京都在住の友人が東京に来ていて、「西荻窪にある『ラムヘッド』というバーに行きたい」というので出かけていく。
生まれも育ちも大阪で、京都在住の人が西荻窪のその店を知っていて、根っからの東京の人間が知らないとはこれいかに、と思ったが、行きたいといった当人も初めての店という。
お目当ての店はJR西荻窪駅南の歩いて1分もかからないところにある、煙りとにおいをムンムンさせたヤキトリ屋が並ぶ界隈。その店の向かいのビルにはたまに行くお気に入りの居酒屋があるが、「ラムヘッド」という店の存在は全く知らなかった。
階段をのぼり2階にある店のドアを開けると、薄暗い店内はまるで別世界のようで、カウンターの向こうには何百本というラム酒のビンが並んでいる。
マスター曰く「世界各国の350種類以上のラムを用意してます」
ウイスキーが大麦やライ麦、トウモロコシなどを原料に、またブランデーが白ブドウのほかリンゴやサクランボなどさまざまな果実を原料にしているのに対して、サトウキビを原料につくられる蒸留酒がラム。
ラムというとヒツジの肉のラムを連想してしまうが、あちらは「lamb(ラム)」でこちらは「rum(ラム)」。
「lice(シラミ)」と「rice(お米)」の違いに似ているが、「l」と「r」を上手に使い分けられない日本では混乱を避けるため「ラム酒」と呼ばれることが多いようだ。
それにしても、ヤキトリ屋街と化している西荻駅前の通りに、ラム専門のこんな“隠れ家的バー”があるなんて驚きだ。
アナログのレコードが奏でるのは、SKA(スカ)やREGGAE(レゲエ)などの1960~70年代のカリビアンミュージック。
店内のデザインもオレンジが基調となっていて、カリブ海の夕暮れをイメージしているのだとか。
ラムなんてめったに飲んだことのない当方が、どんな酒を飲んだらいいと戸惑っていると、マスターがわかりやすく教えてくれるので安心して注文できる。
銘柄は忘れたが飲みやすそうなのをストレートと、カクテルも注文。
つまみにはナント削った鰹節もあって、意外とラムにピッタリだった。
2軒目は、近くにある「山下食堂」で、赤ワインとつまみをいろいろ。
ここもおいしいワインとおいしい料理が楽しめるオススメの店だ。