スペインの赤ワイン「サングレ・デ・トロ・レゼルヴァ(SANGRE DE TORO RESERVA)2018」
(写真はこのあと牛焼肉)
スペインのバルセロナの近郊、ペネデス地方でワインを造り続けて150年以上という長い歴史を持つワイナリー、トーレスのワイン。
グルナッシュとシラーをブレンド。エレガントな味わい。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ映画「未来は今」。
1994年の作品。
原題「THE HUDSUCKER PROXY」
監督ジョエル・コーエン、脚本イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン、サム・ライミ、製作イーサン・コーエン、出演ティム・ロビンス、ジェニファー・ジェイソン・リー、ポール・ニューマンほか。
1950年代のアメリカを舞台に、会社幹部の陰謀により大会社の社長になった青年をめぐる騒動を描くコーエン兄弟によるファンタジック・コメディ。
舞台は1958年のアメリカ・ニューヨーク。インディアナ州マンシーの大学を卒業してやってきたばかりのノーヴィル・バーンズ(ティム・ロビンス)。職探しに励むが経験のなさからなかなか仕事が見つからない。ようやくありついたのが大会社ハッドサッカー社のメールボーイの仕事だった。
ところが、ハッドサッカー社のオーナー兼社長は重役会議の席上、やおらテーブルに飛び乗って走り出し、窓を突き抜けて44階(中2階を入れると45階)から飛び下り自殺をしてしまう。社長は遺書も残さず相続人もおらず、このままでは彼の保有株87%が年明け1月1日に市場に放出されることになる。
キレ者の重役マスバーガー(ポール・ニューマン)は一計を案じ、無能な男を社長の座に据えて会社の評価を落とし、株が底値になったところで重役たちで買い占める作戦を立てる。そんな彼が新社長に選んだのは、お人好しの青二才、ノーヴィルだった。
正体不明の新社長出現に、何かウラがあると嗅ぎつけた敏腕女性新聞記者のエイミー(ジェニファー・ジェイソン・リー)。こっそり秘書におさまって取材に乗り出すが・・・。
「不条理」「ブラックユーモア」が特徴のコーエン兄弟にしては珍しく(そんなにたくさん観てるわけでもないが)、意外とわかりやすいファンタジック・コメディなので、大笑いしながら安心して観ていられる後味スッキリの映画だった。
ビルからの落下シーンなど映画のつくり方もうまいし、音楽も映画の展開にうまくハマっていて、ハチャトゥリアンの「剣の舞」が軽快に流れる。
前作がヨーロッパ人が好きそうな不条理劇の極みみたいな「バートン・フィンク」だっただけに(実際、カンヌ国際映画祭で主要3部門を独占)、今回はハリウッド受けをねらった映画にしたのかもしれない。
最後の方で、飛び下り自殺した社長が天使となって出てくるあたりはフランク・キャプラ監督の名作「素晴らしき哉、人生!」(1946年)を彷彿させる。おそらく本作はフランク・キャプラ監督へのオマージュでもあるに違いない。
いつも常連組で出演しているはずのスティーヴ・ブシェミ、ジョン・グッドマンはいつ出てくるのかと待っていると、スティーヴ・ブシェミがバーテンダー役でチョコットだけ。ジョン・グッドマンもアナウンサー役で出てたらしいが見逃してしまった。
映画公開時69歳だったポール・ニューマンが健在の演技。
注目したのが敏腕新聞記者役のジェニファー・ジェイソン・リー。記者である身分を隠して、早口でまくしたてながら主人公のノーヴィルに接近していくが、やがて彼の真摯な生き方に共感し、愛し合う関係に・・・。
自分もノーヴィルの故郷マンシー出身だと偽って、町の歌かなんかを一緒に歌って最後に“イーグル”の決めポーズをするところなんか、もう最高。
