善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「ブラックホーク・ダウン」他

イタリア・ヴェネト州の赤ワイン「ヴァルポリチェッラ(VALPOLICELLA)2019」f:id:macchi105:20211013130216j:plain

16世紀からワインづくりをしているというワイナリー、アレグリーニの赤ワイン。

本拠地とするのはヴェローナから18km北西に進んだヴァルポリチェッラ・クラッシコ地域内のフマーネと呼ばれる地区。ヴァルポリチェッラの中でも「クラッシコ」と名乗れるのは、最も古くからブドウが栽培される5つの特別地区のみで、フマーネもその1つに数えられているという。

ブドウ品種はコルヴィーナ・ヴェロネーゼ(70%)、ロンディネッラ(30%)。

 

パンは地下鉄半蔵門駅そばの「ル・グルニエ・ア・パン」のバゲットなど。本場パリのバゲットコンクールで優勝した知る人ぞ知るフランスの有名店の日本国内第1号店だとか。

 

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ映画「ブラックホーク・ダウン」。

2001年の作品。

監督リドリー・スコット、出演ジョシュ・ハートネットユアン・マクレガートム・サイズモアほか。

 

1993年に米軍が失敗したソマリアの将軍の捕獲作戦を描いたノンフィクション小説を映画化。

監督のリドリー・スコットは「エイリアン」「ブレードランナー」などの監督。

 

泥沼化する内戦を鎮圧するためソマリアに軍隊を派遣したアメリカ。なかなか収束しない内戦に焦り始めたクリントン政権は、ついに敵対するアディード政権の本拠地への奇襲作戦を決行するため特殊部隊を投入した。作戦は30分程度で終わるはずだったが、敵の思わぬ逆襲に遭い、ヘリコプター“ブラックホーク”が撃墜されてしまう。敵の最前線で孤立する兵士たち。やがて、救助に向かった2機目も撃墜されてしまう。その間にも、兵士たちは必死に応戦するが、1人また1人と仲間が倒れていく・・・。

 

作戦は国連主導のものではなく、アメリカが単独で行ったものだったという。30分で終わるはずだったのが実際には15時間を費やし、2機のヘリコプターを失い、銃撃戦によって19名の米兵を殺害され(のちに投入された国連軍兵士2名を入れると21名)、ソマリア民兵・市民200名以上(米政府発表は1000名以上)を殺害したという。

国連軍でもなく、アメリカが勝手に軍隊を送って戦争を起こせば、その国の人々は独立をおびやかす侵略ととらえるのも当然だろう。アメリカ軍に銃を向けて殺された老いた女性の姿もあった。

 

ついでにその前に観た映画。

民放のBSで放送していたアメリカ映画「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」。

2017年の作品。

監督ショーン・ベイカー、出演ウィレム・デフォー、ブリア・ビネイト、ブルックリン・プリンスほか。

 

2008年に発生したサブプライム住宅ローン危機の余波に苦しむ貧困層の人々の日常を、6歳の少女の視点から描いた作品。タイトルの「フロリダ・プロジェクト」とはフロリダに誕生したディズニー・ワールドの開発段階の名称という。

 

定住する家を失った若い母ヘイリー(ブリア・ビネイト)と6歳の少女ムーニー(ブルックリン・プリンス)は、フロリダ・ディズニーワールドのすぐそばにある老朽化した安モーテル「マジック・キャッスル(魔法の城)」でその日暮らしの生活を送っている。

周囲の大人たちは厳しい現実に苦しんでいたが、ムーニーは同じくモーテルで暮らす子どもたちとともに冒険に満ちた日々をすごし、管理人ボビー(ウィレム・デフォー)はそんな子どもたちを厳しくも温かく見守っていた。

やがて児童家庭局の職員がやってきて、劣悪な環境にある少女を保護しようとする。しかし、ムーニーは職員の手を逃れ、友だちを誘って入って行った先はディズニー・ワールドだった・・・。

 

映画の最後に、ディズニー・ワールドの中を楽しげに行く少女のシーンがあるが、そこでの撮影はディズニーに許可を取ることなく行われ、実はiPhoneで撮ったのだという(この監督は全編iPhoneの映画もつくっている)。

まさしく隠し撮りだが、商標登録にうるさいディズニーは黙認したのだろうか?

 

映画では、老朽化した安モーテルであっても泊まるのに1部屋で1泊数千円とられている。1泊だけならまだしも、そこで暮らすとなると出費は大変だろうに、なぜ貧しい母子がそんなところに泊まっているのか。

それは日本のネットカフェ難民とか、ドヤ街の簡易宿白所に泊まるのと同じで、安定収入も、貯えもない生活困窮者にとって、ちゃんとした賃貸アパートに入居するのはとても困難だからだ。そうしたところに入居するには連帯保証人とか保証金が必要とかとなってしまう。そこで、とりあえず何日か分の宿代を払って、その日その日をやりすごすしかないというわけなのだ。

つまり、実質的にはホームレス状態にあるのがこうした人々であり、そこに国や行政の手は届いていない。そんな中でも明るく暮らす子どもたちの姿・・・。見終わって「この子たちの未来は?」と考えさせられる映画だった。