善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「フレンチ・コネクション2」

イタリア・プーリアの赤ワイン「ネプリカ・ロッソ(NEPRICA ROSSO2016f:id:macchi105:20191122104610j:plain

14世紀からワイン造りをしているアンティノリが1998年、プーリア州に設立したワイナリー、トルマレスカの赤ワイン。

トルマレスカとは「海の目の前にある塔」という意味で、その名の通りブドウ畑の前にはエメラルドグリーンの海が広がる。

ブドウ品種はネグロ・アマーロ、プリミティーヴォ、カベルネ・ソーヴィニヨン

 

ワインの友で観たのはNHKBSで放送していたアメリカ映画「フレンチ・コネクション2

1975年の作品。

監督ジョン・フランケンハイマー、出演ジーン・ハックマンフェルナンド・レイ、ベルナール・フレッソン、キャスリーン・ネスビットほか

 

前作で捕り逃した麻薬密売組織のボス、シャルニエ(フェルナンド・レイ)を追い、単身マルセイユに乗り込んだニューヨーク市警のポパイことドイル刑事(ジーン・ハックマン)の活躍を描いた映画。

マルセーユに着いたドイルは、言葉や慣習の違いに戸惑うものの、地元警察の協力を得て敵のアジトに乗り込む。しかし逆につかまってしまい、麻薬漬けにされてしまうが…。

 

マルセイユのオールロケで、隠し撮り(実際にはかなりおおっぴらに撮っていて、街の人たちが奇異な目で見ている)による映像が緊迫感を生む。クライマックスでの中年男ドイルの激走ぶりが見事。

 

今はそんなことはないのだろうが、あの当時マルセイユでは英語がまったく通じないのでドイルも四苦八苦する。

野球を知らない地元警察のバルテルミー警部(ベルナール・フレッソン)とのヤンキースやベースボール談義もおもしろかったが、街中のバーでのバーテンとのやりとりもなかなかの傑作。

バーに入って若い女性客をナンパしようと話しかけるが、英語がまったく通じない。

カウンターに座ってバーテンにバーボンを注文するも、これもまるでわからない。

「ジャック・ダニエル」といってもバーテンは首をひねるばかり。

ウイスキー」という言葉はどうやら通じたらしく、カウンターに置いてあったゆで卵をつまみに飲み始め、バーテンにも酒を進める。

「ウィ?メルシー」とかいいながらバーテンは嬉々としてカウンターの下に隠してあったらしい瓶を取り出し、ちっちゃいグラスに注ぐと緑色の酒。それを一気にグイッと飲み干すと、「おい、緑色の酒かよ」といいながら2人は仲よくなっていく。

 

そのときバーテンが飲んだ酒はどうやら、「シャルトリューズ・ヴェール」というアルコール度数55%のハーブ系リキュールらしい。

もともとは不老不死の秘薬として1600年ごろにシャルトリューズ修道院でつくられたもので、今ではフランスを代表するリキュールの1つとなっているんだとか。

製法は今でも秘伝として伝えられていて、シャルトリューズ修道院の少数の修道士しか知らないという。明らかになっているのは、ブランデーをベースに、砂糖およびアンゼリカ(セイヨウトウキ)、シナモン、ナツメグをはじめとする130種類のハーブを加え、樽で熟成。5回の浸漬と4回の蒸留をへて調整される、ということまで。

55度というとかなりアルコール度数が高いが、砂糖に加え、ハーブのさわやかさもあって、一気飲みでもイケる味なんだろう。