イタリア・トスカーナの赤ワイン「サンタ・クリスティーナ・ロッソ(SANTA CRISTINA ROSSO)2018」
写真はこのあとメインの肉料理。
14世紀のころからワイン造りをしているというアンティノリのワイン。
「サンタ・クリスティーナ」は1946年のリリース以来、「イタリア人の中でその名を知らぬものはいない」といわれるほど著名なワインだとか。
サンジョヴェーゼ、メルロ、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨンをブレンド。
ワインの友で観たのはNHKBSで放送していたアメリカ映画「汚名」。
1946年の作品。
原題「NOTORIOUS」。
監督アルフレッド・ヒッチコック、出演イングリッド・バーグマン、ケーリー・グラント、クロード・レインズほか。
ナチスのスパイとして国家反逆罪で裁かれた父を持つアリシア(イングリッド・バーグマン)は、南米に逃れたナチスを追うFBI捜査官デブリン(ケーリー・グラント)と知り合う。デブリンは、父とは逆にアメリカに対して強い愛国心を持つアリシアをスカウト。ナチスの大物が潜伏するブラジル・リオでともに生活を始めると、次第に惹かれ合うようになる。しかしその愛は、国家から下された任務によって引き裂かれていく。
アリシアはナチスの組織内に潜入することになり、以前からアリシアに好意を抱いていたナチスのメンバーで大金持ちの男と結婚させられるのだが、その男がまたマザコンで・・・。
ヒッチコックならではのハラハラドキドキの緊迫したサスペンスと、バーグマン・ハドソンの恋愛ロマンチック物語、それにマザコン話なんかも絡んで結構サービス精神旺盛の映画。
とにかくヒッチコックのカメラワークが凝りに凝っていて、それを見るためだけにもう1回見たいほどだった。
しかし、この映画にはもうひとつのテーマがあり、それはナチス残党による原爆づくりの陰謀だった。
この映画は1946年9月の公開だから、映画が製作されたのは第2次世界大戦が終わった直後で、広島・長崎に原爆が投下されたあとだっただろう。
ナチスの残党は再び自分たちの世界を取り戻そうとウラニウム鉱石を原料に原爆造りを始めようとしていたのであり、それを阻止しようとする物語でもあった。
ついでに、その前日に観たのが民放で放送していた韓国映画「JSA」。
2000年公開の作品。
監督パク・チャヌク、出演イ・ビョンホン、イ・ヨンエ、ソン・ガンホ、シン・ハギュンほか。
JSAとは、朝鮮戦争によって朝鮮半島を南北に分けた境界線に位置する共同警備区域(Joint Security Area)の略。
1999年10月の未明、JSAの北朝鮮側詰所で北朝鮮軍の将校と兵士が韓国軍兵士によって射殺される事件が発生。捜査を進める監視委員会のスイス軍法務将校ソフィは、生き残った両国の兵士から事情聴取を進めるうち、南と北で証言がまったく相反していることに悩む。そして、事件の核心に迫るにつれ、両国の兵士の間に信じがたい事実があったことを知るが・・・。
北と南が対峙する休戦ラインのちょうどその上で、韓国軍兵士と北朝鮮軍兵士が密かに育んだ友情の物語。
韓国軍兵士をイ・ビョンホン、北朝鮮軍兵士をソン・ガンホ、スイス軍法務将校ソフィをイ・ヨンエが演じる。
ミステリー仕立てだからか、話がややこしくてよくわからないところもあるが、たとえ南北に分かれ、まだ戦争が終わっていない敵と味方の関係であっても、同じ朝鮮民族であるからこそ心の奥底ではつながっている。
物語は悲劇で終わるが、事件の前の南北の兵士4人の何げない日常を映したラストのストップモーションが、ほほえましくも泣ける。