善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

合体する迷彩柄のウンモンスズメ

土曜日朝の善福寺公園は快晴。すごしやすい朝。

 

公園のポポーが咲いていた。

アメリカ原産で明治中期に日本に渡ってきた。

英名がPawpawで、詰まってポポー。

果実はアケビに似た外観の果物として食べられるが、熟してから傷むのが早く、完熟すると黒くなって見栄えもよくないというので徐々に栽培が減り、今では「幻のフルーツ」といわれているのだとか。

 

ゴマダラチョウらしき幼虫を発見!

 

何とウンモンスズメが交尾中。

スズメガの仲間で、ウンモンは雲紋の意味だが、美しい迷彩柄で脚はピンク。

上の大きくておなかがぷっくらしているのがメスのようだ。

ガやチョウの交尾は時間が長いというが、つながったままジッとして動かない。

スズメガの交尾は通常は夜間に行われて、10時間ぐらいつながったままのこともあるという。

オスとメスが合体して、その模様の美しさにしばし見とれる。

雲紋は古来、雲には神仙が棲むと考えられ、その形や色などから吉凶を占ったことから瑞祥とされたという。

きょうは朝からいいことがある?

 

小さな小さな陸生の巻き貝。

タツムリも陸生の巻き貝だから、珍しくはないのかも。

 

下池をめぐっていると、カイツブリが水上でおめかし中。

アンヨでかゆいところをカイカイしてるのかな?

何とひょうきんな顔。

 

いつの間にかカラタチの花が咲いていた。

秋には金色の実をつける。

 

クモと何だか分からないがほかの虫のツーショット。

 

今年初のハエトリグモ。

お目メをじっくり見たかったけど逃げていった。

 

上池では、アオサギがエサを物色中。

 

竹林ではタケノコが伸びてきていた。

 

エナガが虫を集めるワケ

金曜日朝の善福寺公園は快晴。最初、風が冷たかったが、次第に暖かくなる。

 

エナガがエサをゲットしたところ。

捕まえたのは幼虫のようだ。

冬の間は木の芽とか小さな実を食べていたエナガも、子育てのときになると虫などの動物性のエサをせっせと集めるようになる。

これには理由がある。鳥の多くは成鳥は植物食でも、ヒナが育つには動物性のタンパク質が必要だからだ。まだたくさん食べることができないヒナにとって、消化がよくて高エネルギーの食事が欠かせないのだろう。

多くの鳥、特にエナガを含めたスズメ目の小鳥たちは春ごろに繁殖するが、それは、春になると気温が上昇して暖かくなることもあるだろうが、ヒナのエサとの関係も大きいようだ。

春になれば地中に隠れていた虫たちも這い出してくる。卵から幼虫が生まれるし、ヒナのエサとなる昆虫などの動物性の食べものをゲットしやすくなる。

親鳥は、ヒナを育てるため、最初は小さな虫、徐々に大きな虫を運んでいくようになるという。

 

マルちゃんらしいオスのカワセミが近くにとまっていた。

冬の間は葉っぱの陰に隠れていることが多くて、人見知りなのかな?と思っていたが、繁殖の時期になって次第に大人っぽくなって、堂々としてきたのだろうか。

 

いろんな虫をたくさんほおばったエナガが枝にとまっていた。

キョロキョロと様子をうかがっている。

巣で待っているヒナにエサを与えるためだろうが、なぜかジッとしている。

巣が安全かを確かめているのだろうか。やがてエサをくわえたまま飛び去った。

 

サンショ(山椒)の花が咲いていた。

サンショはオスの木とメスの木があり、オスの木には雄花、メスの木には雌花しか咲かない。

オスの木の雄花からは、黄色い雄しべが5個、雌花を求めてか勢いよく飛び出ていた。

 

ゲンゲが咲いている。

マメ科ゲンゲ属に分類される越年草。

中国原産で、日本には江戸時代初期の17世紀ごろに渡来し、「ゲンゲ」は漢名の「翹揺」の音読みに由来するといわれる。

それではわからんと思ったのか、「蓮の花に似た草」というので別名レンゲソウ(蓮華草)、レンゲ(蓮華)とも呼ばれる。

ほかに、ゲンゲバナ、ノエンドウ、ホウゾウバナとも。

水田の緑肥や蜜源植物としても利用される。

春の花として知られ、文部省唱歌の「春の小川」にも出てくるが、有名なのは次の句。

 

手に取るな やはり野に置け 蓮華草

 

江戸時代中期の俳人・滝野瓢水が詠んだ句だが、文字通りにとればレンゲソウは野に咲いてこそ美しいのだから、摘み取ったりしちゃいけないよ、ということになる。しかし、実際に作者が意図したのは、遊女を身請けしようとする友人への警告なんだそうだ。

