善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

新聞販売店の青年

本ブログの筆者は某全国紙、早い話が朝日新聞を講読している。ずっと昔から朝日を読んでいて、それが習慣となって、引っ越すときも自分から販売店に電話して配達してもらっている。

ほかの新聞はどうだか知らないが、朝日は毎月、プロ野球の試合とか展覧会、遊園地のチケットなんかを抽選でプレゼントする読者サービスを行っている。たぶんどこの新聞もやってることだろう。(昔は読者向けの月刊の小雑誌もあったが、経費削減のためだろう、今はない)

チケットプレゼントの申込書はFAXで送るのだが、第1希望、第2希望と書いて、最後に「何か販売店へのご意見は?」という欄がある。何か書けばそれだけ当選の確率も高くなるかもと、いつも家人がいろいろと書いているみたいだが、「たまにはあなた書きなさいよ」といわれた。

そこで私はこう書いた。
「毎月の集金のとき、担当者の方から領収書と一緒に古紙を入れる紙袋を2枚とか3枚とかいただく。読者サービスということなのだろうが、そればっかりだといつの間にかたまってしまって、かえってその袋の処理に困るほどとなる。たまにはほかのものをいただけませんか?」

すると何日かして、玄関をピンポンする音で出てみると、販売店の若い方が頭を下げてこういう。
「先日、ご意見をいただいたことにつきまして、解決策を1つ考えました」
「はあ、どういうことでしょう」
「お宅さまとは講読契約書は取り交わしてなくて、口頭でのご契約になってますよね」
「その通りです(だから毎月毎月取ることになっていて、いつでもやめるのは自由だ)」
「定期講読という形にしていただくと、そのたびごとにサービスができるのですが・・・」

なるほど、半年とか1年とかの契約書を取り交わせば、一定期間の講読が約束され、それに対するお礼として景品というかサービス品が用意できるシステムになっているのだろう。

それほど景品がほしいわけじゃないし、ホントは気に入らなくなったらいつでもやめられるほうがいいんだが、と思いつつも、まあ、こっちがいいだしたことだし、ほかの新聞に切り換えるつもりもない。読者の意見に真剣になって向き合おうとしてくれた若い担当者の熱意が気に入った。一定期間の講読契約が取れれば、彼の営業成績にもプラスとなるのだろう。

署名捺印して、半年間の契約が成立すると、300g入りの洗剤の箱が5箱差し出された。次の契約のときも何かしらの景品がつくのだろう。

わずか1読者といえども、何とかつなぎとめようと必死になっている販売店の青年。
おおもとの朝日新聞よ、しっかりといい記事を書いてくれよ、といいたくなった。