善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤」ほか

スパークリングワイン「フランチャコルタ・ベラヴィスタ・ブリュット(FRANCIACORTA BELLAVISTA BRUT)2016」

シャンパーニュにひけをとらない品質と人気を誇り、イタリア北部ロンバルディア州で造られるスパークリングワイン、フランチャコルタ。そのフランチャコルタの中でもトップクラスの品質を誇る生産者がベラヴィスタ。

スパークリングワインといえばシャンパンだが、フランスのシャンパーニュ地方で造られるゆえにシャンパン。フランチャコルタもシャンパンも同じスパークリングワインであり、知名度が違うだけで、おいしければどっちだっていい。

ボックスに入っていて、ボックスには地元ミラノ・スカラ座ファサードが描かれている。

ブドウ品種はシャルドネ75%、ピノ・ネロ25%。

きめ細かい泡立ち。口に含むとフレッシュな甘さが広がり、ほどよい酸味が食欲をそそる。

 

本日の料理は、近くの「うみ匠」という魚屋より購入した、大ぶりの殻付き岩ガキ、やはり殻付きのウニ、天然シマアジを1本買ってきてその半身の刺身、その他。

 

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ・イギリス合作の映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤

2007年の作品。

原題「THE GOLDEN COMPASS

監督クリス・ワイツ、出演ダコタ・ブルー・リチャーズ、ニコール・キッドマンフレディ・ハイモアイアン・マッケランダニエル・クレイグほか。

 

1995年から2000年にかけて出版されたイギリスの児童文学作家、フィリップ・プルマンの小説「ライラの冒険」三部作の映画化第1弾。

 

舞台は現実の世界と似て異なるパラレルワールドの英国オックスフォード。動物の姿をした守護精霊“ダイモン”と人間が生命を共有して暮しているが、子どもたちがナゾの組織に次々と連れ去られる事件が発生。親友を連れ去られた少女ライラ(ダコタ・ブルー・リチャーズ)は、あらゆる物事の真実を示す“黄金の羅針盤”を手に、子どもたちを救うため北の大地へ旅立つ・・・。

 

ライラ役のダコタ・ブルー・リチャーズはオーデションで約1万5000人の中から選ばれ、本作で映画デビュー。

イギリスの名優イアン・マッケランも出演しているが、声の出演なのに日本語吹き替えなので名前だけ。

 

映画が始まって「ハリーポーター」の二番煎じかと思ったら、それよりおもしろくなって、だんだん「ロード・オブ・ザ・リング」みたいな冒険ファンタジーになっていった。それもそのはず、配給元は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのニューライン・シネマだ。

 

CG/VFXが満載の映画。

大雪原をバックにしたシーンとか戦闘シーンなんかは、スタジオ内で収録されたのをクロマキー合成によって野外の背景と合成されてできているそうだが、迫力満点。

こうなるともう、どれが実写でどれがCGかわからなくなるほど。

ライラのダイモン(守護精霊)は変幻自在でいろんな姿で登場していて、中にはオコジョみたいなのもいたし、ライラのたった1人の身内の叔父で冒険家のアスリエル卿(ダニエル・クレイグ)のダイモンはユキヒョウ。あやしい人物コールター夫人(ニコール・キッドマン)のダイモンは金色に輝くゴールデンモンキー。

中には巨大な白クマもいて、人間と動物が入り交じって動き回るからCGをつくるのも大変だったろう。

映画が終わってエンディングのタイトルバックでは延々とCG/VFXの製作関係者の名前が連なっていた。

その努力のかいあってか、2007年のアカデミー視覚効果賞を受賞。

 

エンディングで流れていた主題歌の「ライラ」がすばらしかった。

歌っていたのは作詩・作曲ともにイギリスのシンガーソングライター、ケイト・ブッシュ

のびやかな声だった。

 

ちなみに、映画は続編ありの形で終わったが、どういうわけか無期延期となっているらしい。

報道によれば、カトリック系の宗教団体である北米カトリック連盟が、この映画は子どもたちに無神論を勧めているとして、「劇場へ行かないよう」「プルマンの原作を読まないように」とボイコット運動を呼びかけたことから、アメリカでは思ったほど興業成績が伸びなかったのが原因といわれているが・・・。

 

ついでにその前に観た映画。

民放のBSで放送していたアメリカ映画「ジュリー&ジュリア」。

2009年の映画。

監督ノーラ・エフロン、出演メリル・ストリープエイミー・アダムススタンリー・トゥッチクリス・メッシーナほか。

 

実在の料理研究家ジュリア・チャイルドと、これも実在のジュリアに憧れる現代のOLジュリー。50年の時を隔てた2人の女性を描いた人間ドラマ、であるとともに夫婦愛を描いた映画。

1949年、パリでフランス料理の虜となったアメリカ人女性ジュリア(メリル・ストリープ)。名門ル・コルドン・ブルーで料理を学ぶと、家庭で誰でも作れる524のレシピを本にまとめて出版する。本はベストセラーとなり、彼女はテレビの料理番組に出演するなど一躍人気者となる。

それから50年後のニューヨーク。小説家になる夢に破れた29歳のOLジュリー(エイミー・アダムス)は、人生を変えるため、幼いころから憧れていたジュリアの524のレシピにもとづく料理を365日かけてつくり、それを毎日ブログで綴ることを思いつく・・・。

 

実在のジュリアは身長185cmで、かん高い声、本番中に失敗しても気にしないおおらかなキャラクターであり、フランス語で「bon appétit(召し上がれ)」の決まり文句で国民的人気を博していたというが、さすが役になりきるのが信条のメリル・ストリープ。身長170㎝に満たないのに、いかにも180㎝を超える女性に見え、おおらかな人柄を好演していた。

おそらく脇役は身長の低い人を選んだのだろうが、それにしてもデカく見えた。

 

この映画はジュリー&ジュリアの2組の夫婦愛の物語でもあった。

ジュリアの夫は外交官。当時、アメリカでは、マッカーシー赤狩りにより多くの善良な人々が根拠のない告発によって共産主義者のレッテルを張られて政府機関を追われたり、映画界でも多くの映画人が追放の憂き目にあった。ジュリアの夫もまた尋問にかけられたり、左遷されたりしたが、家に帰った彼は妻に常にやさしく接し、彼女の料理本の出版を応援していた。

一方のジュリーの夫も、ケンカすることはあっても、やっぱり妻を応援していて、いつも「おいしい、おいしい」といって食べ、友人たちを呼んは楽しく飲みながら、彼女の料理のファンでもあった。

おいしい料理は夫婦をつなぐ絆ともなるのだろうか。

 

ただし、見ていて気になったのは、ちょっとバターを使いすぎるんじゃないかというところ。フランス料理ってあんなにバターを使うんだったっけ?

フライパンにバターがブロックでゴロゴロと一度に何個も投入されるシーンを見て、そんなにバターを入れてどーするの?と思ってしまった。