金曜日朝の善福寺公園は晴れ。朝から気温が高い。
黄色い花にモンシロチョウがとまっていた。
下池にまわると、カワセミが池をぐるりとまわってきいて目の前でとまった。
メスのヤエちゃんだろうか。
どうやらこの場所がお気に入りみたいで、よくここにとまる。
しかし、けさはすぐに飛び立って、今度は枝に。
さらにぐるっと池をまわっていって、追いかけるとまた枝に。
やがて遠くに行ってしまった。
オスのマルちゃんはどうしたかな?と探すと、何と、枝に隠れて見にくいが、小魚を給餌くわえしている。
キョロキョロしてるから、メスにあげようと探しているのか?
毎日善福寺池のカワセミを観察しているカワセミウオッチャーによると、ひょっとしたらヤエちゃんとマルちゃんは子づくりにチャレンジしたものの、一番子は失敗したかもしれないという。
卵は産んだもののヘビにでも食べられちゃったのか、それとも・・・?
それで、仕切り直しで二番子に挑戦しているのかもしれない。
ゴイサギとカメのツーショット。
ウツギ(卯の花)の白い花のまわりを何匹ものハチが飛んでいて、花にとまっては蜜を吸っている。
真っ黒い体で、おなかのあたりがやけに黄色くなっている。
ミツバチなどのハナバチは、蜜を吸うとともに後ろ脚についてる花粉カゴに花粉団子を引っかけて巣に運んでいくが、それにしてもけさのハチは花粉の量がハンパなく多い。まるでおなか全体が黄色く見えている。
どうやらウツギの蜜と花粉だけで生きているウツギヒメハナバチのようだ。
蜜と花粉が好きといっても花粉を集めるのはメスだけ。この点はミツバチも同じで、蜜や花粉を集める働き蜂はすべてメスだ。
ミツバチの場合、持ち帰った蜜と花粉は食料となり、いったん働き蜂の体の中に吸収され、それがまた吐き出されて高栄養の蜂蜜となって幼虫に与えられる。女王蜂に与えられるローヤルゼリーも原料は蜜と花粉だ。
しかし、ウツギヒメハナバチは違う。あれだけの大量の花粉をどうするかというと、地中に巣をつくるウツギヒメハナバチは、地表から10~30㎝ほどの深さの縦穴を掘り、さらに横に側坑を掘ってそこに花粉団子をつくり、1個だけ産卵。産み終わると側坑を埋めて、また別の側坑を掘って花粉団子をつくり産卵と、繰り返すのだという。
あれだけ大量の花粉団子はたくさん卵を産むために欠かせないものなのだ。
孵化した幼虫は花粉団子を食べて大きくなり、あとは静かに土中で暮らし、翌年、ウツギの花が咲くころになると成虫となって飛び回る。
何しろ、ウツギの蜜と花粉だけで生きるので、ウツギの花が咲いているときだけが成虫の活躍する期間なのだ。
「一年を十日で暮らすいい男」といわれた江戸時代の相撲取りじゃないが(江戸時代は相撲興行は10日しかなかった。しかし、実際には厳しい稽古もやってたはずだが)、1年を1カ月だけ働くウツギヒメハナバチ?
兵庫県朝来市にある楽音寺の境内はウツギヒメハナバチの大営巣地となっていて、一面、まるで月の表面のクレーターが広がっているような巣穴の数は、20万個とも。
寺の横のヒメハナ公園にはさまざまな種類のウツギが植えられていて、5~6月の花の時期にウツギヒメハナバチが乱舞する様子は「初夏を告げる風物詩」として有名だとか。
ウツギの花に別の虫もやってきていて、クロウリハムシのようだ。
再び上池に向かうと、大きめのテントウムシ?
どうやらテントウムシに擬態したイタドリハムシのようだ。
名前の通り主にイタドリを食草とするハムシ。黒地にオレンジ色の斑紋がよく目立ち、一見するとテントウムシのようにも見えるが、アブラムシなどを食べる肉食のテントウムシに擬態して「オレは怖いんだぞー」とおどかして身を守っているらしい。
公園近くのお寺(善福寺)でタイサンボク(泰山木)が咲いていた。
日本に渡来したのは明治時代初期で、新宿御苑に植えられたのが始まりという。
当初は漢字表記を「大山木」としていたが、花や葉の大きさを中国山東省の名山である「泰山(タイサン)」にたとえて「泰山木」となったといわれる。
また、名前の由来としては、花を大きな盞(さかずき)に見立てて「大盞木(たいさんぼく)」とする牧野富太郎博士の説が有力だとか。
なるほど、たしかに大きな盃に見えて、納得。