オーストラリアの赤ワイン「ベンチマーク・シラーズ(BENCHMARK SHIRAZ)2018」
南オーストラリアで5世代にわたり続く醸造家一家のワイリナリー、グラント・バージの赤ワイン。シラーズ100%。南オーストラリアのリヴァーランドとバロッサ・ヴァレーのブドウを使用。
ワインの友で観たのはNHKBSで放送していたフランス映画「影の軍隊」。
1969年の作品。原題は「L'Armee des Ombres」
監督ジャン・ピエール・メルヴィル、出演リノ・ヴァンチェラ、シモーヌ・シニョレ、ジャン=ピエール・カッセル、ポール・ムーリスほか。
第二次大戦中のドイツ占領下のフランスで、メルヴィル監督自身が経験したレジスタンスでの仲間の献身と裏切り、闘士たちの運命を描いた作品。
1943年に刊行されたフランスの作家、ジョゼフ・ケッセルの同名小説を映画化したもの。メルヴィルはこの本を読んですぐさま映画化を決意したが、25年たってようやく実現したという。
地下活動が実ってナチス将兵を暗殺したり、軍事施設を破壊したりとか、そんな華々しいエピソードは一切ない。
侵略に抵抗し、祖国のため、自由のために戦う人たちが密告によってドイツの秘密警察ゲシュタポに捕まり、拷問され殺されたり、裏切り者を処刑したりと、抵抗運動を行うレジスタンスの闘士たちの内部での悲劇的な姿が映し出される。
29歳で特高警察に拷問のすえ殺されたプロレタリア作家、小林多喜二を描いた井上ひさしの戯曲「組曲虐殺」を彷彿させる。
映画の最後のシーン。
巧みな戦術で仲間を救ってきた女性闘士のマチルド(シモーヌ・シニョレ)がゲシュタポに捕まる。自分が拷問を受けるならまだしも、娘がドイツ軍の慰み者にされるか同志の名を明かすかの選択を迫られた彼女は仮釈放中、1人で歩いていると、ジェルビエ(リノ・ヴァンチェラ)ら4人の同志が車で近づき、銃弾を浴びて殺される。
そして生き残った4人の末路も悲惨だった。ゲシュタポに追われて青酸カリで自殺したり、斬首刑にあったり、拷問を受けて自分の名のみ明かして絶命したり、誰一人生き残らなかったことが字幕で告げられ、映画は終わる。
そこまでして反ファシズムのために戦った人々。
映画が終わった途端、涙がとめどなく流れた。
映画の冒頭にはフランス語の字幕が出ていて、それはフランスの作家、ジョルジュ・クールトリーヌの次の言葉だという。
「嫌な思い出だ。だが、ようこそ! 遠く過ぎ去ったわが青春時代よ」