善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

#日本史

かこさとし展→足利学校→桐生・重伝建

2018年に92歳で亡くなった絵本作家のかこさとしの作品を集めた「かこさとしの世界展」が翌年の19年から全国を巡回中で、広島に始まって京都、東京、岩手、愛知、岡山で開催され、東京は見逃してしまって、今年10月から群馬県館林市の県立館林美術館で12月25…

清少納言と紫式部 確執の裏に「フグ中毒事件」と「嫉妬の炎」?

池内了「清少納言がみていた宇宙と、わたしたちのみている宇宙は同じなのか?――新しい博物学への招待」(青土社)を読む。 池内了(いけうち・さとる)は名古屋大学名誉教授で天文学者・宇宙物理学者。 これまでも「司馬江漢――江戸の『ダ・ヴィンチ』の型破…

好奇心が育む天文学 「江戸の宇宙論」

池内了(さとる)「江戸の宇宙論」(集英社新書)を読む。 池内了は日本の天文学者、宇宙物理学者。 今や日本の天文学はノーベル物理学賞を得るまでになっているが、そのルーツは江戸時代に在野で活躍した「天才たち」の功績にまでさかのぼる、と本書ではい…

東博 空也上人と六波羅蜜寺展

ポカポカ陽気の3日の午前中。東京・上野の東京国立博物館(東博)へ。 今年(2022年)トーハクは創立150年を迎える。10月にはメモリアルイヤーを記念した事業の1つとして「所蔵する国宝を全部見せます展」を開催するらしい(ただし、どうせ前期・後期に分け…

虫たちの日本中世史 『梁塵秘抄』からの風景

植木朝子「虫たちの日本中世史 『梁塵秘抄』からの風景」(ミネルヴァ書房)を読む。 平安時代末期に編まれた歌謡集「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」を手がかりに、中世の人々と虫の関わりを紹介しながら虫の世界からのぞいた中世の風景を描いている。 毎…

「椿井文書―日本最大級の偽文書」が問うもの

馬部(ばべ)隆弘著「椿井文書(つばいもんじょ)―日本最大級の偽文書(ぎもんじょ)」(中公新書)を読む。 著者は気鋭の日本中世史・近世史の研究家で現在大阪大谷大学文学部准教授。 本書の扉にこう書かれてある。 「中世の地図、失われた大伽藍や城の絵図…

江戸時代の旅人はどう歩き、走ったか?

谷釜尋徳「歩く江戸の旅人たち スポーツ史から見た『お伊勢参り』」(晃洋書房)を読む。 江戸時代、庶民が娯楽目的で長距離旅行をすることが流行るようになった。 当時の旅行はほぼすべてが徒歩によるものだ。しかも、好き勝手に旅行することは許されないか…

「紐付ける」の本当の意味は?

最近、テレビのニュースで続けざまに「紐(ひも)付ける」という言葉を聞いた。 あるお菓子メーカーの広報担当者が「ニーズと当社の技術を紐付けて・・・」みたいなことをインタビューで答えていて、別の番組では女性キャスターが新型コロナウイルスの問題で…

「荻外荘」内部の一般公開

東京・杉並区内の名所旧跡を歩いて訪ねる「杉並・お散歩の会」に2度目の参加。今回は、近衛文麿の旧宅である「荻外荘(てきがいそう)」見学ツアーが中心。 近衞文麿は藤原氏の流れをくむ五摂家の1つ、近衛家の30代目当主。天皇家とも遠い親戚関係にあるが…

沖浦和光 宣教師ザビエルと被差別民

沖浦和光『宣教師ザビエルと被差別民』(筑摩選書)を読む。 今年読んだ本の中でいまのところ一番おもしろかった本。 日本およびアジアの被差別民について調査・研究を行ってきた社会学者・民俗学者の沖浦和光の遺稿。 日本に初めてキリスト教を伝えたとされ…

電気は誰のものか 電気の事件史

田中聡『電気は誰のものか 電気の事件史』(晶文社)を読む。 おそらく筆者は本書をまとめながら、2011年の東京電力福島第一原発の事故のことが終始頭から離れなかったのだろう。 「電気は誰のものか?」と問いかけながら、明治から戦前までに起こった「電気…