木曜日朝の善福寺公園は快晴。北風が冷たく、寒い。
ハクセキレイが地面を歩いていた。
ツツツツッと歩いてはちょっと止まり、またツツツツッと歩き出す、を繰り返していた。
顔が黄色がかっているから、幼鳥のようだ。
キセキレイはおなかのあたりが黄色いのが特徴だが、顔が黄色いのはハクセキレイの幼鳥の特徴。
ハクセキレイとキセキレイ、どちらもセキレイの仲間だが、暮らしぶりはかなり違う。
水辺だけでなく、よく地面を歩いているのがハクセキレイ。
遊歩道を歩いていることもあり、人が近づいても意外と平気。
これに対して、水辺が専門なのがキセキレイで、警戒心が強く、人が近くとすぐに逃げていく。
これは食性の違いが大きく影響している。
ハクセキレイの食性は雑食。昆虫やミミズなども食べるが、木の実なんかも食べるし、人が落としたパン屑だって食べる。
だから人の近くにまで平気でやってくるのだろう。
日本ではかつては北海道や東北など北部のみで繁殖が確認されていたが、20世紀後半あたりからは繁殖地を関東、中部などにも広げ、現在では東日本では普通種になっているという。
しかも、都市部などの乾燥した環境にも適応していて、コンビニの駐車場とかガソリンスタンド、公園や駅のホームなどエサがありそうなところによくあらわれるようになっているらしい。
一方、キセキレイは昆虫類などが好物の動物食。エサ場はもっぱら水辺で、水中や岩陰などに潜む昆虫なんかを捕らえて食べる。
それゆえに孤独を愛するのか、人は苦手で、近づくとすぐに飛んで行ってしまう。
それにしても、同じセキレイの仲間なのになぜこんなに生活スタイルが違うのかと疑問に思った。
以下は本ブログの筆者の仮説、というより想像だが、日本に生息するセキレイの仲間はキセキレイ、セグロセキレイ、ハクセキレイの3種類いて、それぞれ棲み分けしているという話を聞いたことがある。
川の上流部にキセキレイ、中流部にセグロセキレイ、下流部にハクセキレイとおおまかに棲み分けているというのだ。
近年、急速に進む都市化によって、川の下流部は激変している。小川なんかは埋め立てられているし、コンクリート化して生き物が棲めなくなった川も多い。
すると、上流部はまだ自然が残っているのでキセキレイは動物食に徹することができても、下流部に棲むハクセキレイは、ほかにも食べ物を探さなければいけなくなる。環境が都市化するとともに、鳥の生き方もそれに適応しようと“都市化”せざるを得なくなり、昆虫以外のものも食べるようになっていったのではないだろうか。
そう考えると、人間の責任であるだけに、悲しい気持ちになる。
下池のヨシが群生しているあたりでは、シジュウカラとメジロなど小鳥の群れがおしゃべりしながらエサを探して移動していく。
メジロが口を開けているのは、おしゃべりじゃなくて、ヨシの茎に潜んでいる虫をみつけたのかな?
公園を歩いていて、ふたたびメジロの姿。
上池では、冬芽がたくさん出ているコブシの枝にカワセミ。
若いオスのシローくんのようだ。
目撃者の話では、同じオスのマルちゃんと追いかけっこをしていたそうだ。
縄張りをめぐる争いはまだ終わってないようだ。