オーストラリアの赤ワイン「キャメロン・ヴェイル・カベルネ・ソーヴィニヨン(CAMERON VALE CABERNET SAUVIGNON)2018」
南オーストラリアのバロッサ・ヴァレーで5世代続く醸造家一族のワイナリー、グラント・バージが手がけるワイン。
単一畑で栽培したカベルネ・ソーヴィニヨン100%。
ワインの友で観たのは民放のBSで放送していたアメリカ映画「ムーンライト」。
2016年の作品。
製作総指揮ブラッド・ピット、監督バリー・ジェンキンス、出演トレヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホランド、ジャネール・モネイ、アシュトン・サンダース、ジャレル・ジェローム、ナオミ・ハリス、マハーシャラ・アリほか。
アメリカ・マイアミの貧困地域で暮らすリトル(ちび)とあだ名された恥ずかしがり屋で引っ込み思案の少年シャロン。いじめっ子から隠れているところをキューバ人の麻薬の売人ファンに見つけられる。やがてファンはシャロンにとって父親のような存在になり、また、唯一親切にしてくれた同級生の男の子とも絆を深めていく。
母親は麻薬漬けで、孤独を抱えながらも自分の居場所とアイデンティティを模索する少年の成長を、少年期、ティーンエイジャー期、成人期の3つの時代構成で描いていく。
ファンが、月明かりの海辺でシャロンに語った言葉がこの映画の主題といえるだろう。
「月明かりの下で、お前はブルーに輝く」
どんなに貧しかろうと、どんなに虐げられようと、どんな人種であろうと、どんな人の愛し方をしようと、人はみな月明かりに照らされて個性豊かに輝いている。
映像が凝りに凝っていて美しく、音楽がまた繊細で美しい。
ほとんど黒人かヒスパニック系ばかりが登場していて、白人の姿をほとんど見ない映画だった。考えてみれば、1960年代にはアメリカの人口に占める白人の割合は90%近かったが、2010年にはヒスパニックをのぞいた白人の割合は60%程度にまで下がっていて、2060年には5割を下回ると予測されている。人種の多様化が進むアメリカでは黒人だけの映画があって当然なのだろう。
第89回アカデミー賞で、作品賞、脚色賞、助演男優賞の3部門を受賞。このとき作品賞を争ったのは「ラ・ラ・ランド」だった。
ついでにその前に観た映画。
民放のBSで放送していたアメリカ・カナダ合作映画「スキャンダル」。
2019年の作品。
原題「BOMBSHELL」
監督ジェイ・ローチ、出演シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、ジョン・リスゴーほか。
原題の「BOMBSHELL」は直訳すれば「爆弾」。それが転じて「爆弾ニュース」「非常に衝撃的なニュース」、さらには「悩殺美女(セックスシンボル)」の意味もあるんだとか。
2016年にアメリカで実際に起こった女性キャスターへのセクハラ事件を映画化。
アメリカのニュース放送局で視聴率ナンバーワンを誇るFOXニュースの元・人気キャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が、CEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)から過去にセクハラを受けたと提訴した。メディアが騒然とする中、FOXニュースの看板番組を担当するキャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)は、自身がその地位に上り詰めるまでの過去を思い返して心中穏やかではなくなっていた。そんな中、メインキャスターの座を虎視眈々と狙う若手のケイラ(マーゴット・ロビー)はロジャーに呼ばれ、出世のチャンスがめぐってくるが・・・。
この映画、アカデミー賞のメイクアップ&スタイリング賞を受賞した。作品賞とか主演女優賞とかでなく、なぜこの賞なのか? ニュースキャスターの厚化粧が評価されたのか?と思ったらまるで違っていた。
映画ではFOXニュースのCEOも渦中のキャスターもいずれも実名で登場している。それならより本物そっくりにしようと俳優たちは特殊メイクを施して撮影にのぞんだという。
特殊メイクのアーティストといえば、日本出身のカズ・ヒロ(辻一弘)だ。
彼は、もともと特殊メイクの分野でハリウッドで活躍していたが、途中から映画界を離れ、現代美術の分野に転向していた。ところが、2017年公開のチャーチルの伝記映画製作のとき、主演をオファーされたゲイリー・オールドマンが「カズ・ヒロが特殊メイクをやってくれないならこの作品には出ない」といったもんだから、説得されて映画界に復帰。この映画でアカデミー賞のメイクアップ&スタイリング賞を受賞していた。
映画「スキャンダル」のときも、主演のシャーリーズ・セロンからの強い希望でカズ・ヒロが特殊メイクを担当。2度目のアカデミー賞のメイクアップ&スタイリング賞受賞となったという。