善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

2羽のオスのカワセミ

成人の日、月曜日朝の善福寺公園は曇り。冷え込みが緩み、池の氷もほとんどなくなっていた。

 

上池には2羽のカワセミのオス。

まず見つけたのは、善福寺公園カワセミに詳しく、カワセミ家系図までつくっているカワセミ・ウオッチャーによると、下池からやってきたB子の息子のB2クンじゃないかという。f:id:macchi105:20220110093411j:plain

今はこのB2クンが上池の主らしく、近くには、なかなが姿をみせないがメスもいるようだ。

 

さらに池をめぐっていくと、池のはじっこのほうにいたカワセミのオス。f:id:macchi105:20220110093435j:plain

こちらは、去年まで上池の主だった三郎クンのようだ。

おととし生まれて去年は8羽の子づくりにも成功したが、今は日陰の身か?

そうやって新しい血が入って子孫は繁栄していくのだろうが。

 

下池をまわって再び上池で見たカワセミのオス。f:id:macchi105:20220110093507j:plain

B2クンだろうか、三郎クンだろうか?

同じ1つの池に2羽のオスがいて、縄張りをめぐってケンカしないのは不思議だ。

 

けさも公園のあちこちでメジロの群れ。

地面に落ちた赤い実をゲットしたところ。f:id:macchi105:20220110093526j:plain

ノイバラの赤い実に囲まれてご満悦のメジロf:id:macchi105:20220110093547j:plain

ひとしきり赤い実をいつばんで、顔を出したところ。f:id:macchi105:20220110093616j:plain

次のおいしそうなものを探してるのか?f:id:macchi105:20220110093636j:plain

メジロは甘いものが好きで、柿やミカンも好物だが、冬に咲くツバキの蜜を吸おうとよくやってくる。しかし、今年はなぜかツバキの花が少ない感じ。

 

かわってよく目にするのが赤い実を食べるメジロだ。

メジロは赤い実の赤い色にひかれてやってくるのか?と思ったら、冬は赤い実が多く、どうしても鳥たちが食べる実は赤いのが多くなるようだ。

 

ということは実が赤いのは植物のほうの事情で、なぜ植物は実を赤くするのか?

色素の関係で、実が熟すと青から赤、黒へと変化していくこともあるだろうが、植物はあえて冬の今の時期に実を赤くしているようなのだ。

なぜかというと、木の葉の緑と補色関係にある赤は、私たち人間が見てもよく目立つように、鳥の目にも目立つ色であり、「おいしい実があるよ」と信号を送るために赤くしているのだという。

鳥たちが食べるのは果肉の部分で、固いタネは消化できずにフンと一緒に排泄される。鳥に赤い実を食べてもらって種子を散布してもらい、子孫繁栄につなげようという植物の戦略なのだ。

鳥たちはおいしい実をいただき、植物は種子を運んでもらってトクをする。

お互い、持ちつ持たれつなんだね。

馬が主役の感動の舞台 戦火の馬

池袋駅そばのシネリーブル池袋で、2014年にイギリス・ロンドンの劇場で上演された「戦火の馬」の映像収録作品を観る。

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イギリスの国立劇場ロイヤル・ナショナル・シアターが厳選した名舞台をデジタルシネマ化し、映画館で上映する「ナショナル・シアター・ライブ」シリーズの1作。

マイケル・モーパーゴの小説を脚色して上演。数々の演劇賞を受賞し、スティーブン・スピルバーグが映画化したことでも大きな話題を集めた舞台だ。

脚色ニック・スタフォード、演出マリアンヌ・エリオット、トム・モリス。

 

イギリス・デボンの貧しい農民の家で生まれ育った少年アルバートは、父が競売で落札した仔馬にジョーイと名づけて大切に育てる。しかし第1次世界大戦が始まると、ジョーイは軍馬として徴用されることになり、アルバートと離れ離れになってしまう。

