月曜日朝の善福寺公園は曇り。気温はそれほど低くないはずだが、北風が吹くと寒い。
公園内を歩いていると、いつも朝から公園内を巡回しているサービスセンターの職員さんから「フキノトウが顔を出してますよ!」と教えていただいた。
近づいて見ると、たしかにフキノトウだ!
そばにまだツボミのもあり、「うわっ、こっちにも」「あっ、こっちにも」と職員さんと一緒になって歓声を上げてしまう。
枯れた落ち葉の間からフキノトウが顔を出していると、なぜかうれしくなってしまう。
春を待ちわびているからだろうか。
出てきたばかりのツボミは目立たなくて、つい踏んづけてしまいそうで、与謝蕪村のこんな句がある。
莟(つぼみ)とはなれもしらずよ蕗のたう
まだ寒いさなか、いつの間にか土の中から顔を出し、なれ(おまえ)とは知らずにふくらむフキノトウ。
小さなフキノトウの生命力に、生きることへの強さ、たくましさを感じたのだろうか。
けさのカワセミは?と探すが、なかなか見つけられない。
上池に1羽だけいた。メスのようだ。
こちらは仲よしカイツブリ。
盛んに鳴き合っていたが、カップルだろうか?
近くではコゲラ。
次はどこ行こうかな?
別の木に移って、ここでもしきりに幹をつついていた。
小川のあたりでは、シロハラが土の中の虫を探しているのか。
川べりでエサを探しているのはキセキレイ。
川の中でフト立ち止まったところ。
何思うキセキレイ。
建物の壁にとまっていたのはウスバフユシャクだろうか。
冬に現われるシャクガ。オスのようで、翅は淡褐色で、小さな褐色紋がある。
公園の片隅にヒメリュウキンカ(姫立金花)が1輪だけ咲いていた。
キンポウゲ科の植物で、早春に咲いて春の訪れを知らせてくれる花。いつもテカテカの輝くような黄色が目立つ花だが、それにしても早い開花だ。
テカテカの輝くような黄色は、表面にあるクチクラ層が光を反射するためといわれている。
ヘー、花にもクチクラがあるのか。要するに、テカテカに輝くカブトムシなどの昆虫と同じ原理というわけか。
クチクラはラテン語で、表皮を構成する細胞が外側に分泌することで生じるワックスや脂肪酸などからなる膜のこと。水分の蒸発を防いだり、内部を紫外線や病原体、障害から保護をする役目を持っている。
外骨格の昆虫などはこのクチクラで体表を守っているし、人間の髪の毛にも存在していて、英語でキューティクルといっている。
照葉樹林の木に多い光沢のある葉っぱもクチクラで守られているのだし、リンゴの表面がツヤツヤしているのもクチクラのおかげだ。
ヒメリュウキンカは花びらをテカテカさせて早春の気候の厳しさから身を守っているのだろうか。