善福寺公園めぐり

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ウェイキング・ライフ

日曜日は銀座メゾンエルメスのプライベートシアター「ル・ステュディオ」で映画「ウェイキング・ライフ」を観る。
ル・ステュディオは銀座のど真ん中のエルメスビル19階にある40席のミニシアターだが、毎月、テーマを決めて映画を上映していて、3月のテーマは「夢を追いかけて」。

上映されたのはリチャード・リンクレイター監督のアメリカ映画「ウェイキング・ライフ」。2001年の作品。

とにかく変わった映画。作り方からして変っていて、ビデオカメラで俳優の動きを実写撮影したのち、それをデジタルペインティングで加工したアニメ作品に仕上がっている。
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映画の最後のクレジットでたくさんのアニメーターの名前が出ていたが、何でも30人以上のアニメーターがそれぞれ1人ずつの登場人物を担当し、膨大な時間をかけてペイントしていったという。

何でこんな手の込んだ作り方をしたかというと、登場人物たちはかわるがわる難解な言葉で哲学論議を繰り返していく。それを実写でやったらよけいに難解になるかもしれない。そこでポップなアニメーションと融合させることで、違った効果を生み出すことをねらったのだろう。
出てくる言葉は俳優自身の言葉だからリアルだけれども、映像はまるで浮遊しているようにフワフワしていて、そこに夢と現実の狭間を表現したかったのだろうか。

とにかく、言ってることはわけがわからない。というか、聞いた瞬間はナルホドと思うんだけど、あとで思い出そうとしても、ハテあの人は何を言いたかったのか、思いだけない。そんなセリフの連続だった。
それもそのはずで、セリフは古今の哲学者たちの言葉の引用だから、それでひとつの物語をつくろうとしたって土台、無理な話。深層心理には残ったかもしれないが、記憶は彼方へ行ってしまっている。
実はそれが作者のねらいだったりして。

アニメの映像はおもしろい。哲学談義なんかやめて、映像だけでも十分に楽しめたんだが。

映画の冒頭、女の子と男の子が折り紙で占い遊びをしているんだが、あれはたしかパクパクとかパックンクチョとかいって、子どものころやっていた遊びだ。日本の折り紙文化がつくった日本独自の遊びかと思ったら、アメリカの子どもたちもああして遊んでいるのにびっくりした。紙を使った占い遊びは万国共通なんだろうか。

女の子は男の子に好きな数字を言わせて、指で開閉していって最後に紙を開くと「夢は運命」という言葉があらわれる。
その言葉だけは記憶に鮮明だ。