恵比寿にある「エコー劇場」でテアトル・エコーの「バグ・ポリス」を観る。
16日からの公演の最終日。
200人は入らないだろうと思われる小さな劇場だが、このくらいのこじんまりとした感じのほうが観るほうとしては楽しい。
楽日とあってか満席。客層は、いかにも演劇好きという感じのおじさん・おばさんが多い。若い人もチラホラ。
作=ポール・スレイド・スミス、翻訳=常田景子、演出=永井寛孝。
出演は池田祐幸、渡邊くらら、沖田愛、根本泰彦、加藤拓二、瀬田俊介、丸山裕子。
抱腹絶倒のコメディだった。
夏の暑いときに大笑いするって、いいなーと思った。
脚本はよくできているし、出演した役者も役にピッタリな感じ。
勘違いが勘違いを呼んで、その連鎖反応で物語が進んでいくのがコメディーの“定番コース”だが、本作はそれが実にうまくハマっている。
特にベッドの上の勘違いが秀逸。中でも2つのベッドの上での2組の男女のもつれ合いがサイコー。大人のコメディって感じ。
アメリカだったらグラマラスな女優がやるところだろうが、下着姿の沖田愛さんの熱演に感服。スコットランド出身だったかの殺し屋役のトーホグ弁も笑えたし、市長夫人役の丸山裕子さんがさすがの演技。パンフレットを見たら1966年入団とあったが、とすると芸歴50年以上。人間国宝みたいな存在感があった。
STORYは・・・。
とあるモーテルの隣り合わせの2部屋。市長の公金横領を突き止めるために、署長から直々に任命されたエリックとビリー巡査。疑惑の証拠を掴んだ会計士ブラウンのひと肌ぬぐサポートにより、一世一代のおとり捜査が今始まる!
しかし華麗なるミスの連続で、隠しカメラに収められたのは絡み合う男女の下着姿と叫び声。
次から次に襲いかかるアンビリーバボーな困難に巻き込まれ、一体この捜査はどこに不時着するのか!
2006年ミシガン州ボアーズヘッド劇場での初演以来、たたみかける笑いが大ヒット中の爆笑コメディを日本初演。
恋の欲望に燃え、正義の心を胸に抱き、ズボンを脱いで何を得る?!
常田景子さんが翻訳した芝居はシリアスなものしか見たことがなかったが、コメディもなかなかおもしろかった。
ちなみに本作は原題が「Unnecessary Farce」(意味は、警察が不必要な武力行使をするunnecessary forceとのひっかけで、直訳すれば「なくてもいい笑劇」だそうだ)。
2006年の初演以降、上演回数は250回を超えていてオーストラリア、シンガポール、スイス、アイルランド、カナダなどでも上演され、今回が本邦初演。
ほかの劇団がやっても楽しいだろうなー。