善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

死んだ女の子 署名をどうぞして下さい

毎年86日がくるとこの歌を口ずさむ。
 
トルコの詩人、ナジム(ナーズム)・ヒクメット詩、木下航二作曲の「死んだ女の子」。
日本語の訳詞は飯塚広。
アメリカの広島への原爆投下によって亡くなった少女を題材にした詩をヒクメットは1956年に発表し、世界各国でこの詩に曲がつけられ、広まった。ピート・シーガージョーン・バエズも歌っているという。
日本では「原爆を許すまじ」の作曲者で当時、都立日比谷高校の教師だった木下航二作曲、飯塚書店社長の飯塚広の訳詩の「死んだ女の子」が1957年に発表された(その後、1966年に外山雄三作曲、中本信幸訳詩の曲もつくられていて、これは元ちとせが歌っている)。

最後の「署名をどうぞしてください」という女の子の言葉、2017年7月に国連で採択された「核兵器禁止条約」に署名しようとしない日本政府につきつけてやりたい。

死んだ女の子
(飯塚広訳詩)
 

とびらをたたくのはあたし
あなたの胸にひびくでしょう
小さな声が聞こえるでしょう
あたしの姿は見えないの

 

十年前の夏の朝
あたしはヒロシマで死んだ
そのまま六つの女の子
いつまでたっても六つなの

 

あたしの髪に火がついて
目と手がやけてしまったの
あたしは冷い灰になり
風で遠くへとびちった

 

あたしは何にもいらないの
誰にも抱いてもらえないの
紙切れのように燃えた子は
おいしいお菓子も食べられない

 

とびらをたたくのはあたし
みんなが笑って暮らせるよう
おいしいお菓子を食べられるよう
署名をどうぞして下さい