善福寺公園めぐり

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絶品!国立劇場「仮名手本忠臣蔵」第2部

国立劇場の11月歌舞伎公演を観る。

同劇場は今年の11月1日で開場から50年。そこで開場50周年を記念して義太夫狂言の大作『仮名手本忠臣蔵』(かなでほんちゅうしんぐら)の全段を10月から3カ月に渡って上演中で、11月は第2部の「浄瑠璃 道行旅路の花聟」「五段目 山崎街道鉄砲渡しの場」「同 二つ玉の場」「六段目 与市兵衛内勘平腹切の場」「七段目 祇園一力茶屋の場」。
出演は菊五郎吉右衛門雀右衛門菊之助ほかで、菊之助見たさもあるが、菊五郎が勘平を、吉右衛門が大星由良之助をやるというので行く。

すばらしかったのが菊五郎の勘平。ことに舅を誤って殺したと思い込んで腹を切ってからのくどきの場面が絶品。こんないい勘平は初めてみたし、菊五郎の名演も久々にみた感じがした。

吉右衛門の由良之助もすばらしかったが、雀右衛門のおかるがこれまたいい。
能天気な突き抜けるような声が、なぜかこの場面にピッタリして、逆におかるの悲劇を際立たせていた。

又五郎の寺岡平右衛門もとてもよい。「これぞ歌舞伎」という演技で、歌舞伎の醍醐味を味わう。

義太夫の葵太夫浄瑠璃・三味線も舞台に溶け込んでいた。
これぞ義太夫狂言の真骨頂。

「きょうはよかったね~」とつぶやきながら帰るうれしさ。
命の洗濯とはこのことか。