イタリア・シチリアの赤ワイン「パルヴァ・レス・ネロ・ダーヴォラ(PARVA RES NERO D’AVOLA)2018」
写真はこのあとメイン料理が登場。
シチリア原産のネロ・ダーヴォラを100%使用。
ネロ・ダーヴォラとはイタリア語で「アヴォッラの黒」を意味し、島の南東部の小さな村アヴォッラの地名に由来する。もともと数100年前からこの村で栽培されていた土着品種だが、徐々に島全体に広がり、他の地域でも栽培されるようになったという。
ほどよいタンニンで飲みやすい。
ワインの友で観たのは、ワインに合わせたわけではないがイタリア映画「道」。去年12月にNHKBSで放送したのを録画しておいた。
1954年の作品。
原題も「la Strada」
監督フェデリコ・フェリーニ、音楽ニーノ・ロータ、出演アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナほか。
何10年ぶりかで見て、あらためてこの映画は純愛物語だと思う。
あるいは監督のフェリーニも含めて、昔の人はかくも純真だったのか。
胸筋の強さを売りにする大道芸人で、粗野で暴力的な男ザンパノ(アンソニー・クイン)と、人減らしのためザンパノに買われた、純真無垢といっていいような道化見習いのジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)の物語。
最後のシーン。
ジェルソミーナと別れた、というより彼女を捨てて去ったザンパノは、数年たって海辺の町に立ち寄り、懐かしいメロディーを耳にする。
それは、かつてジェルソミーナがよくラッパで吹いていた曲だった。
町の人にたずねると、このあたりを放浪していた娘がいて、いつもこの曲をラッパで吹いていたが、やがて寂しく死んでしまったという。
この話を聞いたザンパノは、心が激しく揺れるのを感じる。その夜、海岸にやってきたザンパノは砂浜に突っ伏して嗚咽するのだった。
1948年の「自転車泥棒」(ヴィットリオ・デ・シーカ監督)は、どん底の貧しさから立ち上がろうとする父子の物語だったが、その6年後にフェリーニが作った「道」は、貧しさゆえの粗暴な男が、その中にこそある本当の愛を知る物語である。