善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+「男はつらいよ 寅次郎春の夢」

フランスの赤ワイン「ドメーヌ・ド・ヴィルマジュー・コルビエール・ブートナック(DOMAINE DE VILLEMAJOU CORBIERES BOUTENAC)2014」
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フランス・ラングドックのワイン。南仏を代表するカリニャン、グルナッシュ、シラー、ムロルヴェードルの4つの品種が醸す味。これも飲みやすいワイン。

ワインの友というか、ワインとはあまり合いそうもないが、きのう見たのは民放のBSで放送していた「男はつらいよ 寅次郎春の夢」。
1979年12月公開、寅さんシリーズ第24作。
監督は山田洋次。出演は渥美清倍賞千恵子アメリカからやってきたセールスマン、マイケル・ジョーダン役のハーブ・エデルマン、マドンナは香川京子

あらためてこの映画を見て、今回のマドンナは香川京子ではなく、寅の妹さくら役の倍賞千恵子だと思った。

アメリカからやってきた寅と同じような放浪のセールスマン、マイケルが、だんご屋の2階に居候して、さくらに惚れてしまう。
なかなか自分の想いをさくらにいえないマイケル。妄想の中でさくらを想う。
京都で旅芸人一座の坂東鶴八郎一座演じるプッチーニの「蝶々夫人」を見るのだが、そこでもさくらの幻覚を見てしまう。
妄想の中で自分はピンカートンになり、さくらは蝶々夫人。2人は再会に喜び、抱き合う。
男はつらいよ」シリーズの中で、さくらが夫の博以外の男性と抱き合ったなんてこの作品だけだろう。
博とだって抱き合ったことがあったかどうか。
さくらが歌う「ある晴れた日」。とても彼女の声に似ているが、まさか本人ではないだろうが。

ついにマイケルはさくらにいってしまう。
「アイラブユー」
困惑したさくら、もちろんその場で断るが、あとでその話をさくらから聞いた寅のセリフがいい。

アメリカ人はよ、お互いの気持ちを察するっていうのは苦手なんだ。ハッキリ口に出していわなきゃ納得しないんだ。オレたちみたいに、想いを胸に秘めてスッと立ち去る…。そんな芸当はとてもできやしないんだ。…だから、な、勘弁してやれよ」

まるでそこに自分をダブらせているようだった。

今回も日本のあちこちの懐かしい風景が登場している。
その意味では「男はつらいよ」シリーズはその時代の日本の姿を映した貴重な記録映画だともいえる。

冒頭で出ていたのは紀州和歌山市の加太港。港を横切る小さな連絡船。
ほかにも、和歌山県岩出市根来寺の山門。和歌山県紀の川市粉河西国三十三箇所第三番札所・厄除観音の粉河寺山門。上野駅近辺。静岡県沼津市西浦足保あたり。

京都では、三条大橋を渡るマイケル。マイケルの視線の先の橋のたもとには先斗町歌舞練場が見える。
去年の12月、南座工事のため先斗町歌舞練場での顔見世興行の仁左衛門をみるためこの橋を渡ったのを思い出した。