チリの赤ワイン「サンタ・ディグナ・メルロ・グラン・レゼルヴァ(SANTA DIGNA MERLOT GRAN RESERVA)2019」
(写真はこのあと厚切りのトンカツ)
スペインのバルセロナの近郊、ペネデス地方でワインを造り続けて140年以上というトーレスが、チリで手がけるワイナリー、ミゲル・トーレス・チリの赤ワイン。
アンデス山脈と太平洋にはさまれたセントラル・ヴァレーの盆地にあるブドウ畑で栽培されたメルロ100%。
まろやかで口当たりのよいワイン。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたイラン映画「トラベラー」。
1974年の作品。
監督・脚本アッバス・キアロスタミ、出演ハッサン・ダラビ、マスード・ザンベグレー、ほか。
このところ立て続けにアッバス・キアロスタミの作品をテレビで放送していて、きのう観たのは4作目。同監督の長編デビュー作という。
小学校に通う10歳の少年ガッセム(ハッサン・ダラビ)はサッカーに夢中で、宿題も授業もさぼりがちとなり先生や母親に叱られてばかりいた。首都テヘランで開催される大きな試合をどうしても観に行きたい彼は、試合を見に行く金を集めはじめる。
親から家の金を盗み、親友のアクバル(マスード・ザンベグレー)をむりやり連れだして授業をさぼり、文房具を売ろうとするがうまくいかず、親友の家からカメラを持ち出すがこれもいい値にはならない。
そこで一計を案じて学校帰りの子どもたちに、写真を撮ってやるからと騙して金を巻き上げる。さらに自分のチームのサッカーゴールとボールをチームには無断でライバル・チームに売り、何とか往復のバス代とチケット代を集め、夜中に家を抜け出してテヘラン行きの夜行バスに乗る。
だが、スタジアムに着くと切符はもう売り切れ、そこで彼は有り金をはたいてダフ屋から切符を買う。試合開始まで3時間あるというので、芝生で昼寝をする人たちに混じって横になる。そのまま寝入ってしまったガッセムは、学校の先生やお金をだまし取った相手から詰め寄られる夢を見て目を覚ますが、すでにスタジアムに人影はなく、試合は終わっていた。
帰りのバス代まで使ってしまって、10歳の少年はどうやって家に帰るのだろう?たくましくもあるが不道徳な少年のお仕置きの映画なのか?とも思ったが、題名が「トラベラー」とあるのに気づいてナルホドと思った。
少年は、その年にして早くも人生という長い旅に出たトラベラーだったのだ。
ついでにその前に観た映画。
民放のBSで放送していたアメリカ映画「ブラック・クランズマン」。
2018年の作品。
監督スパイク・リー、出演ジョン・デヴィッド・ワシントン、アダム・ドライバー、トファー・グレイスほか。
黒人刑事が白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」に潜入捜査した実話をつづったノンフィクション小説を映画化。
1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)。署内の白人刑事たちから冷遇されながらも捜査に燃えるロンは、新聞広告に掲載されていたKKKのメンバー募集に勢いで電話をかけ、黒人差別発言を繰り返して入団の面接にまで漕ぎつけてしまう。
しかし、黒人であるロンはKKKとじかに対面できないため、同僚の白人刑事フリップ(アダム・ドライバー)に協力してもらうことに。
電話はロン、対面はフリップが担当して2人で1人の人物を演じながら、KKKの潜入捜査を進めていくが・・・。
第71回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。第91回アカデミー賞では作品、監督など6部門にノミネートされ、脚色賞を受賞。
KKKと、ニクソンからトランプに至る保守政治家たちの本質を暴くスゴイ映画。アメリカでは、偏見と差別を当然とする白人至上主義の極右思想が今も大手を振っている、つまり100年前のアメリカとまるで変わってないことを教えてくれる。
民放のBSで放送していた韓国映画「死体が消えた夜」
2018年の作品。
夫が殺したはずの妻の死体が忽然と消えた謎をめぐって繰り広げられる恐怖の一夜を描いたミステリー。
大学教授のジンハンは、財閥の2世で大手製薬会社の会長を務める年上の妻から所有物のように扱われることに不満を抱き、教え子の女子学生と不倫に走っていた。しかし、その女子大生が妊娠したことで妻と別れることを決断。そのためには妻を殺すしかないと考えたジンハンは、証拠の残らない新薬を使い、妻を病死と見せかけて殺害することに成功するが・・・。