それが証拠に、この句には前置きがあって、「平生したしき人の、難波の遊女を根引せんと云へるをいさめて」とある。

つまり、遊女(レンゲソウ)は自分のものではない(野に咲いている)から美しいのであって、自分のものにしたらせっかくの美しさも失われてしまうよ、根引(身請けのこと)なんてやめなさい、と諌めているのだとか。

なるほどー。

仲むつまじいカワセミの若夫婦

木曜日朝の善福寺公園は曇り。風はなく、すごしやすい。

 

公園の片隅で見慣れぬ花が咲いていて、ミツバアケビとの表示がある。

こういう表示があると、素人でもわかって助かる。

アケビの実はよく知っているが、花を見たのは初めて。

雌雄同株で同じ茎に雌花と雄花が咲くが、雌花が大きくて立派なのに対して雄花は小さくて10数個が集まって咲いている。

花の色は濃い紫色で、雄花には丸まった雄しべが出ている。

3枚の小葉からなる複葉を持っているというのでミツバアケビアケビよりも大型の紫色の実をつけ、甘くておいしいのだとか。

 

ササの葉っぱにカみたいなのがとまっている。

帰って昆虫図鑑(学研、丸山宗利九大准教授総監修)で調べたら、セスジユスリカに似ている。

ユスリカだとしたら人は刺さないので近づいても安心なんだが。

 

ガガンボが交尾していた。

つながったまま飛んでいて、そのまま葉っぱにとまってジッとしていた。

 

シジミチョウが飛んでいる。

葉の先にとまって翅を広げた。

オスかメスかは翅を広げればわかる。

これはオスのようで、青と白を混ぜたような金属光沢が美しい。

 

公園ではあちこちでエナガが子育て中のようだ。

エサをくわえたエナガが巣の中に入ろうとしている。

小さくてわかりにくいが、くちばしにくわえているのは何かの幼虫のようだ。

今は暖かくなって幼虫が次々と生まれてくるころ。

エナガはそれを知っていて、ヒナの栄養になるものを探して運んでくるのだろう。

 

善福寺池カワセミカップルはどうなったか?

木の陰にヤエちゃんらしいメスのカワセミ

しかも盛んに鳴いていて、オスを呼んでいるのだろうか?

そこへ飛んできたのはマルちゃんらしいオスのカワセミ

口をあけるヤエちゃん。

マルちゃんがエサを運んできたところのようだ。

「ありがとう」ってヤエちゃんがお辞儀している?

向かい合って、互いにジッとみつめてる。

やがてマルちゃんは去っていった。

次のエサをプレゼントしようと探しにいったのかな?

去年生まれたばかり同士の若いカップルだが、仲睦まじいのはいいことだ。

 

キショウブが咲き出した。

まだ1輪だけで、公園で一番早く咲いた。

 

きのうはオスのムネアカアワフキを見つけたが、けさはメス。

オスは小楯板(しょうじゅんばん)だけが赤いが、メスは赤い面積が広いし、一回り大きい。

 

ノイバラも咲き始めていた。

 

こっちをジッとにらんでるのは、アカサシガメかな?

ほかの昆虫を捕らえて食べる肉食のカメムシ

成虫で越冬するから、暖かくなって這い出してきたのだろう。

きのうのワイン+映画「クレッシェンド 音楽の架け橋」

フランス・ボルドーの赤ワイン「レ・ヴァンダンジュ(LES VENDANGES)2019」

ボルドー右岸のワイン商ジャン・ピエール・ムエックス社が自らが所有するシャトーの畑で育てたメルロを主体にカベルネ・フランブレンド

メルロのチャーミングさを余すところなく表現しているとかで、日本の女性が審査する国際的なワインコンペティション「サクラアワード2024」でゴールド受賞。

 

ワインの友で観たのは、民放のCSで放送していたドイツ映画「クレッシェンド 音楽の架け橋」。

原題「CRESCENDO #makemusicnotwar」

2019年の作品。
監督・脚本ドロール・ザハヴィ、出演ペーター・シモニシェック、ダニエル・ドンスコイ、サブリナ・アマーリほか。

長く紛争の続くイスラエルパレスチナから集った若者たちがオーケストラを結成し、コンサートに向けて対立を乗り越えていく姿を実在する楽団をモデルに描いたヒューマンドラマ。

 

世界的に名の知られる指揮者のエドゥアルト・スポルク(ペーター・シモニシェック)は、紛争中のイスラエルパレスチナ・アラブの国々から若者たちを集めてオーケストラを編成し、平和を祈ってコンサートを開くというプロジェクトに参加する。

オーケストラには、オーディションを勝ち抜き、家族の反対やイスラエル軍の検問を乗り越え、音楽家になるチャンスをつかんだ20数人の若者たちが集まったが、彼らもまた、激しくぶつかり合ってしまう。