今から100年あまり前、史上初の世界戦争となった第1次世界大戦では、人間とともに大量の馬が動員された。戦車や飛行機が使われるようになったのもこの戦争だが、始めのころの主流はまだ伝統的な騎兵戦であり、物資を運ぶのも馬だった。

軍馬として激戦地へ駆り出されたジョーイは、英軍から独軍へと渡り、最後は使い物にならなくなったと殺されようとしたところを、16歳なのに19歳と偽って兵士となり、ジョーイを追って戦場をさまよっていたアルバートと奇跡の再会を果たす・・・。

 

この作品の主役は馬。舞台の上でどうやって登場するのかと思ったら、実に見事な馬の活躍だった。

むろん本物ではなく、パペットと呼ばれる操り人形なのだが、本物そっくりで、生き生きと躍動する姿に魅入られた。

 

最初にまず仔馬が登場するのだが、日本の文楽そっくり。文楽では人形を操ることを「遣う」といっていて、人形のかしら(頭)と右手を遣う「主遣い」、左手を遣う「左遣い」、足を遣う「足遣い」の3人で1体の人形を遣う。より微妙な動きはもちろん心情までも表現しようと世界に例を見ない日本のパペット独特の「3人遣い」が編み出され、3人のうち左遣いと足遣いの2人は全身黒ずくめで黒子に徹しているが、主遣いは紋付き袴姿で顔をさらす。

「戦火の馬」に登場する仔馬も、日本の文楽そっくりの3人遣いで、みんな顔をさらしていて、日本の文楽をヒントにつくられたという。

さらにジョーイが成長すると、一瞬にして大人の馬に変身するのだが、こちらは馬の頭は顔をさらした人形遣いが操るが、うしろの2人は馬の中に入って、前足と後ろ足の馬の足となる。これなどはまさしく歌舞伎の「馬の足」で、歌舞伎からも影響を受けているみたいだ。

 

芝居の中でたびたび出てくるアヒルも人形で、1人の人形遣いが動かしているが、滑稽な動きで笑わせる。

文楽でも、「本朝廿四孝」の「奥庭狐火の段」などでキツネが登場する場面があり、桐竹勘十郎が遣うキツネがちょこまかと動き回って楽しませてくれるが、これなんかも参考にして「戦火の馬」のアヒルが誕生したのではないか。

 

日本の歌舞伎も文楽を参考にし、文楽作品を歌舞伎にしたりしているが、まさか馬を3人遣いでやろうとまでは思わなかったようで、「戦火の馬」は、歌舞伎が(あるいは日本のほかの演劇が)文楽から学ぶべきことを先にやってしまった感じがした。

 

「戦火の馬」はスクリーンで観てもおもしろかったが、ぜひとも本物の舞台を観たい!と思ったのだった。

善福寺野鳥くらぶの写真展

都立善福寺公園サービスセンター内のミニギャラリーでは、8日から「善福寺野鳥くらぶ」による「野鳥写真展」を開催中(1月26日まで)。

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展示されている写真はすべて善福寺公園内で撮影された野鳥たち。

中には散歩中にご一緒する方の写真もあり、どれも傑作写真ばかり。

 

中でも注目すべきは、毎日、カワセミを観察しているカワセミ・ウオッチャーが、カワセミの個体識別を行っていて、ここ何年かのカワセミの家族関係を調査して家系図までつくっていること。

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写真のカワセミは「三郎くん」。f:id:macchi105:20220109111434j:plain

おととし生まれて、H子というメスの間に8羽の子どもをもうけたが、今年は若いカワセミに追われてるみたいで、世代交代が進んでいるようだ。

ウグイスのエサ探しショー

日曜日朝の善福寺公園は快晴。けさも冷え込む。

池の氷もまた張り出していた。

 

池のはじっこの凍ってないところで、カワセミがエサをねらっている。f:id:macchi105:20220109094036j:plain

 

アジサイの枝にメジロが2羽でやってきていた。f:id:macchi105:20220109094117j:plain

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上池から下池に向かう途中、ハクセキレイが水辺を散歩?中。f:id:macchi105:20220109094158j:plain

