善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

生きるべきか死ぬべきか

銀座に映画を見に出かける。
日曜日の昼間、時間がなかったので地下鉄銀座駅直近の銀座ファイブ地下1階にある「はなまるうどん」でぶっかけうどんを食べる。
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「はなまる」は香川県発祥で全国に展開する讃岐うどんのチェーン店。
「ぶっかけ」というと冷たいうどんに生醤油かつゆをチョコッとたらす、と思ってしまうが、ここではつゆをダクダクと入れて普通のかけうどん風だった。
讃岐うどんの流儀なんだろう。

食後はちょっと銀ブラして映画館へ。
あいかわらず休みの日は外国人の観光客が多い。この日は中国、韓国人だけでなく欧米からの観光客も多い感じがした。

映画館、といっても客席40ほどのミニシアター。
エルメスビル10階にある「ル・ステュディオ」というプライベートシネマだ。
毎月、年間のテーマにもとづいた映画を上映していて、今年は「演じる。遊ぶ。プレイフルな人生!」がテーマ。

きのう観たのは1942年のアメリカ映画「生きるべきか死ぬべきか
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監督エルンスト・ルビッチ、脚本エドウィン・ジャスタス・メイヤー、撮影ルドルフ・マテ、音楽ウェルナー・R・ハイマン
出演キャロル・ロンバード、ジャック・ベニー、ロバート・スタック、フェリックス・ブレサート、ライオネル・アトウィルほか。

何と、ロバート・スタックが若い空軍兵士として登場していた。
テレビドラマの「アンタッチャブル」でFBI特別捜査官のエリオット・ネスを演じていた人。
1942年の映画だからこのときまだ23歳ぐらい。若い! しかもいい男だ。

映画は1939年、ナチスがヨーロッパへの支配を広げていた第二次世界大戦ぼっ発直前のポーランドワルシャワが舞台。
俳優のヨーゼフとマリアのトゥーラ夫妻は「ハムレット」で互いに主役を演じる看板役者だったが、ハンサムな若い中尉ソビンスキーに愛を告白されたマリアは、ヨーゼフが「生きるべきか死ぬべきか……」の長セリフを独白する間、中尉との逢瀬を楽しんでいた。
ソビンスキー中尉を演じていたのがロバート・スタック
やがてポーランド情勢が悪化し、トゥーラ夫妻の一座は劇場そのものをゲシュタポ本部に見立ててナチを相手に大芝居を打つが・・・。

第二次大戦の最中に制作され、戦意高揚の国策映画ではあるもののナチズムを痛烈に批判した傑作コメディ。
76年も前の作品だが、おもしろい映画は今もおもしろい。
きのう見るまでまるでこの映画の存在を知らなかったが、1940年に公開されたチャプリンの「独裁者」と双璧をなす作品といえるかもしれない。

マリア役のキャロル・ロンバードも美しい。何と彼女はこの映画を撮り終えたのち、飛行機事故により33歳で亡くなる。映画は彼女の死後、公開され、勲章が授与されたという。