善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ルリビタキと毎朝のごあいさつ

火曜日朝の善福寺公園は快晴。この時期にしては気温は高い。

 

ウメの蜜を吸いにメジロがやってきていた。

花に囲まれシアワセそう。

さけもルリビタキのメス(あるいは若オス)とご対面。

このところ毎日のように出会う。

熱心にエサを探しているようだ。

ウメの木にとまったところ。

蜜を吸うわけじゃなく、すぐにいなくなった。

 

上池を1周するが、カワセミの文二とサクラのカップルの姿はなし。

どこかで巣づくりでもしているのだろうか?

それならいいんだが。

 

下池では、満開のカワヅザクラヒヨドリがやってきていた。

ヒヨドリメジロと同じに雑食系だが花の蜜も大好き。

花の蜜を吸う習性は熱帯の鳥で発達したといわれるが、ヒヨドリも、もともと南方系の鳥で分布は北海道が北限とされている。

東京でも、かつては秋になるとやってきて春には南へ帰っていく冬鳥だったが、今では留鳥として一年中いる。

 

再び上池に戻ると、ヤナギが芽吹き始めて全体がうっすらと緑色になってきているが、そのヤナギの木に次々とヒヨドリが集まってきていた。

どうやら新芽をついばみにやってきているようだ。

ヒヨドリは何でも食べて食欲旺盛。

 

するとまたまたルリビタキ

公園に着いたとき見たのがまた顔を出したようだ。

2度も出会えて、きょうはラッキー。

 

先ほどは姿を見なかったカワセミの文二も、いつもの場所でエサをねらっていた。

ダイブしてエサをゲット。小さかったのですぐに食べちゃった。

そこへ飛んできたのがサクラらしきメスのカワセミ

ジッと文二のほうをみつめるサクラ。

文二が飛び立ったので近くにいくのかと思ったら、サクラをかすめて遠くの方へ飛んでいってしまった。

けさ早くの目撃談では、文二がサクラに求愛給餌をしていたというから夫婦関係は成り立ってるみたいだが、どこまで文二はやる気があるの?と野次馬ながら気になってしまう。

モズ男くん愛の歌 つづき

月曜日朝の善福寺公園は曇り。途中、小雨がポツリときていたが、やがてやむ。

 

公園に着いて上池をまわろうとしたら、目の前で2羽のカワセミが寄り添うようにとまっている。

右が文二らしいオスのカワセミ

左がサクラらしいメスのカワセミ

同じ池にいたオスの三郎は姿を見せなくなって、池はふたりだけとなり、いよいよ繁殖期。

文二がゲットした小魚をメスにプレゼントする求愛給餌をするかなと期待して待つが、文二はソッポ向いたまま。

それよりメスのサクラのほうが小魚をゲット。

なかなかの大物で、自分で食べちゃった。

その後、ふたりの関係は進展しそうもないので、散歩を続ける。

 

モズのオスがのどを震わせて鳴いている。

声は小さいが、先日とは違うメロディーのようにも聞こえる。

以下でけさのモズの鳴き声。

https://youtu.be/evLRYpkKK2M

モズは漢字で「百舌鳥」と書くくらいだから、早口のさえずりの中に多種多様な鳥のさえずりを組み込んで複雑に鳴く力を持っているという。

甘くて魅力的な愛の歌を歌うことで、メスを惹きつけようとしているのだろう。

 

カンヒザクラ(寒緋桜)が咲き始めていた。

緋紅色の花を半開して鐘状に下向きにつける。

本土より一足も二足も早く、沖縄で咲くサクラはヒカンザクラ(緋寒桜)といって、那覇市では今年も1月7日に開花。30日に満開になった。

カンヒザクラヒカンザクラも同じ種類で、台湾桜(台湾サクラ)、ヒザクラ(緋桜)とも呼ぶらしい。

なぜ本土ではヒカンザクラと呼ばずカンヒザクラなのかというと、似たようなサクラにヒガンザクラ(彼岸桜)という別種のサクラがあり、語呂が似ているので間違いやすいからというのでカンヒザクラと呼ばれるらしい。

たしかにややこしい。

 

下池をめぐっていると、小四郎らしいオスのカワセミ

こちらは恋人探しはどうなってるんだろうか?とちょっと心配。

 

下池を1周して再び上池に向かう途中、比較的近くでコゲラが木の幹をつついている。

縦横自由に移動していって、尖ったクチバシでコンコンコンコンと穴をあけてエサを探している。

鋭い爪を幹にガッシと突き立てるので、縦にとまっても平気。

垂直にのぼっていく。

 

小川ではけさもキセキレイ

 

再び上池に戻ると、いつものお気に入りの枝に先ほどのカワセミの文二。

そばにはちゃんとメスのサクラ。

ジッと文二をみつめていた。

 

“善福寺動物園”のルリビタキ

日曜日朝の善福寺公園は曇り。ときおり陽も差すが、風が冷たい。

 

けさは上池を1周するもカワセミの姿はなし。

どこへ行ったのか、文二とサクラで巣づくりにでも出かけたのかな?

