善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

別名・美男葛 サネカズラ咲く

土曜日朝の善福寺公園は曇り。ときおり日が差し、暑さ変わらず。

 

上池のいつもはオスのカワセミのマルちゃんがいるところに、けさはウ。

こんなデカイのがいては小さなカワセミは近づくことができない。

のどをヒクヒクさせて温度調節しているのか。

 

トンボの数が減ってきたな~と思ったら、交尾中のシオカラトンボ

まだまだトンボはがんばってる。

 

ウズグモが立派な渦(白帯、あるいは隠れ帯)をつくっていた。

上から見ると右巻きにも左巻きにも見えて、かなり手の込んだ渦の巻き方をしている。

下にクモが隠れていて、獲物を待ち受けているようだ。

 

葉っぱの陰からまだら模様のチョウが顔を出して、朝のあいさつ。

横から見たらアカボシゴマダラだった。

 

公園の隣の屋敷林からサネカズラ(実葛)が顔を出していた。

花期は8月だからちょうど今ごろ咲く夏の花。

つる性の常緑樹で、学名は「Kadsura japonica」。「日本のカズラ」という意味か。

秋になると赤い球形の実が集まった集合果がなる。

その実が目立つところから「さね」は実を意味しているのだとか。

つるには粘液が含まれていて、水に浸したあと樹皮をはがしてよく揉むと、ヌルヌルとした粘液が出てくるので、昔はこれを整髪剤に用いたという。

このため別名をビナンカズラ(美男葛)。

百人一首に有名な歌がある。

 

名にし負はば 逢坂山のさねかづら 人に知られで 来るよしもがな 三条右大臣(藤原定方

 

サネカズラのつるであなたをグルグル巻きにしてたぐり寄せ、人知れずに逢瀬したい、という恋の歌。

 

池のほとりの手すりに、手すりと同じ色のバッタ。

近づくとピョーンと飛んでいった。

背中に小さなイボ状の突起が並んでいるというのでイボバッタ。

よく見ると脚のまだら模様が目立つが、全体に背景と同色だから、遠くからだったらまるでわからなかっただろう。