善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+四代目雀右衛門

チリの赤ワイン「マプ・カベルネ・ソーヴィニヨン(MAPU CABERNET SAUVIGNON )2014」
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ブドウ産地はサンティアゴの南、セントラル・ヴァレー
雨の少ない地中海性気候で、日中は温められた海風が海岸沿いの山々にぶつかって谷まで上昇し、夜間には冷たい空気がアンデス山脈から吹き降りてきて、ブドウ栽培に理想的なんだとか。
飲みやすいワイン。

ワインの友で見たのは午前中NHKBSでやっていた四代目中村雀右衛門のドキュメンタリー。
2002年に放送された番組(女形人間国宝中村雀右衛門)の再放送で、来月、せがれの芝雀が五代目を襲名するのでそれにちなんだ番組だろう。

当時82歳の雀右衛門の、女形にかける情熱の日々に密着したドキュメンタリーだが、何しろ若い!
芸に対する厳しさも尋常ではなく、せがれの芝雀に演技指導する様子が描かれていたが、「指の差し方ひとつが役柄によって違う」などと芝雀に放つ一言一言が重みと深みのある珠玉の言葉だった。
 
彼の経歴を知って驚いた。
もともと四代目雀右衛門は七代目大谷友右衛門を名乗っていた。この名前だって江戸歌舞伎の大名跡だが、縁もゆかりもない雀右衛門の名を継いだ。それには理由がある。

関西歌舞伎の大名跡中村雀右衛門の名があったが、雀右衛門の名を継ぐべき三代目雀右衛門の長男(中村景章)は太平洋戦争で徴兵され、戦死した。
一方、友右衛門は景章より2年遅れで徴兵されたが、幸運にも生き延びた。
景章と友右衛門は子どものころからの無二の親友だったという。

終戦後、復員した右衛門の姿を見た景章の母(三代目雀右衛門の未亡人)は、「雀右衛門の名を親友だったあなたに継いでもらいたい」と再三再四懇願。四代目雀右衛門が誕生したという。

戦争の悲劇が、ひとつの物語を生んだことになる。