池袋の東京建物ブリリアホール(豊島区立芸術文化劇場)のこけら落としシリーズと銘打った「志の輔らくご~歓喜の歌」を聴く。
豊島公会堂の跡地に今年11月オープンしたばかりの多目的ホール。3層1300席、舞台から客席まで最大視距離を28m以内にしようと舞台が見やすい千鳥配列にしたんだとか。
ウィークデーの午後3時開演というのに、客席は満員。志の輔の人気のほどがうかがえる。
演目は、父親の勤続30年の記念に社長から大きな鹿の頭の剥製が家に届き、大騒動になった家族を描いた「ディアファミリー」、そのあとピアニスタ・HIROSHIのピアノがあって、2004年に初演という「歓喜の歌」。大晦日に公民館で開催されるママさんコーラスの発表会をダブルブッキングしてしまい、その顛末を描く。
どれも大爆笑(ピアノのHIROSHIさんも含めて)だったが、中でも秀逸だったのが「歓喜の歌」。まさしく落語の神髄を見た気がした。
落語は「落としばなし」というぐらいで、最後に「落ち(サゲ)」がつくのが特徴でり、その昔、落語家の元祖ともいえる御伽衆が秀吉の前でおもしろおかしい話をして喜ばせたころから最後は「落ち」で締めという。
志の輔らくごはこれまでもいろんな「落ち」を工夫していて、いつもそれが楽しみに来ていることもあるが、「歓喜の歌」の「落ち」は今まで聞いたことも見たこともない驚天動地の「落ち」。
あんな感動的な「落ち」はなかった。