善福寺公園めぐり

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小三治のいない国立名人会

半蔵門国立演芸場の落語会「国立名人会」(10月25日)。

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毎年、秋と正月の「国立名人会」は柳家小三治がトリをとっていて、必ず行くことにしているので発売と同時にチケットを購入。

ところが、今月10日、小三治が亡くなったとのニュース。

7日に、心不全のため自宅で亡くなったという。81歳だった。

落語界でただ一人の人間国宝江戸落語の大看板。小三治ファンとしては残念で残念でしょうがない。もっと落語を聴きたかったという思いが強いが、亡くなる5日前まで高座にあがっていたというから、大往生だったといえるだろう。

志ん朝、談志に続く小三治の突然の訃報。あとに続く噺家がどれだけいるか。そう思うと心許ない。

 

小三治が出る落語会は、ほとんどの人が小三治の噺を聴きたさに行く。主役がいなくなってどうするんだろうと思っていたら、代役は小三治の弟子の柳家三三だった。

 

この日の演目は、前座の古今亭菊一の「子ほめ」のあと、

落語「そば清」 入船亭扇好
落語「一分茶番」 三遊亭吉窓
落語「六尺棒」 桂文楽
  -仲入り-  
紙切り 林家正楽
落語「転宅」 柳家三三

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紙切りの正楽が、いつものように「お客さまからリクエストを」といったら、即座に「小三治師匠!」の声がかかった。それを受けて正楽が紙を切り始めると、裏にいた三味線のお師匠さんは即座に小三治の出囃子を弾き始めた。

ああもうこの曲も聞けなくなるんだなと思ってジンとなった。

 

三三の落語は聴くたびにうまさが増しているから、期待大。

師匠の教えもよかったのだろうが、落語は稽古すれば必ずうまくなるというものでもない。やはり芸事というのは素質が大事で、三三にはそれがある。

5年後、10年後が楽しみだが・・・。