木曜日朝の善福寺公園は曇り、一時小雨。寒くはないが朝から気温がまるで上がらない。
公園のライラックが咲いていた。
札幌では初夏に咲くらしいが、東京では春に咲く花だ。
ツツジのグラデーション。
もうとっくに北に帰っちゃったかと思ったら、ツグミがツツツツッと地上を歩いていた。
ペアになっている鳥が多い中で、一人ぽっち?のオオバン。
ヒメリンゴが咲き出した。
池の畔のイチョウの葉がだいぶ青々としてきた。
長い枝から小刻みに短い枝が伸びて、おもしろい葉のつき方をしている。
イチョウの枝は、普通の長い枝から短い枝が交互に出ているのが特徴という。この短い枝に葉っぱを多くつける。
なぜこんな葉の生やし方をするかというと、太陽の光をなるたけ多く得るためのイチョウの“工夫”という。
頭のいいイチョウさん。
長い枝が毎年伸びるのと同じように短枝も毎年少しづつ伸びていて、近くでよーく見ると枝にうっすらと横に線が入るので、年数がわかるんだとか。
ダーウィンはイチョウを「生きた化石」と呼んだ。地球上で植物が繁茂したのは約1億5000万年前のジュラ紀のころで、そのころ繁茂した植物で現存しているのはイチョウくらいといわれる。
そのほかの植物はみんな化石となってしまっていて、それでイチョウは「生きた化石」というわけだが、太陽の恵みを味方につける知恵があったからこそ、長い年月を生き抜くこともできたのかもしれない。
人間もその知恵から学ぶべきだろう。
ヤブニンジンの花。
茎の先からさらに細い茎が放射状に伸びて、まるで線香花火みたいに見える。
枝から泡のようなものが垂れ下がっている。
アワフキムシの幼虫の巣だろうか。
卵からかえったアワフキムシの幼虫は、おなかから体液を出し、気門からは空気を送り込んで泡をつくり、泡を膨らませてその中にひそんで植物の汁を吸って成長するという。
泡は、いわば天然素材の界面活性剤であり、天敵の襲来を防いでいるという。
枝にロウのような綿状の白い覆いで身を守るアオバハゴロモの幼虫に似ている。
マユミの葉っぱにたくさんの幼虫がいて、葉っぱをムシャムシャと食べていた。
マユミを食草とするヒトスジマダラエダシャクというシャクガの幼虫だろうか。
渡り鳥たちは次々と北へ帰っていって、これからは善福寺公園は虫の季節だ。