善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+「眺めのいい部屋」+「雪の階」

アメリカ・カルフォルニアの赤ワイン「コナンドラム・レッド(CONUNDRUM RED)2015」
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ワイナリーはカルフォルニアで最も歴史のある家族経営の「ワグナー・ファミリー・オブ・ワイン」。
コナンドラムとは英語で「謎」や「パズル」のことだそうで、このワインのブドウ品種もブレンド比率も非公開。
それぞれのブドウの個性を尊重しながらも単一品種だけでは表現しきれないワインをつくっているのだとか。
たしかに、飲み進むうちにうまくなっていくワインだった。

ワインの友で観たのはNHKBSでだいぶ前に放送していたイギリス映画「眺めのいい部屋」。
1986年公開(日本は翌年)。
監督ジェイムズ・アイヴォリー、出演はマギー・スミスデンホルム・エリオットジュディ・デンチ、ヘレナ・ボナム=カーター、ジュリアン・サンズダニエル・デイ=ルイスほか。
イギリスの名家の令嬢がフィレンツェで同宿した青年と出会い、その恋の行方を描く。
いきなりフィレンツェの美しい風景とキリ・テ・カナワの歌声が響いてきて、ワインにピッタリ。
話の展開は予想通りだった。

それより、酔っ払う前に読了した奥泉光の「雪の階(きざはし)」がおもしろかった。
600ページ近くある長編小説だが、ほぼ1日で読んでしまった。

夏目漱石三島由紀夫松本清張をごちゃまぜにしたような小説。
ミステリー仕立てにしてるだけに読みやすかったのかもしれないが、舞台は戦前の2・26事件直前の日本。主人公の1人はこちらも華族の令嬢。

ここでいう階とは「曲がり角」の意味か。
安倍政権という危険な政権(何しろ公文書を改ざんして政治をねじ曲げても平気なんだから)の登場で、今の日本も歴史の階に立っている気がする。作者は今の時代への何らかのメッセージを込めたかったのかもしれない。

ただ終わり方がちょっと尻切れトンボの感。作者は続編を考えているのだろうか?