日曜日朝の善福寺公園は快晴。家を出るときはヒンヤリした空気だったが、日差しを浴びるうちに暖かくなる。
キンランの花が少しだけ開いて、中の赤い筋が見えてきた。
花びらが1枚だけ下に反り返るのがランの特徴だが、これを唇弁(しんべん)といって、花粉媒介してくれる虫たちがやってきたとき、着陸する場所として機能しているという。さらに中に赤い筋があって、これは蜜標といって、訪れた虫に蜜のありかを知らせるしるし。
キンランはとても奥ゆかしいのか、そもそも全開しないで半開きのままのことが多いのだが、目印はちゃんとアピールしているようだ。
1羽が虫をくわえている。
ということは、ひょっとしてヒナが生まれて給餌のためにエサを集めているのかな?
エナガは大人になれば木の実とか、アブラムシなどの小さな虫なども食べるが、生まれたてのヒナが食べるのはイモムシなどの虫。
それでせっせと捕まえては巣に運んでいるのだろうか?
葉っぱの上に脚の長~いガガンボ。
黄色い地肌に黒い模様のあるキイロホソガガンボだ。
よく見ると黒い模様はチョコレート色をしていて、光沢がある。
ガガンボは見た目が蚊に似ているというので漢字で「大蚊」と書くが、蚊のように人の血を吸ったりはせず、成虫は樹液や花の蜜を吸う。
目の前をミスジチョウが飛んでいる。
翅を広げたままグライダーのように滑空して飛ぶのがミスジチョウの特徴。
立ち止まって見ていると、やがて地面に下りて吸水を始めた。
黒褐色の地に3本の白い線がくっきり。
日差しを浴びてエメラルドグリーンに輝く胴体が美しい。
ミスジチョウには4種類があり、白い線のかたちで判別できるが、一番上の白い線が2つに分離しているので、どうやらコミスジのようだ。
ゴイサギが首を伸ばしてエサをねらっている。
そこへ、どこからかもう1羽が飛んできた。
おいしいものがありそうだというのでエサ獲りに加わろうとやってきたのか、おこぼれに預かろうとやってきたのか。
キショウブとのツーショット。
のどかな4月の終わりの日曜の朝だった。