いたヒューマンドラマ。
ナチスによって収容所に送られ、母と生き別れた少年をアメリカ兵が助けるという物語を描いた「山河遥かなり」(1947年)に着想を得て、物語の舞台をロシアに侵攻された99年のチェチェンに置き換えて描いたという。
両親を銃殺されたショックで声を失った9歳の少年ハジ(アブドゥル・カリム・ママツイエフ)は、赤ん坊の弟を見知らぬ人の家の前に置き、ひとり放浪する。やがてハジはフランスから調査にきたEU職員のキャロル(ベレニス・ベジョ)と出会う。戦争を目の前に自身の無力さを痛感するキャロルは、せめてハジだけでも守ろうと決意する・・・。
ジョージアでロケを行い、全編手持ちカメラで描かれるリアリティあふれる映像が印象的。
ジョージアもチェチェンも同じコーカサス(カフカス)地方の国々だ。
7年ほど前にコーカサス地方を旅行したときにジョージアを訪れ、あと数キロ北上するとロシアの国境に達するというカズベキというところまで行ったことがある。
コーカサス3国旅行記⑬ - 善福寺公園めぐり (hatenablog.com)
コーカサス山脈を越えてジョージアからロシアへと向かう軍用道路と呼ばれる幹線道路沿いにあり、山を越えてロシアに入ると、その先がチェチェンだったと思う。
コーカサス山脈は南北にいくつもの国があり、南コーカサスは旧ソ連から独立してジョージア、アゼルバイジャン、アルメニアの独立国となったが、北コーカサスのチェチェン共和国などはいまだにロシア連邦に組み込まれたままとなっている。
コーカサス地方は山あいにさまざまな民族集団が複雑に入り組んで暮していて、地球上で最も民族的に多様な地域といわれているらしいが、つまりは個性的な国々が集まる地域ということだろう。