彼女の父親は日本でも人気が高かったテレビシリーズ「コンバット」でサンダース軍曹役をしていたビッグ・モローだった。
ちなみに原題の「THE HUDSUCKER PROXY」は「ハッドサッカーの操り人形」といった意味らしい。
ついでにその前に観た映画。
2005年の作品。
原題「BEWITCHED」
監督ノーラ・エフロン、出演ニコール・キッドマン、ウィル・フェレル、シャーリー・マクレーン、マイケル・ケインほか。監督のノーラ・エフロンは脚本と製作にも名を連ねている。
60年代の人気TVドラマ「奥さまは魔女」を元ネタに描くラブ・コメディ。
元ビッグスターで現在は落ち目気味の俳優ジャック(ウィル・フェレル)に、テレビドラマ「奥さまは魔女」リメイク版のダーリン役としての出演依頼がくる。「奥さまは魔女」といえば主役は魔女のサマンサで、ダーリンはあくまで添え物的な役。ジャックは、サマンサより自分が目立つことで人気挽回を図ろうと、偶然本屋で出逢った素人のイザベル(ニコール・キッドマン)のヒクヒク動かす鼻の動きが気に入ってサマンサ役に抜擢する。しかし、イザベルは普通の恋に憧れて人間界にやってきた本物の魔女だった・・・。
魔女イザベルの父親役でマイケル・ケイン、大物女優役でシャーリー・マクレーンが出演。
「奥さまは魔女」をそのままリメイクするのではなく、そのリメイクを演じる俳優を描いた作品。
サマンサ役のニコール・キッドマンは、いつもは美しいんだけどどこか芯の強い目力みたいなのがあるんだが、本作ではかわいさに徹している感じ。そういえばテレビシリーズでサマンサ役をやってたエリザベス・モンゴメリーと何となく似ていて、キッドマンはそれを意識したのか。
原題は「BEWITCHED」で、テレビのときと同じ。
「witch」は「魔女」を意味し、動詞の「bewitch」は「~に魔法をかける」「~を魅了する」となり、その過去形が「bewitched」だから「魔法にかけてられて」といった意味か。
ダーリンともども観ている視聴者も、サマンサに魔法をかけられその虜になるというわけなのだろう。
民放のBSで放送していたアメリカ映画「戦う幌馬車」。
1967年製作の西部劇。
原題「THE WAR WAGON」
監督バート・ケネディ、主演ジョン・ウェイン、カーク・ダグラス、ハワード・キール、ロバート・ウォーカー・ジュニア、キーナン・ウィン、ブルース・キャボットほか。
仮出獄を許されたトウ・ジャクソン(ジョン・ウェイン)がニューメキシコの故郷エメットの町に帰ってきた。トウは自分を無実の罪に陥れて刑務所へ送り、その間に彼の所有する土地と金鉱を奪ったピアース(ブルース・キャボット)に復讐を果たそうと戻ってきたのだった。
驚いたピアースは、1万ドルでトウを殺してくれと流れ者のガンマン、ローマックス(カーク・ダグラス)に頼む。しかし、トウとローマックスの間には、ピアースが砂金を運ぶ装甲馬車を襲撃して50万ドルの砂金を奪おうという計画が進められていた。
2人はメキシコ人の無法者リーバイ(ハワード・キール)を仲間にし、さらに酒びたりのくせに爆発物を扱わせたら天才のビリー(ロバート・ウォーカー・ジュニア)を味方にして襲撃の手はずを整える・・・。
鋼鉄製の重装甲馬車が登場するというので映画公開時に話題になった作品。
多少おなかが出てるが昔ながらのガンマンスタイルのジョン・ウェインとは対照的に、カーク・ダグラスの西部劇らしくない颯爽とした立ち姿が印象的。
背筋を伸ばし、逆三角形で筋肉ムキムキの感じで、体にピッタリのシャレた衣裳が目についた。首にまいたスカーフまでが金色だった。
彼は「スパルタカス」で奴隷剣闘士スパルタカスを熱演したくらいだから均整のとれた体が自慢らしく、何と90代までジムに通って筋トレしてたんだそうだ。