そこでスポルクは、コンサートまでの21日間、彼らをアルプスの南チロルでの合宿に連れ出す。寝食を共にし、互いの音に耳を傾け、経験を語り合うことで、少しずつ心をひとつにしていくオーケストラの若者たち。しかし、コンサート前日に事件が起こる・・・。

 

「クレッシェンド」とは音楽用語で「だんだん強く」の意味。音楽により生まれた小さな共振が、やがて世界に大きく響きわたっていく。

ロシア系ユダヤ人で現代屈指の巨匠指揮者、ピアニストのダニエル・バレンボイムが、パレスチナアメリカ人でコロンビア大学英文学・比較文学教授のエドワード・サイードととともに1999年に設立し、イスラエルと、対立するアラブ諸国から集まった若者たちで結成された「ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団」をモデルに描いた作品。

楽団名はゲーテの著作「西東詩集(West-östlicher Divan)」からとられたというが、「共存への架け橋」を理念に現在も世界中でツアーを行うなど活動を続けているという。

 

映画の最後、空港で若い楽団員たちが演奏するラヴェルの「ボレロ」が感動的だった。

それにしてもパレスチナ問題はどうしたら解決するのか?

かつてこの地にイスラエル人が住んでいたのは事実で、古代イスラエル王国も存在していた。しかし、ローマ帝国に国を滅ぼされ、以後、2000年にも及ぶ流浪の歳月を送らなければならなくなった。

その後に住んだのがパレスチナ人であり、彼らにとっても長い年月の間に住み慣れたこの地は今や自分たちの国になっている。

パレスチナ問題を解決するには、イスラエルパレスチナが互いに主権を持つ国同士として、共存していく道を探るしかない。

少なくとも、今から30年前にイスラエルパレスチナが結んだ「オスロ合意」があるのだから、最低限そこに立ち返ることが必要なのではないか。

オスロ合意は、イスラエル軍が占領地としたヨルダン川西岸やガザ地区から撤退し、パレスチナ側が暫定的な自治を始めることで合意している。

その合意が蹂躙されているのが現実であり、今、急務なのは、イスラエルが占領地から撤退することであり、パレスチナ民族自決権にもとづきパレスチナ独立国家樹立を図り、両者が互いを認め合って共存していくことだろう。

本作の最後に演奏された、繰り返される旋律が次第にクレッシェンドして激しく、大きくなっていく「ボレロ」は、それに向かって進もうとする若者たちの決意表明と思えてならなかった。

 

原題にあるハッシュタグ「#makemusicnotwar」は、今の中東やウクライナにも通じる言葉だ。

Make Music Not War 戦争ではなく音楽を! 

アゲハチョウが飛び始めた

水曜日朝の善福寺公園は始め曇り、のち快晴。日が照らしてくると一挙に暑くなり、初夏どころか夏の陽気。

 

陽気のせいか、フジがたちまち見ごろになってきていた。

 

けさはチョウもあちこちで見られるようになってきた。

忙しく飛んでいたナミアゲハが葉っぱにとまった。

少し小さめに見えたが、春に生まれて成虫になる春型は、夏に成虫になる夏型よりも小さめなんだそうだ。

その理由は、蛹で越冬して春に羽化する春型は、幼虫のころの秋から冬にかけて気温が低下し、栄養源である葉っぱも少なくなる。

するとどうしたって小さく育つという。

 

ツグミが地面におりていた。

もうとっくに北へ帰っちゃったかと思っていたが、まだ名残惜しいのか。

 

小さな虫を発見。

黒地に真ん中のところだけ赤くなっている。

ムネアカアワフキのようだ。

メスは胸部の広い範囲が赤いが、オスは小楯板(しょうじゅんばん)だけが赤い。

ということはオスのようだ。

サクラに寄生するカメムシの仲間で、幼虫のころは白い泡の中で暮らすのでアワフキ。

胸が赤いからムネアカアワフキだ。

 

ミスジチョウがヒラヒラ舞っている。

葉っぱにとまったところ。

ミスジチョウはいつもだと翅を開いてとまるのだが、けさのは翅を立てている。

春のころは立ててとまるのかな?