 

幹を垂直にツツツとのぼりながらエサを探すコゲラf:id:macchi105:20220109094230j:plain

そこへもう1羽のコゲラがやってきた。f:id:macchi105:20220109094258j:plain

コゲラ同士でケンカすることなく、仲よしのようだ。

 

下池をめぐっていると、けさもヨシの中から顔を出してくれたのがウグイス。

クチバシを開けて、仲間を呼んでいるのか、自分の縄張りを主張しているのか。f:id:macchi105:20220109094333j:plain

右へ行ったり、左へ行ったりと忙しい。f:id:macchi105:20220109094357j:plain

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ヨシの茎をクチバシでつついては、エサとなる幼虫でも探しているのか。f:id:macchi105:20220109094552j:plain

ひとしきり“エサ探しショー”を見せてくれた。

はぐれメジロのキョロキョロ

 土曜日朝の善福寺公園は曇り快晴。

公園の雪はほとんど溶けたが、池の氷はまだ残っている。

 

下池をめぐっていると、アオジの鳴き声。

ハテどこ?と探すと、茂みの中で盛んにエサをあさっていた。f:id:macchi105:20220108094357j:plain

 

さらに歩いていくと、今度はヨシの中からウグイスの声。

こちらはせわしなく移動中だった。f:id:macchi105:20220108094422j:plain

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カイツブリカルガモがご対面。f:id:macchi105:20220108094508j:plain

 

下池から上池に向かう途中、いつもは集団でいるのに1羽のはぐれ?メジロがキョロキョロしながら小川の水を飲んでいて、すぐに枝に飛び移った。f:id:macchi105:20220108094542j:plain

やっぱりキョロキョロしている。

1羽だけ取り残されたかして、仲間を探しているのだろうか?f:id:macchi105:20220108094604j:plain

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やがて遠くへ飛び去った。

 

上池に戻ると、メジロの群れ。

次々とやってきては赤い実を食べている。

どの実をたべよ~かな。f:id:macchi105:20220108094651j:plain

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くわえたところ。f:id:macchi105:20220108094728j:plain

見事ゲット!f:id:macchi105:20220108094750j:plain

 

すぐそばの、凍っている池のほとりあたりにいたのはカワセミだ。f:id:macchi105:20220108094818j:plain

オスのようにも見えるが、クチバシの下の部分がやけに赤いからひょっとしてメスだろうか?f:id:macchi105:20220108094837j:plain

池が凍っていてはエサをねらえない。ひと休みしているところか。

 

さらに歩いていくと、氷が溶けているあたりに別のカワセミf:id:macchi105:20220108094904j:plain

オスのようで、ジッと水面をにらんでエサをねらっていた。

オス同士だとすると、テリトリーをめぐってケンカしないのかな?

雪の中のカワセミ・ウグイス・メジロ

金曜日朝の善福寺公園は快晴。今冬一番の冷え込み。

きょうは7日、松の内最後の日。七草粥をいただいてから散歩へ。

 

きのうの雪で街中が雪と氷で覆われている。f:id:macchi105:20220107094549j:plain

積雪はきのう都心で10㎝にもなったとか。

善福寺公園も雪景色。f:id:macchi105:20220107094637j:plain

上池はほぼ全面結氷。f:id:macchi105:20220107094658j:plain

氷の上にも雪が積もり、白くなった池が朝日に照らされていた。f:id:macchi105:20220107094732j:plain

 

わずかに残った雪のないところにカモやカイツブリが集まっていた。f:id:macchi105:20220107094759j:plain

カワセミも近くにいた。f:id:macchi105:20220107094828j:plain

雪とカワセミ

 

上池から下池に向かう途中、雪の花が咲いていた(ように見える)。f:id:macchi105:20220107094948j:plain

広場にはきのうの名残か、雪だるま。f:id:macchi105:20220107095016j:plain

自然がつくった雪だるま?f:id:macchi105:20220107095043j:plain

 