 

下池に向かうと、オスのカワセミ

小四郎か、それとも三郎か。

メスのサクラがいる上池方面が気になるのか、背伸びしている。

 

再び上池に戻る途中、2羽のツグミがエサ探し。

冬のころは枝にとまっていたが、地面におりて虫かなんかを探すツグミが多くなった。

 

葉っぱの陰からメジロが顔を出した。

メジロはすばしっこくて神出鬼没。

上池に戻ると文二らしいオスのカワセミ

どこ行ってたの?
しかし、サクラの姿は相変わらずなかった。

 

フェンスの上にはルリビタキのメス(あるいは若いオス)。

エサを探して場所を移動していって、やっぱりとまるのはフェンスの上。

いかにも都会の公園にやってきた野鳥らしい。

ルリビタキにとっては、木の枝も鉄のフェンスも同じ“とまり木”なのだろう。

こうして鉄の柵にとまるところを見ると、まるで“善福寺動物園”みたいなんだが。

でも、かわいい。

 

公園から帰ろうとしたら、別のところでルリビタキジョウビタキかはわからないが、ヒタキ系のメスらしいのが一瞬だけ姿を見せた。

ひょっとしたら2羽きているというルリビタキのメス、あるいは若オスかもしれない。

きのうのワイン+「つばくろは帰る」

イタリア・トスカーナの赤ワイン「サンタ・クリスティーナ・ロッソ(SANTA CRISTINA ROSSO)2020」

(写真はこのあと肉料理。左下は3月3日のひなまつりにちなんでハマグリの桜蒸し)

 

アンティノリが手がけるワイン。

フィレンツェを州都に持つトスカーナは、およそ2000年にも渡りブドウ栽培の歴史があるイタリアを代表する銘醸地の1つ。サンタ・クリスティーナの畑は標高約585mという高地で、村々を見渡せる見晴らしのよい丘の上にあるのだとか。

トスカーナ原産のサンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラーをブレンド

 

ワインの友で観たのは、BS松竹東急で放送していた「つばくろは帰る」。

2008年8月の歌舞伎座「納涼歌舞伎」での公演を映像にしたもの。

作・川口松太郎、出演・坂東三津五郎中村扇雀中村勘太郎(現・勘九郎)、中村七之助坂東巳之助、坂東小吉、中村宜生(現・歌之助)、坂東新悟尾上松也市川高麗蔵坂東彌十郎中村福助ほか。

 

川口松太郎らしい人情の機微を描いた作品。

しみじみとした余韻の残る舞台だった。

江戸の大工の文五郎(三津五郎)は、京に住む蒲団屋万蔵(彌十郎)から「江戸風の家を建ててほしい」と頼まれて京に向かう途中、東海道で一人旅する孤児の安之助(小吉)を救ったのが縁で旅を共にする。

先着していた2人の弟子(勘太郎、巳之助)とともに万蔵の家の普請を行うが、安之助の実母(福助)は京で暮していて、祗園の芸妓となって君香の名で座敷に出ていた。

安之助の消息を伝えに行く文五郎だが、君香は安之助には会えないとつれない態度を見せる。これを聞いて怒る文五郎だったが・・・。

 

作家で、新派の脚本や演出も手がけた川口松太郎が同名の小説を発表し、二代目尾上松緑の懇望により劇化し、1971年11月、明治座で川口の演出により初演(淡島千景高橋秀樹波乃久里子らが共演)。歌舞伎として上演されるのはこの舞台が初めてという。

 

三津五郎が役にぴったりの味わい深い演技。今は不自由な体とたたかっているが、元気なころの福助はさすがにうまい。

主役は大工文五郎役の三津五郎だが、私の目には君香の子どもの安之助を演じた当時11歳の小吉に見えた。

目尻を下げた感じがほのぼのとしていて、ハキハキと明るい演技だった。

安之助は江戸に生まれたが、生後すぐに父親は死んでしまい母の君香も生きるために京に上ったため孤児となる。親戚に預けられるもひどい扱いを受けて、瞼の母に会いたさに京をめざす。旅の途中に出会ったのが文五郎で、彼を父親のように慕うようになる。