翅の裏から見ても3本の筋が美しい。

 

モカタバミが咲いている。

カタバミ科カタバミ属の多年草。日本へは戦後に観賞用に輸入され、野生化している。

原産地は南アメリカのアルゼンチン北東部~北西部、ブラジル南部、ウルグアイなど広域の比較的標高の高い地域という。

夕方になると葉っぱが閉じて欠けたように見えることから名がついた「片喰(かたばみ)」の仲間で、根が塊茎でイモのように見えるので「芋片喰」。

ヤマブキの秘密

火曜日朝の善福寺公園は曇り。曇っていても気温は高め。

 

オオジシバリの黄色い花が咲いている。

それにしてもオオジシバリ(大地縛り)とは大仰な名前。

長細い茎が地面を這いながら根を張り地面を覆うことからジシバリ(地縛り)と呼ばれる仲間の中で大型なのでオオジシバリ(大地縛り)。

 

上池では、きのうに続きけさもマルちゃんらしいオスのカワセミ

ねらいをつけたかと思ったら素早くダイブしてエサをゲット。

1匹目は自分で食べちゃったが、2匹目をゲットするとくわかたまま下池方面に向かって飛んでいった。

メスのヤエちゃんにあげるのかな?

 

今、公園ではあちこちでヤマブキが咲いている。

公園のヤマブキは一重咲きばかりだが、珍しく八重咲きのヤマブキ。

太田道灌の逸話で知られる蓑がないいい訳?の歌に出てくるのが八重咲きのヤマブキ。

 

七重八重 花は咲けども山吹の 実のひとつだになきぞ悲しき

 

たしかに、八重咲きのヤマブキは実をつけない。しかし、一重咲きは実をつける。

もともとのヤマブキの野生種というか基本種は一重といわれるが、園芸品種として人気になったのが八重のヤマブキ。

このため八重咲きを多く目にするようになって、「ヤマブキ=実をつけない」と思っている人が多いようだ。

 

こちらは一重咲きのヤマブキ。

よく見ると一重咲きにはたくさんの雌しべと雄しべがある。だから結実して実生繁殖ができるのだが、八重のほうは雄しべが変化した花びらだけで、雄しべも雌しべもない。このため実をつけることができず、挿し木などの栄養繁殖でしか増やすことはできないというわけだ。

 

今年初のテントウムシを発見!

 

公園内にあるエナガの巣はどうなったかな?

おやおや?1羽が巣の中に首を突っ込んでいる。

どうやらヒナが生まれて、親鳥がエサを与えているようだ。

そばにはジッとしていて動かないエナガ

天敵の来襲を警戒しているのか。

尻尾の先がちょっと曲がってるから夜は巣の中でヒナを守っているのかもしれない。

 

満開のツツジ

それにしてもツツジは何であんなに密集して咲くのか。

花を派手に見せて花粉を媒介してくれる虫を呼び寄せているのだろうか。

ツマキチョウが羽化したよ!

月曜日朝の善福寺公園は快晴。朝から初夏の陽気。

 

早くも公園北の端の藤棚のフジが紫に色づいていた。

 

カメムシも這い出してきた。

かなり大きめのカメムシで、キマダラカメムシだ。

成虫で越冬するので、冬の間はどこかに隠れていて、暖かくなって姿を見せたのだろう。

もともと南方系だが、温暖化により北上しつつあるといわれる。

 

上池にはあいかわらずカワセミの姿はなし。

こんな広い池なのに、どこ行っちゃったか?

 

下池にまわると、こちらにはヤエちゃんらしいメスのカワセミ

早い時間にオスのマルちゃんがエサをくわえてきて、ヤエちゃんにプレゼントし、なおかつ交尾もしていたという。

やっぱり上池は捨てて下池をスイートホームにしたのか。

 

エナガが朝の食事中。それともヒナのためのエサ探し?

 

開花から日にちがたち、ギョイコウザクラの芯が赤くなって、赤い筋も見られるようになってきた。

 

散歩を続けるうち、気温がどんどん上昇していく。

暖かいはずだ。チョウが飛んでいた。

2匹(正しくはチョウは1匹、2匹ではなく、1頭、2頭と数えるらしい)で仲よく飛んでいる。

最初モンシロチョウかと思ったが、とまったところをよく見ると、おぼろ昆布みたいな模様がある。

羽化したばかりのツマキチョウのようだ。

前翅表の先端が橙色というか黄色がオスで、名前の由来ともなっている。

オスもメスも後翅の裏はおぼろ昆布みたいな模様になっているが、これを「草ずり模様」というらしい。

ツマキチョウは年に1回、春の4~5月の間だけあらわれる。

夏から冬の間を蛹ですごし、春になって羽化する。

とすると、けさ見たのは羽化したばかりで、うれしくて飛び回っていたのだろうか。

しかもオスとメスだったから、早くも恋の花が咲いているのかな?

 

下池を1週して上池に戻ると、久々にオスのカワセミを発見!

ヤエちゃんの“思い人”のマルちゃんのようだ。

エサをゲットすると、給餌くわえをして下池方面に向かって飛んで行った。

してみると、ヤエちゃんとマルちゃんは上池・下池の全体を自分たちのテリトリーにして子づくりに励もうとしているのかもしれない。