善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ジャージー・ボーイズ

日曜日の朝は早起きしてTジョイ大泉で上映中のクリント・イーストウッド監督『ジャージー・ボーイズ(Jersey Boys)』を観る。

台風接近で朝から雨、午前9時05分からの回だったのであまり客がいないかと思ったら、入口にけっこう行列ができている。しかし、並んでいた中高年の多くは同じころに始まる時代劇の『蜩ノ記』のほうに行って、『ジャージー・ボーイズ』へはそれ以下の年代の人々とくっきりと分かれていたのがおもしろかった。客席はけっこう空いてた。

1960年代に一世を風靡したバンド「フォー・シーズンズ」の栄光と挫折を描くブロードウェー・ミュージカルをもとにした映画。

映画館の宣伝文句によれば──。
希望のない町に生まれた彼らには音楽と夢があった。ニュージャージー州の貧しい地区に生まれ、成功から一番遠い場所にいた4人の若者が、自分たちの音楽だけでつかみ取った夢のような栄光の軌跡。そして、そのまばゆいばかりの栄光ゆえに、次々に彼らを襲う、裏切りと挫折、別離、そして家族との軋轢……。
キャスト:ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、ビンセント・ピアッツァ、クリストファー・ウォーケン

彼らのヒットナバー、1962年10月の「Sherry(シェリー)」に始まり、「Big girls don’t cry(恋はやせがまん)」「Walks like a man(恋のハリキリ・ボーイ)」などの曲が次々と歌われる。

イーストウッド監督の手慣れた演出。ヤクザとの関係など陰湿になりそうな話をカラッと描いている。
クリストファー・ウォーケン演じる地元ギャングのボスがリードボーカルのフランキーの歌にほろっと涙をこぼすシーンなど、見ているこっちもほろっとさせられた。

最後のほうの「(Can’t Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」が舞台の上で発表されるシーンがよかった。
最初のバラードのところは少編成のバンドをバックにしっとりと歌っていて、サビに入った途端、一瞬にして幕が消え、ブラスの大楽団が現れて最高潮に達する。
歌舞伎の「浅葱幕」が振り落とされる瞬間の演出とそっくりだった。

途中、同時代のテレビドラマ『ローハイド』の若きイーストウッド(ロディ役)の大写しがあり、いつも映画にヒチコック風の遊びがあるのがいい。
ところで、ロディの直前にテレビに写った女優さんはだれだろう?