善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」他

シャンパン、正しくはスパークリングワイン「ブリュット・テアトロ・アッラ・スカラ・エディション「BRUT TEATRO ALLA SCALA EDITION 2015」f:id:macchi105:20210518152254j:plain

わが家で慶事があり、そのお祝いで飲む。

イタリア北部、ロンバルディア州東部のフランチャコルタ地域内でつくられるスパークリングワインをフランチャコルタと呼ぶそうだが、その中でもトップクラスの品質を誇る生産者、ベラヴィスタのスパークリングワイン。

ラヴィスタは2016年からミラノの歌劇場スカラ座とのパートナーシップを強化していて、スカラ座で上演される様々なプログラムの企画などにも積極的に携わっているという。

そこでリリースされたのがスカラ座に捧げるスペシャルエディションとしての限定パッケージのスパークリングワイン。

ボックスに入っていて、ボックスにはスカラ座ファサードが描かれている。f:id:macchi105:20210518152338j:plain

窓から顔を除かせている人物は、プッチーニの「トゥーランドット」とヴェルディの「エルナーニ」のために描かれた舞台芸術家のスケッチだとか。f:id:macchi105:20210518152403j:plain

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ブドウ品種はシャルドネ76%、ピノ・ネロ24%。

グラスに注ぐと、細かく美しい泡が優雅に立ち上がり、口に含むとみずみずしい果実味とともにコクと深みのある味わい。

 

スパークリングワインの友で見たのは香港・フランス合作の映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」。

2007年の作品。

監督ウォン・カーウァイ、出演ノラ・ジョーンズジュード・ロウナタリー・ポートマンレイチェル・ワイズデヴィッド・ストラザーンほか。

 

ニューヨークの夜。失恋したエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、元彼の家の向かいにあるカフェに出入りするようになる。毎晩ブルーベリー・パイを残しておいてくれるカフェのオーナー、ジェレミージュード・ロウ)と交わす会話に心が慰められるエリザベスだったが、2人の距離が縮まったかに見えたある日、失恋相手が新しい恋人といるところを見てしまい、突然ニューヨークから遠い旅へ出る。

メンフィスでは、別れた妻(レイチェル・ワイズ)への愛を断ち切れず、アルコール依存症になった男(デヴィッド・ストラザーン)と出会い、ラスベガスでは、人を信じないことを信念とする若くて美しいギャンブラー(ナタリー・ポートマン)と出会う。

出会ったのはいずれも、孤独を抱えながらも愛を求める男と女だった。

エリザベスは人それぞれの愛を知り、ふたたびニューヨークへ・・・。

 

ウォン・カーウァイは香港出身の監督。脚本には、マット・スカダーシリーズのミステリー作家、ローレンス・ブロックも加わっている。

夜の街を走る電車とか、都会の何気ない風景が描かれるが、美しい映像。ときおりスローモーションが挟まり、長回しのシーンもあり、なかなか凝ったつくり。

随所に人生訓みたいなセリフがあり、フムフムとうなずく(このあたりは今年83歳になるローレンス・ブロックの年の功か)。

単に甘ったるいラブストリーに終わらないところがいい。。

 

ついでにその前に見た映画。

民放のBSで放送していたイタリア・フランス合作の映画「魂のジュリエッタ」。

1965年の作品。

原題「JULIETTE DES ESPRITS」

監督フェデリコ・フェリーニ、出演ジュリエッタ・マシーナ、サンドラ・ミーロ、マリオ・ピス、ヴァレンティーナ・コルテーゼほか。

 

結婚15周年記念日を忘れて帰宅した夫が寝言で女の名をつぶやくのを聞いたジュリエッタは、夫が浮気していると疑念を抱く。

ひとり物思いにふけるうち、ジュリエッタは現実や霊の幻想がひとつになった世界に入り込み、夢と現実の間を行き来するが・・・。

 

「道」や「甘い生活」などモノクロの世界に人間描写を追求してきたフェリーニ監督の初のカラー作品。

現代アートの抽象画のような映画だった。

万華鏡のように華麗なカラーの世界。主人公のジュリエッタは、「道」で愛くるしい役(女大道芸人のジェルソミーナ)を演じ、フェリーニの妻でもあるジュリエッタ・マシーナ

「道」から11年がたっているが、愛くるしいかわいさは変わらない。

 

ところで、まるで話は違うが、映画の中でパーティーだったかの席上、グラスを持ち上げて乾杯するとき「チンチン」といっていた。

イタリアだけでなくフランスも含め、乾杯のときにかける言葉が「チンチン」で、グラスとグラスがあたる音を意味しているという。

しかし、この「チンチン」には別の語源説もあり、中国語の「qing(チン)」からきているとの説もあるらしい。

中国語の「qing(チン)」には「どうぞ」という意味があり、「どうぞ何々してください」というときに使う接頭語の「qing(チン)」が、フランス、イタリアではグラスがあたる音と一緒だというので「乾杯」の意味になったというのだが、ホントかどうか・・・?