下池も雪景色。f:id:macchi105:20220107095108j:plain

斜めに傾いた木の上に雪が積もっている。f:id:macchi105:20220107095122j:plain

風に吹かれて雪が落ちてくると朝日に照らされてキラキラ光っていた。f:id:macchi105:20220107095304j:plain

 

下池をめぐっていると、ヨシの間からウグイスが顔を見せた。f:id:macchi105:20220107095335j:plain

「おはよー」っていってるみたい。f:id:macchi105:20220107095356j:plain

するとウグイスがこっちに飛んできて、池のほとりのヤツデの下の方にもぐり込んだ。

ハテどこに?と探していると、ヤツデにはすでに“先客”がいて、蜜が大好きなメジロだった。

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冬に咲く花の、数少ない中の1つがヤツデ。f:id:macchi105:20220107095530j:plain

メジロは雪をかき分けるようにして蜜を吸っている。f:id:macchi105:20220107095616j:plain

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次々とやってきていて3羽ぐらいが一心不乱。f:id:macchi105:20220107095707j:plain

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2羽で仲よし。f:id:macchi105:20220107095743j:plain

やがて満足したのかメジロたちが去っていくと、下の方の茂みにもぐり込んでいたウグイスも飛び去っていった。

 

近くのお寺(善福寺)のお地蔵さんも雪の帽子に雪の服。f:id:macchi105:20220107095845j:plain

 

ヤキトリ屋街の隠れ家的バー ラムヘッド

京都在住の友人が東京に来ていて、「西荻窪にある『ラムヘッド』というバーに行きたい」というので出かけていく。

生まれも育ちも大阪で、京都在住の人が西荻窪のその店を知っていて、根っからの東京の人間が知らないとはこれいかに、と思ったが、行きたいといった当人も初めての店という。

 

お目当ての店はJR西荻窪駅南の歩いて1分もかからないところにある、煙りとにおいをムンムンさせたヤキトリ屋が並ぶ界隈。その店の向かいのビルにはたまに行くお気に入りの居酒屋があるが、「ラムヘッド」という店の存在は全く知らなかった。f:id:macchi105:20220106130500j:plain

階段をのぼり2階にある店のドアを開けると、薄暗い店内はまるで別世界のようで、カウンターの向こうには何百本というラム酒のビンが並んでいる。f:id:macchi105:20220106130544j:plain

マスター曰く「世界各国の350種類以上のラムを用意してます」

 

ウイスキーが大麦やライ麦、トウモロコシなどを原料に、またブランデーが白ブドウのほかリンゴやサクランボなどさまざまな果実を原料にしているのに対して、サトウキビを原料につくられる蒸留酒がラム。

ラムというとヒツジの肉のラムを連想してしまうが、あちらは「lamb(ラム)」でこちらは「rum(ラム)」。

「lice(シラミ)」と「rice(お米)」の違いに似ているが、「l」と「r」を上手に使い分けられない日本では混乱を避けるため「ラム酒」と呼ばれることが多いようだ。

 

それにしても、ヤキトリ屋街と化している西荻駅前の通りに、ラム専門のこんな“隠れ家的バー”があるなんて驚きだ。

アナログのレコードが奏でるのは、SKA(スカ)やREGGAE(レゲエ)などの1960~70年代のカリビアンミュージック。

店内のデザインもオレンジが基調となっていて、カリブ海の夕暮れをイメージしているのだとか。

ラムなんてめったに飲んだことのない当方が、どんな酒を飲んだらいいと戸惑っていると、マスターがわかりやすく教えてくれるので安心して注文できる。

銘柄は忘れたが飲みやすそうなのをストレートと、カクテルも注文。f:id:macchi105:20220106130609j:plain

つまみにはナント削った鰹節もあって、意外とラムにピッタリだった。f:id:macchi105:20220106130627j:plain



2軒目は、近くにある「山下食堂」で、赤ワインとつまみをいろいろ。

ここもおいしいワインとおいしい料理が楽しめるオススメの店だ。