善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

そしてミランダを殺す

最近読んだミステリーの中でおもしろかったのが「そしてミランダを殺す」(創元推理文庫)。
ピーター・スワンソン作、務台夏子訳。

実業家のテッドは空港のバーで見知らぬ美女リリーに出会う。
彼は酔った勢いで妻ミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。
リリーはミランダは殺されて当然だと断言し協力を申し出る。
だが、殺人計画が具体化され決行日が近づいたとき、予想外の事件が……。

男女4人のモノローグで殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防が描かれるが、脇役のボストン市警の刑事、ヘンリー・キンボールになぜかシンパシーを抱く。
なかなか優秀な捜査官で犯行の真相に迫っていくのだが、彼は詩人でもあった。
詩人ゆえの意外な展開に、今までのミステリーにはないおもしろさを感じた。