逆境の中にいながら、澄んだ心で健気(けなげ)に生きようとする安之助の姿。

実は作者の川口松太郎も、東京・浅草に生まれたが実の親は知らず、大酒飲みの養父のもとで育った。小学校を優等で卒業したが上の学校には進めず、質屋や古本の露天商、警察署の給仕など職を転々とするなど苦労したようだ。

自分の子どものころのつらさ、その中での希望、瞼の母への思いを、安之助に重ねて描いたのではないだろうか。

 

「つばくろは帰る」という題にも心ひかれる。

つばくろとはツバメ(燕)のこと。陰暦8月は「葉月」だが、「燕去り月」ともいって、「帰燕」「燕帰る」はこの季節の季語となっている。

一茶の句に「乙鳥(つばくろ)は妻子揃うて帰るなり」とあるが、春に1羽ずつの単独飛行でやってきたツバメが、夏がすぎて帰りは子ツバメを連れて親子で去っていく。

 

この芝居で安之助を演じた小吉は、二代目坂東吉弥の孫。2003年、6歳のときに初お目見えするも、吉弥は04年に66歳で亡くなってしまう。父親は歌舞伎役者ではなかったため(母親が吉弥の娘だった)、「立派な歌舞伎役者になってほしい」という祖父の遺志を受けて三津五郎門下となり、06年に初代坂東小吉を名乗って初舞台。

三津五郎とは親戚の関係にあり(吉弥の伯父が八代目坂東三津五郎)かわいがられたようだが、その三津五郎も15年に59歳の若さで死去。後ろ楯をなくしたこともあってか、あるいはそれ以前に思うところがあったのか、役者をやめてしまったようで、今は「かぶき手帖」にも彼の名前はない。

梨園に生まれないと厳しい歌舞伎役者の現実があるのだろうかと、残念に思う。

カワセミのカップル成立?

土曜日朝の善福寺公園は快晴。風もなく、寒さゆるむ。

 

公園に着くと、ウメの木にとまって、かわいい声で鳴いている鳥がいる。

鳴いているのはアオジだった。

いつもは小さな声で「チッチッ」と地鳴きをするが、けさは盛んにさえずっている。

恋人を呼んでいるのだろうか。

 

上池では、いつもの定位置に文二らしいオスのカワセミ

そのそばにいたのは、サクラらしいメスのカワセミ

文二からのエサのプレゼントを待ってるのかな?

きのうは三郎も含めて“三角関係”状態だったが、どうやらカップル成立か?

今年は善福寺池でも善福寺川でも、オスばかり多くてメスは少ないようで、サクラは川のほうまで下っていってオスの品定めをしていたみたいだったが、結局、気に入ったのは文二だったようだ。

 

ミツマタの花が満開になっていた。

三椏のはなやぎ咲けるうららかな 芝不器男

春だねー。

 

3羽のカイツブリが近づいていた。

いつもは2羽だけ寄り添って1羽だけ離れていることが多いのだが、けさはみんな仲よし。

 

下池に向かう途中、けさもジョウビタキがとまっていた。

シャッターを切ると、ちょうど羽ばたいたところ。

 

エナガの群れが木の新芽をつつきながら梢をめぐっていた。

 

下池では、朝日に光るオスのカワセミ

小四郎か、それとも上池から三郎がやってきたのか。

池をめぐっていると、またまた先ほどのカワセミ

高い場所に移動してエサをねらっていた。

 

このところよく見るのがハクセキレイ

尾羽を上下にふりふりしながら早足に歩いている。

頭がかなり黒いからオスだろうか。

カワセミ“愛の劇場”第3幕

金曜日朝の善福寺公園は曇り。きのうより少し冷えるが、寒さはそれほどでもなく、散歩にはちょうどいい。

きょう3月3日はひなまつり。

 

公園に着くと、上池の池の畔の手すりにサクラらしいメスのカワセミがとまっている。

こんなところにとまるなんて珍しいことで、どうしたことかと見ると、池の淵の杭をつなぐロープに、写真ではわかりづらいが、文二らしいのと三郎らしいオスがとまっていた。

場所は、文二と三郎のテリトリーの境界線のあたり。

ということは、サクラをめぐってオス2羽が争う三角関係か?

