善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

街角の野菊

東京・杉並、善福寺の街角に野菊が咲いている。

善福寺公園下池の端を流れる小川の向こうにある野草園(正しくは「野生生物保護区」というんだそうです)を久しぶりにのぞいたら、野菊がいくつも咲いていた。
これはカントウヨメナか?
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キク科の植物で、漢字で書くと関東嫁菜。同じ紫っぽい色で似ているのにヨメナノコンギク、白い花をつけるリュウキュウギク、シラヤマギク、シロヨメナなど、いずれも昔から野菊と総称され、秋の野山を彩る。

ヨメナは万葉のころから親しまれている花という。嫁菜という名前の由来は、嫁が好んで摘んだからという説があり、食用の菜というのでこの名がついたといわれる。ただし、ヨメナは主に関西で生育し、関東に咲くカントウヨメナは食用にはならないとか。

西条八十作詩、古賀政男作曲の「トンコ節」(昭和26年)の3番の歌詞はこんなふうになっている。

ちらと三つ葉で ほうれん草
ぜひに嫁菜と ちょいと口説かれて
わたしゃ畑の 芋娘
首を振り振り 子が出来た
ネー トンコトンコ

ウォホン、口直しの1句。

子狐の隠れ顔なる野菊かな 蕪村

ヨメナの古名をウハギといって、万葉集に次の歌。

春日野に煙立つ見ゆ少女等し青野のうはぎ摘みて煮らしも (作者未詳)

こちらはシラヤマギクか、あるいはミヤマヨメナであろうか?
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アザミ。やはりキク科の植物だ。
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アザミも食べられる植物。有名なのが高級食材として人気のアーティチョーク。和名を「チョウセンアザミ」といって、アザミの仲間だ。ただし食べるのは若いつぼみ。
そういえばわが家でも秋になるとキクの花が食卓にのぼる。「もってのほか」という食用菊で、しゃきしゃきとした歯ごたえ、甘さとほろ苦さが入り交じった味がたまらない。

善福寺のお寺の境内でみつけた花。キバナコスモスか? 
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この花もやっぱりキク科。大輪ではなくても、秋はどこもキクであふれている。

上池のこずえの陰で、カワセミが羽を休めていた。
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