水曜日朝の善福寺公園は曇りのち晴れ。空気は冷たいが風がないのが救い。
公園に着いて散歩を始めると、電線にハトが飛んできてとまった。
すると、もう1羽がやってきて隣にとまり、互いに寄り添うようにして、何とチュッチュを始めた。
どう見てもキスしてるみたいに見える。
首を伸ばして互いにくちばしを絡めるようにして、とても情熱的に見えて、しかも朝日に照らされて、美しい。
何度もチュッチュを繰り返し、ついに大きめのがもう1羽の上に乗っかった。
上に乗ってるほうが体が大きいし、くちばしの上のコブも大きいので、明らかに上に乗ってるのはオスで、メスとの交尾に違いない。
ハトの繁殖期は春から秋にかけてといわれるが、これも温暖化の影響なのか、厳寒・積雪量が多い地域では無理でも、関東から中部以南では冬でも子育てするようになり、最近では繁殖期は通年といわれている。
どうやら、キスしてるように見えたのはオスからのラブコール、求愛給餌のようだ。
ハトなどの鳥類の胸のあたりには「素嚢(そのう)」と呼ばれる消化器官がある。食道の中間部が袋状になっていて、食物を蓄えたり、食物に水分を加え軟らかくしたりする役割があり、オスにもメスにもあるらしい。
ここでは、素嚢乳と呼ばれるヒナに与えるための乳汁様粘液がつくられ、主にハトにおいて見られるため「ピジョンミルク」とも呼ばれる。
タンパク質や脂肪分などの栄養素が豊富に含まれていて、ヒナはこれを飲み続けて成長していくが、オスでもつくられるため、ひょっとしてキスに見えたのは、このピジョンミルクをメスに与えて愛を訴えていたのかもしれない。
求愛給餌はカワセミでも行っていて、繁殖期になるとオスは捕まえた小魚を口移しでメスに与えて熱烈ラブコールを送る。
けさ見た2羽のハトは、交尾のあとも艶かしいチュッチュを続けていたから、よほどお熱い関係なのだろうか?
上池をめぐっていると、シーナちゃんらしいメスのカワセミ。
少し離れたところには、ヤエちゃんらしいメスのカワセミ。
けさはメスが2羽で、オスは何処に?
上池を半周して下池に向かう。
途中の小川(遅野井川)では、コサギが水の中のエサを探していた。
それともナルキッソスみたいに水面に映る自分の姿に見とれていた?
下池をめぐっていると、池のほとりのベンチに小さなクモ。
ワカバグモだろうか、ジッと動かずにいる。
ワカバグモは成虫のまま越冬するらしい。
よーく見ると目がちゃんと8つあり、サングラスでもかけてるみたいに目のまわりが茶色くなっている。
池をめぐっていると、採餌しながら移動中のエナガの群れと遭遇。
ちょうど池のほとりの背の低い木にやってきたものだから、目の高さぐらいのところまで降りきてくれた。
いろんなポーズで、かわいくて、楽しいエナガ。
寒い冬ゆえに、体がまんまるに見える。
エナガを追いかけていると時間がたつのも忘れてしまう。
おかげで至福のひととき。