サクラは自分をめぐって2羽が争うのを、ジッと見ている感じ。

カワセミの“愛の劇場”第3幕はいよいよドラマチックな展開になってきた。

 

やがてサクラは少し離れたところに移動していった。

勝ったほうがやってくるのを待っているのかな?

一方、にらみ合う2羽のオス。

体を精一杯伸ばす文二。

「お前より強いんだぞ」と、大きさをアピールする威嚇のポーズだ。

 

負けじと三郎も体を伸ばしている。

カワセミのケンカは、たいがいが威嚇し合って終りで、つっつき合うような肉弾戦はあまり見ない。

けさも結局、三郎が自分のテリトリーのほうに飛び去っていった。

 

あとで聞いたら、三郎はサクラの父親なのだという。

だとしたら、三郎は娘のムコさんにふさわしいかどうか、確かめにきたのかもしれない、というのは人間の勝手な解釈だろうか。

生物は近親交配を避ける仕組みを備えているといわれるが、カワセミの場合は?

 

下池に向かっていると、このところ毎日のように出会うジョウビタキのオス。

羽の白い紋(斑点)がハートマークに見えるといわれるが、花びらみたいに見える。

 

下池を1周して再び上池に向かうと、ボート乗り場に新しいボートがお目見えしていた。

パンダとコアラのかわいい足漕ぎボート。

ボート乗り場は現在は冬季休業中で、3月中に営業を始めて、シーズン中は土・日曜、祝日のみの営業となっている。

 

上池に戻って、さきほどの三角関係のカワセミのその後はどうなったか、たしかめようと池をめぐっていると、何と、ルリビタキのメス(あるいは若いオスかもしれない)が、池のほとりの遊歩道までやってきた。

人が歩いてくるので逃げていったが、こんなところでルリビタキと出会えるなんて、いかにも都会の公園だ。

カワセミ“愛の劇場”第2幕

木曜日朝の善福寺公園は曇りときどき晴れ。南風が吹いている。

 

公園に着くなり、ルリビタキを発見!

“青い鳥”のオスではなく、地味な色合いのメスか、あるいは若オス。

少しの間だけキョロキョロしていたが、やがて飛び去った。

 

上池では、いつものところに文二らしいオスのカワセミ

何と近くにメスのカワセミ

どうやら、下池にいたサクラらしい。

とうとう2羽は並んでとまった。

サクラはオスを探して善福寺川の方にまで遠征していたが、ついに上池にやってきたのか。

下池でも若いオスを口説いていたもののラチがあかなくて破談になったみたいだったが、上池ではどうなのか?

下池でのサクラのオスへのアタックが善福寺公園の“カワセミ愛の劇場”第1幕なら、けさは第2幕の始まり。

目撃者の話では、きのうは文二がサクラに求愛給餌(プロポーズのため獲った小魚をメスにプレゼントすること)していたというから、めでたくつがいになったみたいなんだが、けさも、サクラが文二に近づくも、どうもはっきりしない。

文二のとなりにやってきて積極的なサクラ。

一方の左の文二はというと、うなだれている。

文二が小魚をゲット(下が文二で、上がサクラ)。

文二は獲った小魚の頭を上にするプレゼントポーズ。

サクラはプレゼントをもらおうと近くにやってくる。

ところが、次の瞬間、文二はエサをあげないで自分で食べちゃった。

その後、2羽は別れ別れ。

サクラは自分でエサをゲットしていた。

たくましく生きていくサクラ。

カワセミの世界でも自立する女性の姿。

 

池をめぐっていると、けさもモズのサエズリが聞こえる。

モズのオスが盛んにノドをふくらませて鳴いていた。

うしろを振り向いてメスを探しているのか。

こっちを見たが別に気にする様子はない。

思索にふけってるみたいな感じで、考えるモズ。

鳴くのをやめて、しばらくそのままでいた。

 

下池に回ると、上池につながっているトンネルの上にオスのカワセミがとまっていた。

オスの小四郎だろうか。

2度ほど、ホバリングしながら暗いトンネルの中を見る動作。

トンネルの先の上池が気になるのか、ということはつまり、上池に行ってしまったサクラが気になるのか?

池をめぐっていると、先ほどの小四郎くんか。

サクラのことは諦めちゃったのか、羽繕いに余念がなかった。

 

上池に戻る途中にはジョウビタキのオス。

 

公園から帰ろうとして、最後に見つけたアオジ