イタリア・トスカーナの赤ワイン「ペポリ・キャンティ・クラシコ(PEPPOLI CHIANTI CLASSICO)2019」
キャンティ・クラシコは、イタリアのトスカーナ州で生産されるワインの中でも、特に辛口の赤ワインであるキャンティについて、特定の地域かつ厳格な条件下で生産された高い品質のワインをいう。
地理的にはフィレンツェとシエナの間に位置するところで、ブドウ畑は丘陵地に6600ヘクタール広がり、高度は700mまでという規定があるそうだ。
14世紀の昔からワインをつくり続けているアンティノリが、キャンティの主要品種であるサンジョヴェーゼとメルロ、シラーをブレンドしたワイン。
何の料理でも合いそうなバランスのとれた味わい。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ映画「オンリー・ザ・ブレイブ」。
2017年の映画。
監督ジョセフ・コジンスキー、出演ジョシュ・ブローリン、マイルズ・テラー、ジェフ・ブリッジス、ジェニファー・コネリーほか。
堕落した日々を送っていた青年ブレンダン(マイルズ・テラー)は、恋人の妊娠をきっかけに生き方を改めることを決意し、地元の森林消防団に入隊する。
地獄のような訓練に耐えながら、ブレンダンはチームを率いるマーシュ(ジョシュ・ブローリン)や仲間たちとの絆を深め、彼らに支えられながら少しずつ成長していく。
そんなある日、山を丸ごと飲み込むかのような大規模な山火事が発生する・・・。
当然CGも多用しているだろうが、消防隊員たちが火災と格闘するシーンは迫力満点。野外に可燃林をつくり、消火体制をとった上で本当に燃やした中で演技したという。
2013年6月にアリゾナ州ヤーネヒルで実際に起こった山火事での消防隊員たちの悲劇の映画化。
この山火事では「グラナイト・マウンテン・ホットショット」に所属する消防隊員19人が死亡した。逃げ場を失った消防隊員たちは防火テントをかぶって命を守ろうとしたが、1000℃を越える炎に包まれ、そこにいた全員が死亡した。
消防士の犠牲者の数としてはアメリカ同時多発テロ以降では最多で、山火事の犠牲者としては過去80年で最も多い惨事となったという。
悲劇の原因としては、天候パターンの急激な変化があげられているが、無線通信の不備の問題なども指摘されている。
広大な国土を持つ国であり、地形的・気候的にも燃えやすい環境(気温40℃で湿度数%という日もあるらしい)もあってアメリカは森林火事が多い。そこで、「ホットショット」と呼ばれる森林火災専門のエリート消防隊員のチームがアメリカには100以上存在するという。
映画を見ていると、彼らは大規模な森林火災が起こると、炎の行方を予測してチェーンソーやシャベルをかついで先回りし、火勢に“燃料”を与えないため木を切り倒したり、溝を掘って防火帯つくったり、あえて意図的に火をつけて火災の進行方向の可燃物を焼いてしまう“火で火を制する”バック・ファイア(迎え火)作戦をとったりしていた。いずれにしても危険と隣り合わせの命がけての仕事だ。
映画は悲劇で終わってしまい、何ともやり場のない気持ちになったが、エンタメ的おもしろさよりも本当のことを描こうとした結果なのだろう。
ついでにその前に観た映画。
民放のBSで放送していたアメリカ映画「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」。
1990年の作品。
原題は「I ROVE YOU TO DEATH」
監督ローレンス・カスダン、出演ケビン・クライン、トレイシー・ウルマン、ウィリアム・ハートほか。
浮気がやまないイタリア人亭主を殺そうとしたものの、並み外れた体力の持ち主だったことから起こる珍騒動を描くコメディ。この映画は実際にあった事件をもとに映画化したというが、バカバカしい話なんだけど、けっこうおもしろかった。
ピザハウスを経営するジョーイ(ケビン・クライン)は1日16時間働きながらも、“水道管修理”と称しての浮気が日課の毎日。しかし、ある日妻のロザリー(トレイシー・ウルマン)は夫の浮気の現場を目撃してしまう。それまで亭主を愛し、信じてきた彼女は怒りと悲しみで錯乱状態に陥り、その姿を見た母親から「いっそのこと殺してしまえ」と焚きつけられ、母と娘の壮絶な夫殺し作戦がスタートするが・・・。
何しろ精力絶倫、並外れたタフマンの亭主。妻のロザリーは大量の睡眠薬を入れたスパゲッティで毒殺を図るも、ただ眠ってしまうだけ。それならと眠っているところを若い男に小型拳銃で撃たせるが、弾は命中したはずなのにジョーイはいびきをかいたまま。次に、頼りない殺し屋兄弟を雇って再び弾を打ち込むが、死なないどころか、かえって睡眠薬が切れて目を覚ましてしまう。
頭とおなかに2度も銃弾を打ち込まれたはずなんだが、睡眠薬をたっぷり入れたスパゲッティの効果で出血を抑えて助かったんだとか。ホントかいな?
結局、ロザリーとその母親、銃を撃った男たちは逮捕され、ジョーイは病院へ。しかし、妻が自分を殺そうとしたのも、殺したいほど自分を愛していることに気づいたジョーイは・・・という話で、結局、ハッピーエンドで終わって、見ているほうもホッとした。
妻の殺意を「殺したいほど愛している」と悟るところがイイネ。
当時まだ20代半ばのキアヌ・リーブスが、ドジで間抜けな殺し屋の弟を演じていた。